
今年に入り、四季の観劇ペースがやや落ちており(同じ作品ばかりを繰り返し上演しているのであまり観たい作品がない、と言うのもあるが)今年3公演目。月に1度を割ってます。
一般的に見ればそれでも少なくないかもですが、観劇仲間達には、どうしちゃったの!?と言われる始末。
だって…観たい作品ないんだもん(笑)
ちなみに観劇全体で言うと、今年7公演目、月に2本ペースです。
今回は、時々四季を一緒に観に行く友達と久し振り(ウィキッド以来1年半振り)にご一緒しました。
元々四季や舞台が縁で知り合った友達ではないのに、最近は舞台鑑賞しかご一緒してない(笑)

この日は中学生らしき集団が、お隣の春劇場のライオンキングを貸し切った上に、秋劇場のウェストサイド物語の客席の半数以上を埋めてました。
最近の小中学校は授業の一環でミュージカルを見せるんだろうか?
恵まれてるよね。
まぁ自分自身もニッセイ名作劇場で小学校6年の時に学校ぐるみで劇団四季を観に行ったけど。
でも、あの時は『子供の為のミュージカルプレイ』だったり『ファミリーミュージカル』だったりと言った子供向けの作品で、今みたいに一般の人に混じって観る様なことはなかったなぁ。
しかも、よりによって非行やら殺人やらレイプやら過激なシーンが満載なウェストサイドを観に来るなんて…(笑)
是非健全な教育の為に大人しくライオンキングだけにしておいて頂きたい(笑)
こちらキャストボード。

