
濱田めぐみさん主演ミュージカル、日本初公開作品です。
劇場は、天王洲アイルにある銀河劇場。
ホリプロミュージカルは24年3月のミュージカル・ジキル&ハイド以来、濱田さんを拝見するのも、銀河劇場に行くのも、昨年4月に同劇場で行われた濱田さんのセカンド・ソロコンサート『Rouge』以来です。
当日は観劇をご一緒した友達と、銀河劇場が入るシーフォートビルのインド・ネパールカレー『カナピナ』でランチをしつつ…


こんな景色が見えるMOMI&TOY'Sでお茶しつつ…

役者たちの特色を表してるかの様なお花を見つつ…。




カルメン。

プログラムも購入。相変わらず正方形で、相変わらず袋もくれずに裸で渡してくれちゃったりするホリプロ様です。

なので持参した劇団四季のプログラム袋にイン。濱田めぐみが再び劇団四季に収まりました(笑)
座席は5列ほぼドセンター。一般発売直前に取ったのに、なかなかの良席が取れたものです。ちなみに同じタイミングで前日の公演のチケットも観たのですが、良い席は全然残ってませんでした。この違いは何なんでしょう。
この公演は生オケですが、オーケストラピットが上手の袖中にあるらしく、舞台が近い!
出演は、ジプシーのダンサー・カルメン役に濱田めぐみさんの他、市長役に別所哲也さん、カルメンと恋に落ちる警察官のホセ役に清水良太郎さん、市長の娘でホセの婚約者カタリナ役に大塚千弘さん、市長の姉でカタリナの伯母のイネス役に香寿たつきさん、ジプシーの長・ガルシアに米倉利紀さん、全く以て謎な(正に謎!)預言者にJKimさん、と言うプリンシバル陣です。
ホセ役の清水良太郎さんは、ものまね四天王の一人・清水アキラさんの息子さんだそうで、本格的なミュージカルは初出演だそうです。
個人的にニヤリ、とするのが市長役の別所さん。
だって、別所さんと言えばレ・ミゼラブルのオリジナル演出版(旧演出版)で、ジャン・バルジャン役で拝見してますから、そう言えばジャン・バルジャンも市長様だなぁ、みたいな(笑)
-あらすじ-
舞台はスペイン。
警察官ホセ(清水良太郎)は、市長(別所哲也)の娘・カタリナ(大塚千弘)と婚約をしながら、町を訪れたジプシーのダンサー・カルメン(濱田めぐみ)と運命的な恋に落ちる。
その噂を聞き不安になるカタリナを、叔母のイネス(香寿たつき)が母親のように支える。
そんな中、カルメンを暴力で支配しようとするジプシーの長・ガルシア(米倉利紀)がホセを罠にはめ、カルメンを追いこんでいく。
占い師(JKim)が予言した通り、愛と背徳の旋律が掻き鳴らされていく・・・
と言う事で、濱田めぐみさん劇団四季退団後、初のソロ・タイトルロール作品だそうです。
ソロでなければ、退団直後早々に『ボニー&クライド』でタイトルロールを演じてるけどね。
以下、ネタバレを含みます。
前にも書きましたがこの占い師(預言者)が謎過ぎる。
とにかく、怪しい香りをプンプン漂わせながら、小林幸子だか美空ひばりだか(オレ曰く)、或いは美川憲一(友達曰く)だかの歌謡ショーみたいな空気です(何)
そう感じるのには理由があって、この作品では特に色濃くその感じがすると思うんですが、フランク・ワイルドホーン氏が書く曲って、妙に日本人の耳に馴染むと言うか、歌謡曲かよ!って感じの曲が多く、外国人が書いた曲とは思えない!って部分があるんです。
んで、予言を歌で表現するんですが、韓国人女優のJKimさん(元四季だそうです)の歌声がこれまた低くて深くて声量が凄いって事で、怪しさに輪を掛けてるワケですね。
基本的にはこの預言者は物語の進行に直接関わって来ないと言うか、間接的には関わってるんだろうけど、預言者がいる空間だけ別の場所にあると言うか異空間と言うか、ともすればテレビドラマで言う所のアイキャッチ(一旦CMでーす!的なアレ)みたいな位置づけにすら感じます。
