ミュージカル【フル・モンティ】 | たかびの自己満観劇ブログ
昨夜は国際フォーラムで行われているミュージカル【フル・モンティ】を鑑賞してきました。

工場を解雇になった男達が、各々の事情や思惑で金を稼ぐ為にストリップショーを企てる、と言う映画の舞台化作品です。

【キャスト】

◇ジェリー・ルコウスキー: 山田孝之
◇マルコム・マクレガー:中村倫也
◇イーサン・ジラード:ムロツヨシ
◇デイブ・ブカティンスキー:勝矢
◇ハロルド・ニコルズ:鈴木綜馬
◇ノア“ホース”・T・シモンズ:ブラザートム

◇ジョージー・ブカティンスキー:大和田美帆
◇パム・ルコウスキー:佐藤仁美
◇ジャネット・バーマイスター/モリー・マクレガー:浦嶋りんこ
◇ヴィッキー・ニコルズ:保坂知寿

◇ネイサン・ルコウスキー:福田響志

豪華な顔触れですねぇ。
そして、子役(ネイサン)含め、元四季も目立ちます。

…と言っても実際に四季の舞台で観た事あるの、福田くん(ヤング・シンバ)だけだけど…(笑)

【ストーリー】

かつては鉄鋼業で栄えたNYの田舎町バッファロー。鉄工所で働いていたジェリーも、今は失業中で職安通いの日々を送っている。一人息子が唯一、心の慰めだったが、その養育費も払えず、離婚した元妻に親権も奪われそうになっていた。職安には、ジェリー以外にも鉄工所の元仕事仲間たちが毎日、職を探しにやってくる。
そんな男たちをよそに、街の女たちは巡業でやって来た男性ストリップショーに過熱していた。その中には、ジェリーの親友で同じく失業中のデイヴの妻の姿もある。女たちの過熱ぶりと、自分たちをバカにした男性ストリッパーへの反発心から、ジェリーは一獲千金を狙って自らが、一夜限りのストリップショーのステージに立つ決意をする。しかもそれは、「フル・モンティ(=すっぽんぽん)」のショーだという。
ショーに出る仲間集めのオーディションに来たのは、やはりそれぞれに事情を抱え、このショーに賭けようとする男たち。しかし、ショーの本番が刻々と近づく中、不慣れなダンスの練習に加えそれぞれの個人的な問題のために、6人の気持ちに乱れが生まれていく。果たして、男6人の〝フル・モンティ″は、成功を収めるのか…!?(公式より)


座席は1階3列下手サブセンター下手通路。
真横にスピーカーがあった為、それはたいそうな迫力でした。
その代わり、マイクのOnOff音や諸雑音も煩い位に良く聞こえたけどさ。

【雑感】

生オケですが、オーケストラは奈落ではなく舞台奥だったので舞台が近くて良かったです。
ストーリーもとてもわかりやすく、初見の舞台では序盤はなかなか情景や人物相関図が掴みにくく、何となしに流れてしまって後から…って作品が多い中、そう言った事もなく、すぐに物語の世界に入り込める様な親切設計。

ストーリーは良く出来てるし面白かったと思います。
コメディーではなく、シリアスでも作品として充分に成り立つ。

この作品の“売り”は爆笑続きのドタバタ…と言う話で、期待して行ったんですが、残念ながらそこまで質の良い笑いではありませんでした。正直期待外れ。

周りはドカンドカンウケてたみたいだけど、よくよく観察してみると(上演中によそ見してちゃ駄目でしょ!と言う話ですが)みんながみんな笑ってた訳ではなく、どちらかと言うと女性の方がウケが良い作品の様でした。客層も女性がだいぶ多かったし。

ネタの方は言ってしまえば、どこかで見た…良くあるアレ…的な物のツギハギ、と言っても間違いではないと思います。
成るべくして成った…と言うレベルまでオチや展開が読めるネタが多かった。

うーん…これでここまで爆笑できる人達って、恐らく和洋新旧問わず、あまり舞台とかを観てないのかもな…もしくは観てても、やれストプレは苦手だのアングラは観ないだのミュージカルはメガ物ばっかり観てるだの、そう言った偏った見方をしてる人が少なくないのかもな…そんな風に感じられたな。飽くまでもオレがそう感じただけだけど。

舞台上の俳優って、客席がドッカンドッカン来てる時も至極真顔じゃないですか?
当然そうじゃなきゃ作品として成り立たないので当たり前だけど、それは何度も稽古して笑いのネタも全部段取り化してるからでもあるワケで。

