映画【ダイバージェント】 | たかびの自己満観劇ブログ
最近、ミュージカル鑑賞のペースが落ちてきて、このブログの更新ペースも随分遅くなったので、今後、映画鑑賞の記事もアップしようかと。

過去の映画記事も随時アップしますー。

TOHO CINEMAS 有楽座で、日本公開間もない【ダイバージェント】を鑑賞してきました。


晴海通りを挟んで対面にあるTOHO CINEMAS 日劇には数え切れない程行ってるけど、有楽座は初めて。

有楽座は日劇の様なシネコンではなく(日劇も本当のシネコンではなく、3つの映画館を統合した“なんちゃって”シネコンだけど)、昔ながらの単一スクリーンの映画館で、狭くてスクリーンも小さく、内装も一昔以上前の時代を感じるデザインと造り。

ニュー東宝シネマ時代から数えると何十年前からあるスクリーンだからなぁ…。

~あらすじ~

最終戦争から500年後のシカゴでは、人々は『無欲(アブネゲーション)』『平和(アミティ)』『高潔(キャンダー)』『博学(エリュアダイト)』『勇敢(ドーントレス)』の5つの共同体に振り分けられていた。

主人公のベアトリス・プライアーはそのいずれにも属さない『異端児(ダイバージェント)』とみなされてしまう。

ダイバージェントは、この世の秩序の乱れを理由にエリュアダイトによって始末されてしまう。

ベアトレスは自分がダイバージェントである事を隠し、ドーントレスの道を選ぶが…。



以下、ネタバレを含む。

ダイバージェントは、たった一度の性格診断テストで適合性の高い派閥を割り出され、選択の儀で自らの意思でいずれかの共同体(派閥、と呼ばれている)を選択し、一度選択した派閥から将来通じてはみ出す事を許されない、統一管理下の世界を描いた近未来のSFアクション映画でしたが、その本質はまさに現代の社会を描いているかの様でした。

派閥に属せなければ生きれない、派閥内で生き残るなら命令絶対服従と仲間を潰してでも自分が這い上がる精神を必要とし、派閥から脱落した者は隅に追いやられ影を潜めて生き、そして型にはまらない異端児(ダイバージェント)は抹殺される。

派閥を会社組織や社会に置き換え、生き残りを世渡りや出世競争と置き換え、脱落者を失業者と置き換え、異端児はそのまま異端児としたら、それは正に現代の光景だ、と感じました。

そこに軍隊形式の訓練や殺し合いと言ったアクション要素と、マインドコントロールや近未来的な異空間の具現化と言ったSF要素、あとほんの少し残された人間味として、少しの愛で演出を施したのがこの作品なんじゃないかな、と、個人的にはそう感じました。

映画の内容的には…。

近未来の統一管理下に於ける世界、と言う事で、随分昔にISLANDという映画があったのを思い出し、あれも確か管理下の於ける世界からの脱走がテーマだったな~…あんな感じなのかな~、と思いながら、ISLANDをベースに観たのがいけなかったのか、根底的には大きくは違わないものの、展開とか全く違い(当たり前)、結果、ちょっと想像と違うなー…と感じてしまいました(笑)

全てのものが5つの派閥で管理されてる事から、選択の儀で生れ育った派閥と違う派閥を選択する事は、家族との決別をも意味する事に気付き、残酷だなーと。

最近、残酷だなーと感じる映画ばかり観てる気がしないでもない。

現にベアトリスとその兄の選択の儀(成人式みたいなもの?笑)では、兄が博学を、ベアトリスは勇敢を選択し、無欲に属していた家族から離れる結果になった時の両親の悲痛な表情が印象的に映し出されてました。

ベアトリスが名を縮め、トリスとして属した勇敢の派閥は、街の治安を維持する警察と説明されていたけど、内情は軍隊教育そのもの。

属した初日から、走る列車からビルに飛び移る、そのビルの屋上から数十メートル下まで飛び降りると言った無茶な行動を強いられ、同じ派閥に属した者同士が『相手が潰れるまで』殴り合い蹴り合う試合を、訓練と称して毎日行い、その査定結果でミッション終了までに規定順位に入れなかった下位(たぶん下位16人くらいか?)は、強制的に派閥から追い出され、脱落者者はどの派閥にも再所属を許されず無所属として、隅のほうで細々といき続ける事になる。

トリス役の女優、シャイリーン・ウッドリーが、目がくりっとした可愛らしいビジュアルなのもあり、この軍隊教育のシーンに、とにかく合わない!

その可愛らしい顔を、同僚にボッコボコに殴られ蹴られる痛々しいシーンが何度も出てきます。

試合に負けて気絶してる間に脱落者に認定されても、何とか喰らい付こうとするトリスに、教官たちは特例的にトリスの復帰を認め、トリスは純粋なドーントレスとは違う何かを発揮して、どんどん頭角を現して行く中で、その存在を怪しみむ人も出てきます。

お前、テスト結果はなんだった?

そんな中、全てが管理下において絶妙なバランスを保たれているかに見えた世の中で、その世界の制圧を目論む悪が動き出します。

戦争が起き、トリスが属するドーントレスは何者かに洗脳され、無益な殺戮を繰り返す中で、ダイバージェントであるトリスは洗脳から逃れ、両親を助けようと動き回りますが、型からはみ出た者は狙われます。

そんなトリスを助けてくれたのが、教官の一人であり、トリスに何かと気を掛けるトビアス“フォー”イートン、イケメンです(笑)

この二人がフォーリンラブなシーンを演じちゃうのは、あぁ~…やっぱりそう来たか…な感じですが(笑)

そしてもう一人は、トリスが無欲⇒勇敢に転向したのと同様に、勇敢⇒無欲に転向した過去を持つトリスの母親だったりして、登場人物たちの意外な過去や本性が描かれる展開になります。

ドーントレスを操り世界の制圧を目論む黒幕は誰?

結末はどうなる?


観終わって、おぼろげながらに、思った事があります。

ひょっとしたら、トビアス教官も○○○○○○○○だったんじゃないかなぁ…違うか。

ちょっと想像とは違ったけど、面白かったな。

ただ、全世界メガヒット、と書いてある割には実は興行収入も評論もあまり芳しくないらしいですね。

次回はマレフィセントを観に行きます。

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