25日、久し振りのお芝居鑑賞。
観劇は7ヶ月振り、ストレートプレイとなると4年振りの鑑賞…すっかり感激(観劇)から離れてしまった感がある今日この頃。
今回の鑑賞はYプロジェクト公演【雨と夢のあとに】という作品。
初めて聞く作品だったのでちょっと調べてみたところ…
柳美里さんという方の小説を原作に、演劇集団キャラメルボックスによる脚本でテレビドラマ化。
更にはキャラメルボックスによる舞台化がされた作品で、今回はキャラメルボックスから脚本提供を受けての上演だとか。
劇場は渋谷にある伝承ホールという初めての劇場。
最近なかなか渋谷に足を運ぶ機会がないので、折角来たのだからと、昔は渋谷に来るたびに行っていた天宝という中華屋で観劇前のランチ。
当時から1点買いだった特丼。約10年振り!
相変わらず美味しかった、また食べられて良かった。まだ存在してくれてありがとう。
お腹は満足、次は心を満足させる為に(笑)劇場へ…当日は最高気温27℃だか28℃だか…もう、暑いのなんの。
雨ってタイトルの作品観に行くのに快晴ですよ。
用意されていた席は、1列目つぶしの2列目、最前列やんけー!(叫)
(  ̄ω ̄){あらすじ ←この顔文字、物凄い久し振りに書いた。
蝶の採集で海外に出かけたきり、10日間も音信不通の父・朝晴(ともはる)。
自宅で1人で留守番していた14歳の娘・雨の前に、突如現れる隣室の女性・暁子(あきこ)。
父の帰国後、楽しい毎日が戻ったかに見えたが、雨の周りでは奇怪な出来事が次々と起こる……
…とまぁ、このあらすじだけ読んでも正直全く物語の内容が想像出来なかったので、wikipediaにあった原作のあらすじと、ドラマ版のあらすじとを一応読んでいった。
(  ̄ω ̄){ネタバレ注意
つまりは、海外に蝶の採集に行った父・朝晴が不慮の事故で亡くなってしまい、そうとは知らずに帰りを待ち続ける娘・雨の元へ朝晴の魂だけが帰る。
雨とは普通に会話も出来るし普通に生活出来るから、雨も、朝晴本人も、朝晴が亡くなって幽霊になってしまってる事に気付かないが、やがて身の回りの人の中に、朝晴の存在に気付かない人が現れて、おかしいと思い始める。
朝晴も雨も知らない間に隣の部屋に住んでいた女性・暁子と出会い、霊感が強いと自称する暁子に説明されて、朝晴は自分の身に何があったかを知る。
心が通い合っている人、自分が強く思っている相手、そして自分自身が幽霊の人には、普通に姿も見えて声も聞こえて接する事が出来る、と説明されて全く納得出来なかった朝晴だが、それを裏付ける出来事が次々と起こり、納得せざるを得なくなるが、突き詰めて行くと、幽霊になってしまった人は、この世に心残りがあるから成仏が出来ないのだと知る。
朝晴の心残りは、17年前(だっけ?)に喧嘩別れしてしまった両親との和解が出来てない事、ずっと世話をしてくれた先輩にお礼を言えていない事、一人娘の雨をたった一人残してしまう事だった。
もう一つ、音楽の為に自分を捨てて失踪してしまった妻との和解…みたいな要素もあった気がするが、それは心残りと言えたのかどうか?って自分的にはやや疑問。
実際、妻には朝晴の姿、見えてなかったし←。
幽霊である事を隠してこれまで通り生活する事を望むが、それが叶わないと知った朝晴は、心残りを一つ一つ解決していく。
…みたいな展開。
観ながら物語を理解していく感じだったけど、隣の席に座ってた知らない人は、だいぶ早い段階から物凄い勢いで泣いてたので、たぶんこの作品を知ってる人なんだろうなあ。
物語が大きく動き始める前から、先を思い出して、ここまで号泣しちゃうような作品なんだろうなぁ…。
自分的には、大切な人をすぐそばで見守る幽霊…って設定が、映画【ゴースト~ニューヨークの幻~】を思い出すなぁ…って感じてるところなんだけどなぁ、みたいな。
舞台上の設定で、朝晴の存在を認知できる人と認知出来ない人が混在してるため、認知出来ない人から見た認知できる人の姿、認知出来る人から見た認知出来ない人の姿がチグハグしていたり、つい何日か前にニュースで話題になったばかりのパワーワードが突然出てくる様な時事ネタだったりと、笑いを狙った演出も多く見られた。
(  ̄ω ̄){モンゴリアンチョップ
強過ぎるよね。←
朝晴以外の幽霊が登場して以降、ひょっとして…あの含みある態度のあの人も幽霊なんじゃ…あっちも実は幽霊なんじゃ…あんたが幽霊だったんかーーい!
…と、読めそうで読めない展開が続き、複雑な人間関係のもつれが描かれたり、かと言えばアニメチックな超常現象的シーンもあったり(幽霊自体が超常現象だが)
でも、後半になると、泣けますよ。
自分的に一番堪えたのは、17年も経ってやっとの思いで和解出来た父親に、自分はもう死んでるんだと伝えなきゃいけないシーンだったなぁ。
そして、それを聞いた父親が、それまで無愛想で寡黙だったのに、泣いたシーン。
朝晴が雨を思う愛、雨が朝晴を思う愛、それ以外の人達も、雨を思い朝晴を思う愛。
誰かを大切に思う愛の強さに感動出来るお話でした。
これは、しっかり物語を理解して、もう一度観たら全然違う作品に見えるかも知れない。
上演期間的に難しいけど、もう一度見たくなる作品でした。
出来れば、今回と同じキャストで。
カーテンコールは撮影OK。
この記事に、愛のぽちっと。押さないと幽霊になってつきまといます。←