んで、その預言者がちょいちょい絡んでくる事で展開が大きく進む、的な構造になってる様に感じるんだけど、肝心のドラマ部分がこれ面白い。
まず、カルメンがジプシーの輪の中にいるシーンが一番最初に描かれた後、しばらくカルメン出てきません。
その間の主役はホセとカタリナ。市長が主体となって行われた二人の婚約パーティー的な内容なんですが、そこから抜け出した二人は星空の下でちょっといい雰囲気。
その時に歌われる、恐らく『ただ一人の人』って曲だと思うんだけど、これがいい感じなんです。
なになに?始まって10分するかしないかのうちに、もうハッピーエンド的クライマックス来ちゃいました?みたいな、本当にそんな空気です。
んで、街で騒ぎを起こしたジプシーの女って形でカルメンが登場、真面目でカタブツな警官のホセを、恐らくは濱田さんがジキル&ハイドのルーシー役で新境地を開いた“色気”を目いっぱい使って誘惑する感じ。
それでもなびかなかったと言う事で、ホセはジプシー仲間の間で、あのカルメンが落せなかった男として話題になります。
ところがこのホセ、厄介者ですよね。
誘惑されても、カルメンに対してちょっかいを出す様な事は無かった代わりに、カルメンに対して本気になっちゃった!(爆)
浮つく程度ならまだしも、本気になっちゃダメでしょ、婚約者いるのに!(笑)
市長の娘の婚約者と言う立場上、またジプシーを追う警察官と言う職務上、完全にアウトー!な感じです。
色男が婚約者に我が身を捧げるかの様な顔をしつつ色を売る女にうつつを抜かすわ、婚約者は押し潰されそうな不安に耐えつつ旦那を信じようとするわ、濱田さんは色っぽいわで…
もはや『ジキル・アンド・ハイド』(フランク・ワイルドホーン氏作曲)にしか見えんわ!
ホセとカタリナとカルメンって、ジキルとエマとルーシーやないかい!
ま、そう言う曲がった見方はやめましょ。
( ̄旦 ̄)ズズ…
しかし、もつれにもつれる人間関係は観ていて面白いです。
また楽曲に関して、濱田さんのソロコンサートでも歌われているVIVA!はやっぱり、この作品の主役ナンバー的な感じですね。
ただ歌うだけのソロコンとは違い、ダンス付きで歌われたナンバーは本当に迫力満点でした。格好良かった。
この3人以外のキャストについてですが、ホリプロの作品って時々、ロック歌手が出ていたりするんだけど、声を荒げた時の台詞が聞き取りにくい…。
今回の米倉さんしかり、ボニクラの時の岡田浩暉さんしかり…。
本職の舞台俳優じゃないから仕方ないのかな…。
今回ある意味でキモだったのが市長役の別所さん。
二枚目なのに小ネタが面白い!昔はちょっとこうスリムだった…(爆)
↑観た人はみんなわかる筈(笑)
逆に、さりげなくやらかす市長とは違って堂々とやらかすイネス役の香寿たつきさんは、イマイチはじけっぷりが足りないと言うか、面白い事やってるんだけど笑えない、残念な感じでした。もっと思い切りやって欲しいな。
最後は、私は自由だ!自由に生きるんだ!と主張し続けたカルメンが、結局愛してしまったホセの為に身を捨て、全てから解き放たれて本当に自由になる的な、ある意味でお約束の展開になり、収まる所に収まった的な終わり方でしたが、前半は展開の面白さを、後半は濱田さんの歌を楽しむ様な感じでした。
それにしても、やっぱりホリプロが上演するミュージカルって一幕に詰め込み過ぎる傾向があるよね。
安定の二幕あっさりタイプでした。
そして、歌の時にスピーカーのボリューム上げ過ぎ…劇場出てしばらく、耳がほわんほわんしてました。
カルメンと言えば、赤と黒ってカラーイメージですが、ストーリーもひっくるめて、正に赤(情熱)と黒(後ろめたさやガルシア等の黒い存在)って感じでした。
また、情熱的な雰囲気がありつつも、素人目にスペインとかフラメンコとかに抱いてる♪オーゥレーイな感じは有りませんでした。それっぽい振り付けの所はあったけど。
何はともあれ、濱田さん素敵でした(雑!)
この記事に、熱い情熱を!