
小雨も降り寒かった当日、まずはパーコー麺で体を温めて…笑

ミュージカル・シラノ以来、2年1ヶ月振り日生劇場。

ポスターからして強烈ですね。

個人的には、ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2013のラストナンバーに歌われた、The Best of Timeが印象に残っており(ラストの、今を~おおおおおおお!!って壮大な盛り上がりとかね)、どんな作品なのかな~と頭の片隅に残ってた作品です。
んでたまたま、もう去年の6月になりますけど、カルメンを観に行った時にロビーで流れていたラカージュのPVを観て、当日カルメンをご一緒していた友達と一発で意見が合致し、これ観に行こう!と。
プログラムも購入。ホリプロらしからぬ長方形。

座席は下手ブロック前方。オーケストラピットを挟んでもキャストの表情は充分見える距離です。
出演は以下の通り。ちなみにキャラ説明にはオフィシャルのものに、若干ばかり個人的に感じた事を書き足してますw
◇ジョルジュ - ゲイバー【ラ・カージュ・オ・フォール】の経営者。自称・普通のホモ。:鹿賀丈史
◇アルバン(ザザ) - ザザとしてはゲイバー【ラ・カージュ・オ・フォール】のトップスター、アルバンとしてはジョルジュの私生活のパートナー(女房役)。自称・女装のホモ。:市村正親
◇ジャン・ミッシェル - ジョルジュが一晩の過ちで作ってしまった息子。アルバンが母親代わりに20年育てた。:相葉裕樹
◇アンヌ - ダンドン夫妻の娘でジャン・ミッシェルのフィアンセ。この二人が結婚宣言したのがすべての始まり。:愛原実花
◇ジャクリーヌ - アルバンの親友で高級レストラン『シェ・ジャクリーヌ』の経営者。:香寿たつき
◇ダンドン議員 - アンヌの父。 伝統的な家族と道徳を守る、保守政党のリーダー:今井清隆
◇ダンドン夫人 - アンヌの母。堅物で保守的な旦那とは対照的に、その夫人としての態度を取りつつ、恐らく根はミーハー。彼女が座ると周りが跳ねる。:森公美子
他にも個性的なメンバーがずらりと。例えばラカージュのゲイダンサーの中にマツケンサンバの振付でお馴染の真島茂樹さんがいたりね。
あらすじ
舞台は南仏サントロぺのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」。
オーナーのジョルジュ(鹿賀丈史)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村正親)は20年間同棲し、事実上の夫婦として生活してきた。
アルバンはこのところふさぎこんでいて、ショーの出番に遅れることもしばしば。
愚痴をこぼすアルバンとそのご機嫌をとるジョルジュ――いわばふたりは倦怠期なのだ。
ジョルジュには、24年前の過ち(?)から生まれた最愛の息子ジャン・ミッシェル(相葉裕樹)がいる。
アルバンが母親がわりとなり、手塩にかけて育てて来た。
そんなジャンが、突然結婚を宣言したことからひと騒動がまきおこる。
相手は、保守的で知られる政治家ダンドン議員夫妻(今井清隆・森公美子)の娘アンヌ(愛原実花)。
ジャンはジョルジュに、一晩だけマトモな家族に見えるよう取り繕ってくれるよう懇願し、そのうえ、ずっと会っていない実の母親を呼んでほしいと頼みこむ。
ずっとジャンを育ててきたアルバンは深く傷つくが、ジョルジュの説得によりジャンの頼みを受け入れる。
ところが、ジャンの母親が急に来られなくなり、さあ大変!
アルバンは、ついに女装して母親になることを決意、馴染みのジャクリーヌ(香寿たつき)の店での食事会はひとまず大成功に思えたのだが…。
(【ラ・カージュ・オ・フォール】オフィシャルページより)
以下雑感、ネタバレ御免。
まず、ミュージカルですが、コメディとしての要素が非常に多く、伴って台詞や細かい動作で笑いを描くシーンをじっくり見せる為か、歌どころかBGMすらなく、ひたすら台詞だけで進めるシーンがミュージカルとしては異例なほど多い印象。
