劇団ホチキス【妻らない極道たち】 | たかびの自己満観劇ブログ

雨の中、吉祥寺シアターで行われている劇団ホチキス公演【妻らない極道たち】の初日を鑑賞してきました。

吉祥寺シアターに行くのは電動夏子安置システムの【Performen VI~paradiso~】以来、3年1ヶ月振り。
そして、ホチキスを観に行くのも【湯煙の頃に君を想う】以来、3年2ヶ月振り…。
当日挟み込まれていたアンケートに記載されていた過去公演一覧には、湯煙から今作までの間に知らない作品がてんこもり…うぉー、いつの間に!

訪れるのが久し振り過ぎて、吉祥寺シアターがどんなハコだったかすら覚えてないと言う…。

ロビーにケツメからの花が!

座席は全席指定、二列ドセンでしたが、二列目から段差があり観易い!
そしてお客も良く入ってました。

《ストーリー》
舞台は港町。
権藤良子は、「権藤組」組長の妻。夫が病死ししたため、女組長として「権藤組」をしきっている。良子の古くからの友人、野菊あけみの運営するスナック「スナックあけみ」がひょんなことから潰れる寸前まで追いやられてしまう。良子は、権藤組組員を従えて「スナックあけみ」の経営再建に乗り出す。
組員の一人が、婚活支援事業に多額の助成金が出る事を発見。架空の結婚相談所を設立し、助成金をだまし取る作戦を思いつくのだが、良子は本当に結婚相談所を開くを言い出す。こうして、極道が運営する結婚相談所が動き出すのだが…


ガッツリとネタバレします、観に行かれる予定の方はご注意ください。


今回の作品は、ひょんな事から(ノリで)極道の女二代目が始めた結婚相談所で巻き起こる結婚詐欺と出会いとそして二代目の知られざる過去に触れるコメディ。


毎度ホチキスの作品は、脚本の上手さとそれを彩る個性的な役者たちの演技に感心させられるんだけど、今回のは特に笑ったなー。

まず久し振りの鑑賞でびっくりしたのが、ホチキスってストプレ劇団だとばかり思ってたのに、今回はミュージカルみたいな演出が随所に…。

スナックを舞台にしてると言う事で、スナックに設置されてるカラオケを使って歌う、と言う体で歌われるものから、そこに居ない筈の人が袖からぞろぞろ出てきて全員でスポット浴びて合唱する様なシーンまで、とにかく歌唱シーンが目立ったな。

登場人物も非常に個性豊か。

何かと言うとママとニコイチになって凄く息が合ったアピールをするオカマのマスター。
バブリーな時代のお高くとまったお嬢。
ヤクザの組長と言うよりはヴィジュアルバンドのヴォーカルみたいな組長を筆頭に紳士的な組員、見るからにチンピラな組員、データ命の理論派組員、猫語を操れる厳ついあんちゃん、と統一性の無いヤクザ。
勘違い甚だしいネコミミ娘。
このメンツに囲まれるのには非常に不釣り合いな真面目な刑事や正統派美少女。

結婚相談所で出会った人達の恋愛ドラマと、結婚詐欺師を追い詰める犯人探しドラマの2つのストーリーが絡んだメインストーリーを軸に…。

極道なのに結婚相談所というギャップが生み出すギャグがバランスよく散りばめられており…。

電話に出るのにヤクザなノリでドス効かせて出ちゃったり、結婚相談所を訪れた客を組員総出で低く構えて出迎えたり、寄せられた結婚相談の中に、何故か劇団ホチキス宛てのファンレターが混ざってたり…一人のボケに対して全員で一斉にツッコミを入れてみたり…と言った、定番ギャグを連発したり。

【アナウンサーと雪の情報】と言う、どこかで聞いた名前の映画が登場するなどの時事、またその替え歌をミュージカルシーンに繋ぐ展開にしてみたり。

『先生!○○がしたいです!』みたいな某漫画の名言を小ネタ程度に散りばめたり。

極め付けは、クライマックスシーン?になるのかな?
クイックルワイパー(←劇中でもツッコミを入れてます)に跨って『……飛べ』と囁く、某ジブリアニメの名シーンをまんまパクった壮大なギャグをかましてみたり。

↑アニメの、だんだんと浮き上がっていく様を実際に人間の身体だけで再現してみせたのは凄かった。

あ、ちなみに彼らは本当に飛びました。劇場の天井スレスレを本当に飛んだ彼らに、客席からは笑いと拍手が巻き起こりました。

色々な笑いの要素を一つのコメディ作品としてきっちりまとめあげた良い作品でした。
本当にこの劇団の脚本のクオリティの高さは毎回感心させられる。


もう一度観に行こうかとすら思案中。

火曜日のマチネが楽なので月曜日のソワレにもう一度観に行こうかな。 誰か行ってみる?

劇団ホチキス

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