多分、舞台上の俳優がしてる様な、バカやってる人の背景にいると背景なのに妙に目立つ様な真顔を、オレもしてた場面もあったんじゃないかと。と言うか結局一度も笑わなかったし。
だって、まるで台本を暗記するまで何度も何度も読んだかの様に、これから起こる事が先にわかっちゃうんだもん。
それは笑えったって笑えないよ。

あ、上手いなって思ったネタは、ジョージアの香りがするな…ってヤツです。
劇団四季みたいだ…は、先にそう言うネタがある、と言うのを人伝に聞いちゃってたのが失敗だったな(笑)

笑いの部分はこの位にして、芝居面や音楽面。

主演の山田さんは初舞台だそうで、でも舞台映えしますね~ちょっと背低いけど(笑)
マイクに若干のエフェクトが掛かってるのが台詞を聴いてるとわかります。
でも、別段聞き取りにくい、何を言ってるのかわからない…と言う部分はほとんどなかったのは好感が持てました。

一部、保坂さんが凄い早口で捲し立てるシーンがあるんですが、そこがやや聞き取りにくかったかな。
元四季でも、四季を離れると聞き取り難くなる、と言うのは良く聞く話だけど…まぁそれでも、同じ元四季って括りで見るとミス・サイゴンでエンジニアを演じてた時の市○正○さんや、音楽座ミュージカルのラブ・レターで主演の一人だった広○勇○さんに比べると全然聞こえ良かったけどね。

そして保坂さんの歌声、CDで聴いたピコだ…(笑)

本当に存在感ある巨体のピアノ弾きと、その存在感を打ち消すかの様に縮こまった車椅子の老婆を二役演じ分けた浦嶋りんこさんは凄かった。元が大きな方なのに、あの車椅子…(笑)
あ、元ファンク・ザ・ピーナッツのあの方です(懐)
拝見するのはレ・ミゼラブルのマダム・テナルディエ役以来だなぁ。

フルモンティと言うタイトルなだけに、最後は男性6人(山田さん、中村さん、ムロツヨシさん、勝矢さん、綜馬さん、トムさん)がせーの!ですっぽんぽんになるワケだけど、最後に逆光状態で本当にすっぽんぽんになる前に、紐パンと警察帽を股間の前で入れ替えるシーンがあるんだけど、観てる角度によってなのかもしれないけど、ちょっと危なかった人がいた。

一応、普通の人がやってると言うキャラ設定上、わき毛や胸毛、すね毛その他の体毛は未処理のままでやってるんだけど、さすがにアッチの毛はそれなりに処理してるんだろうなぁ…(^-^;)

楽曲に関してはプログラムを購入しなかったので曲名がわかりませんが(多分、そのうちどこかでセトリが見付かるだろ)、ちょっと危険な関係に目覚めちゃったマルコムとイーサンが歌うデュオが良かったなぁ…葬式のシーンだっけ?

あと、子役のネイサンって名前はどうにかならんのかね?
姉さん、あるいは姐さんって聞こえて仕方ない。

最後、フルモンティのストリップショーは、観客がストリップ劇場の観客になると言う設定になってる様で、そのストリップを鑑賞してると言う設定の女性キャスト達が客席に降りてくるのね。
んで、通路側だったオレ、真隣に保坂さんが来てびびった(笑)

ストリップの思考錯誤の段階で女性キャスト6人が3人ずつで上手下手に分かれて歌うシーンがあって、3列目だった事もあり『近っ!』とか思ったけど、真隣に来られちゃ近っ!どころじゃないですねぇ(笑)

そして、ネイサンも劇場の端でショーを見守っている(一番観たいのは僕かも知れない、的な事を言ってたしね)と言う設定で、本当に客席の端っこの方に居たけど、あれは労基法で子役が舞台に上がれる時間(21時)を過ぎている為の対処としても上手く機能してるよね。

まぁ…舞台に上がってませんよ、と言うだけで作品に出演してる事には変わらないから、厳密に言うとグレーゾーンなんだろうけど…(^-^;)

まぁそんな訳で、作品としては楽しめました。

笑えなかったけどね。

感じ方人それぞれだし、爆笑してた人もそれはそれで正解、ネタは笑えなかったけど作品としては楽しめたってオレみたいなタイプも正解、全くつまらなかったって人もそれはそれで正解、理解出来たか出来なかったかではなく、違いは作品が提唱した物に対し賛同出来たか出来なかったかの一点です。
爆笑してた人だって、そのネタから何を感じ取って爆笑したか100人いれば100人全員が違うんだし…って、そう言う演劇理論みたいになってもつまらないね。

つまり、これはオレが感じた感想だって事です。以上。

この記事に、おてぃむてぃむ一振り(爆)