その反面で、ゲイクラブ【ラ・カージュ・オ・フォール】でショーとして上演されている、ラインダンスやフレンチカンカンなど華やかなパフォーマンスをしっかり見せてくれるので、凄く賑やかな作品です。
ラカージュのシーンでは、鹿賀さん扮するジョルジュが、客席をラカージュの客席に見立てて、前説をやっている体で台詞を喋るので、本当にお店の客としてレビューショーを観てるかの様な気分になります。
ラインダンスやフレンチカンカンを踊るのは、当然の事ながら女装した男性陣。
ドレスからフリフリからセーラー服からレオタードから、とにかく色々な衣装を着て登場しますが、そもそも宝塚みたいなレビューショーをやってる俳優のメイクって本当に素顔がわからないほどゴテゴテの濃さなので、彼らがそのメイク+その衣装で登壇してる事に何の違和感も感じませんでした。
ゲイクラブって聞くと、どう見てもオッサンな男がケバいメイクしてるイメージばかりが先行するんですが、全然そんな事なく、彼らが踊るシーンが滑稽な物に見える事はありませんでした。
まぁ、踊り終えて舞台裏にシーンが移ると、みんなオカマちゃん特有のダミ声で喋り始めるので、一気に滑稽になるのですがw
どんなビジュアルかと申しますと。
でも、ダンスもカッチリ揃ってるとは言えないものの、一定のレベルに達しており、またみんな脚がきれい!
↑ただし、真島さんはどう見ても男だって程の筋肉質。
また、ラカージュメンバーのシャンタル役の新納慎也さんは凄かった。
男とは思えない綺麗なファルセット、しかも声量たっぷりに歌い上げるのです。んで直後にガツンっと音域が下がって地声で歌い出したり、あれは凄かった、
顔に至っても、プログラムのキャスト紹介にメイクアップした状態のバストアップ写真が載ってますが、綺麗!!とは言えないものの、んげえええ…ってなる様な人は一人もおらず、また中には元々の素顔が綺麗なのか、女性だと言われてもわからない人もいました。
ちなみにそんな彼ら、踊り終わるのと同時にカツラを外すのが定番ゲイ…いや、定番芸の様で、華やかなショーの世界から突然現実に引き戻される事もしばしば…(笑)
中でも市村さん、さすがは主演ですね。
アルバン役の市村さんは、ザザとして着飾ってる以外のシーンでも、あーあー!こういう派手なおばちゃんいるいる!って感じで、耳を塞いでいれば(笑)、ちょっと派手なおばちゃんだなー程度にしか見えません。
ただ、あの裏声は相当きっついわ(爆)
しかも最初のうちは、意識して裏声を使ってる様な声なんだけど、物語の後半になると展開がドタバタしてるのもあってか、ほとんど歌舞伎の口上みたいになってました(笑)
笑いのネタの一部をご紹介。【ネタバレします】
・ジョルジュが自分の息子の年齢を4歳も勘違いしていて、本人に突っ込まれて『うそぉ!?』とびっくりしてみたり。
・ジャン・ミッシェルがダンドン夫人の胸を揉みまくって、しかもそれで夫人がエクスタシーしてたり。
・夫人がソファに座ると、そのソファーに座ってた人全員が跳ねたり。
あ、そう言えば当日、一幕の中盤くらいかな?本当に地震がありましたね。
ん?地震?程度の揺れでしたが、東北では震度5強ほどもあったそうで。
決してダンドン夫人がイスに座ったからではないと思います←。
・ジョルジュがジャン・ミッシェルの頭を、生音が劇場の隅々まで届くくらい力いっぱい叩いたり。
・アルバンが登場しざまに『お母様よ!』とか、どう考えてもおかしな自己紹介してみたり。
・アルバンが制作の裏話をしてみたり。
・その時に『観る天国やる地獄』とか、どこかで聞いた言葉を言ってみたり。
伝わりません。この作品の面白さは幾ら頑張っても、実際に観ない事には伝わりません。
実際に観て下さい。
あ、そう言えば聴きたかった【The Best of Time】は期待通りの昂揚感に少しムネアツでした。
他にも、いい曲が何曲かあったなぁ。
本当に楽しい、とにかく楽しい作品でした。
この作品の上演自体が三年周期らしく、今季もう観に行けないとなると次に観に行けるのは三年後ですが、またぜひ観に行きたい作品です。
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