前回鑑賞時からのキャストチェンジはこちら。

注目したのは上川リフ。
ここ最近、上川さんを色々な役柄で観ているので、徐々にその印象は薄れつつあるものの、やっぱり自分の中では上川さんってユタ(ユタと不思議な仲間たち)の印象が抜けきらないんです。
気が優しくてひ弱でもやしっ子で、なんなら困ったちゃん眉毛デフォ、みたいな、ユタとかライオネルとか、その系統のイメージがどうしても(笑)
リトルマーメイドのエリックでは見事に化け、そしてウィキッドのフィエロでは無理矢理感がハンパなかった。そんな上川さんの非行少年グループのリーダーっ振りはいかがなものか。
そして、相原アニタ。
双子の長身姉妹の妹の方ですが、奇しくも裏でアニタを演じてる岡村さんと同じ171センチ(笑)
それはともかく、前期(2012)そして前回鑑賞時(2月)は同じシャーク団の台詞が無いエステラを演じていた相原さんが準主役格へ昇格したのを観たいかなぁと。
座席は最前列ドセンターより、やや上手側。
前回は同行者の遅刻の影響で頭の10分弱が観れなかったのですが、10分って結構大きいよな~…なんて思いながら今回観てみたら、観れてなかったのは最初のジェットとシャークの台詞が無いダンスシーン(小競り合い)のみ。
すぐに見覚えがある、シュランク警部補の登場シーンへ。
意外とテンポ遅いんだなあ、この作品。
当日は学生が客席の大半を占めていたのもあってか、特にコミカルなダンスシーンには笑いが、派手なダンスシーンには驚きの声が。
私語雑音はご勘弁願いたいけど、こういうのは、まぁ賛否両論だろうが個人的には嫌いではない。
さて注目の上川さん。
声ってこんなに変わるのかってほど、芯が通ってて低く響く声。
表情もそうなら声の感じも、善悪はともかく組織をまとめるリーダーな風格が漂っていました。
チームで一番血の気多くて喧嘩っ早いアクションを制する姿も、アクションを上から抑え込む威圧感がありました。
裏でリフを演じてる松島さんは、声が高めなせいもあってか、上から抑え込むというよりは、同じ高さに構えて真っ向からぶつかって止める様な印象がありました。
相原アニタも良かった。
岡村さんほど、役者として見慣れてないので、ストレートな気持ち(名前はわからないけど、この人いいなーってレベルの役者さんと大差ないレベル)で観る事が出来た気がする。
役者として認識しちゃってると、別のキャラが纏わりつくからね。
過去の自分の観劇記録では、茜さんってWSS以外だと懐かしいソンダン魂で姉妹揃って鏡写しをやってたアレしか観てないらしいです。
猫のイキザマ物語とか、ダンサーのイキザマ物語で見掛けたのはどうやら萌さんの方らしい←。
他だと、トニー役の神永さんは更に日本語が自然になった気がします。
前回観た時は、やや棒読み感があったリフとの会話(ドッグの店で、ダンスパーティーに行くの行かないのとやり合うシーン)も自然かつ抑揚が付いた様に感じます。
そして、マリアを歌いあげる時の歌声はやっぱりいいですね。
マリアと言えば、マリアとトニーの関係なんだけど、あれって凄いですよね。
世の中、こんな一目惚れってあるのか!と思う程、極端な一目惚れ。
ふと目が合った瞬間に何かを感じる一目惚れなんて、舞台にしたら凄い数あるけど、あの二人の上り詰め度はハンパない。
そもそも、WSSって物語自体が2日間という短い時間軸の中で進む物語なワケで、その中で『手を出すなコノヤロウ!俺の妹だ!』の翌日には『富める時も貧しい時も、健やかなる時も病める時も…』なんて結婚式の真似事をしてる訳でしょ?しかもめっちゃ純粋な気持ちで。
まぁ、WSSを初めて観た友達も、この作品がロミジュリをベースにしてる事に気付いたほど、このストーリーはロミジュリらしいので、ロミジュリの方もそうなのかも知れないけどね。
ロミジュリの事、実はあまり知らないので。←
曲に関して、どうしても有名なナンバー(MAMBO!、MARIA、TONIGHT、TONIGHT(quintet)、SOMEWHERE)しか耳が覚えられない…他のナンバーが頭に入ってこないので、歌唱曲に合わせて細かいストーリーやシーンの出来事を覚えていくタイプの頭には、WSSと言う作品は細かなところまで覚えておくのが難しい作品でして(違)
しかも、クラプキ巡査の真似事のシーンなど、曲と全くかかわりを持たないシーンや、曲以上に覚えるのが難しいダンスがメインのシーンもそれなりに多いと来てる。
なので、いつまで経ってもWSS=MAMNO!かTONIGHTかSOMEWHEREのままなオレなのです(違)
有名なナンバーの中で一番好きなのはSomewhereなんですが、個人的にはWSSの上演中に聴くSomewhereよりも、以前に観に行った4Stars One World of Broadway Musicalsというミュージカルコンサートで聴いた豪華なキャストによるSomewhereが好きで、中でも大好きな女優のLea Salongaが歌った♪Hold my hand And I'll take you there~(日本語だと♪手~を繋ぎながら~)のパートの音が、ずっと耳の中に残ってるので、それと比較しちゃうのが残念(笑)
あと個人的に好きな演技、と言うのがあって、それがアニタをレイプしたジェット団の面々をしかりつけるドック。
あの、怒りと無念さみたいなのが混ざった絶妙な感情が好きです。
ああいう演技って、松下さんみたいな好々爺めいた人がやるからこそ印象に残るんだろうなぁ。
仮にあれを、シュランク役の志村さんがやってもあまり印象に残らないだろう(笑)
そして、これでもか!という位に人が殺されて、マリアは気が触れた様に絶叫して、結果的に誰も救われない本当の悲劇ですけども、個人的にはここ最近、人が死にましたー泣きましたー…ってシーンよりも、悲劇的現実をぶつけられる中で束の間見る理想の空間、って言うのかな。
この作品で言うならば、正にSOMEWHEREのシーンの事なんだけど、そういうシーンの方が弱いです。
言ってしまえば、現実逃避の妄想だったり夢だったりでしかないんだけど、そういう見方じゃなくて、こうだったらいいな~っていう希望的観測の妄想じゃなくて、例えばこの作品であれば、人種差別さえなければこうなっていたはずなのに…と言う意味の、選ばれなかったもう一つの選択肢の先にあったはずの未来、って意味でそのシーンを解釈して観ちゃう傾向が自分の中にあるんです。
最近だと、浅利劇団が上演した、元四季作品の【思い出を売る男】にもそういうシーンがあって、それがGIの青年と恋人ジェニーにシーンがそれだったりして。あれは『戦争さえなければ訪れていたかも知れない光景を垣間見るシーン』って解釈。
ああいうシーンを観てると、なんでこんな事になってるんだろう…?って運命を呪う感じになってしまう。
起こってしまった現実を見てではなく、起こらなかった方の風景に思いを馳せてちょっと悲しくなる的な?意味不明。
とにかくそういう良くわからない感情で、あの真っ白な光景にちょっと弱いのです。
まぁ、悲劇の中での理想の光景って、表現の仕方を少し変えれば、叶えられなかった光景って事でそんなに大きく違わないだろうしね。
そんな感じで只今、秋劇場と自由劇場で上演中のダンスミュージカル、秋劇場の方を観てきました、というお話。次回は自由劇場のほうを観に行きます。
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