昨夜は劇団四季ミュージカル【ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレムバージョン)】を観賞してきました。
一昨日夜の東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』
に続き、2夜連続ミュージカル鑑賞…なんとまぁ贅沢な話です。
さて、ジーザス・クライスト=スーパースター。
上演権が余所のミュージカル団体に移ってしまい四季レパートリーを外れた作品を除けば、四季の海外ミュージカルの中ではかなりの古参作品で、もう40年近い歴史を持つ作品です。
今回鑑賞した《エルサレムバージョン》は、四季版ジーザスの初代作品にして、後のジャポネスクバージョンの原型になる『ロックオペラ イエス・キリスト=スーパースター』にリアリティを追求した演出を施した発展版、言わば二代目の四季版ジーザスで、76年から上演されてる作品です。
この初代のジーザスを演じたのが、あの鹿賀丈史…鹿賀丈史って昔は劇団四季所属だったんだねー…と、mixiボイスが出来た当初に呟いた気がします。
ちなみに来月観に行く予定の《ジャポネスク・バージョン》は初代の発展形と言える三代目に当たり87年から上演されてます。
荒れ果てた荒野を舞台にイエス・キリストの生涯、最後の7日間を描いたロックミュージカル。
劇場は浜松町の四季自由劇場…何だかんだで自由劇場ももう4回目です。
ヘロデ王役に、スルース(探偵)のミロ・ティンドル役以来になる下村尊則さん、スルースで観て以来好きになった役者さんです。
四季の役者さんではなく(元・四季所属ですが)作品契約の役者さんなので、観れる作品は限られてるのが残念。
全曲の歌詞が収録されているなど、なかなかの内容だけど、最近何故か舞台写真ではなく稽古場写真が載ってるパンフが多い。
劇場に入ると舞台は既に緞帳を上げ、荒れ果てた大地が広がります。
飢えか疫病か…土色をした無数のユダヤの民が荒野を這いつくばって蠢くシーンから始まります。
んだば箇条書き的につらつらと~。
◇ロックミュージカルという事で、曲調は荒々しく歌声も特にユダのソロナンバーは澄んだ歌声とは程遠く声を荒々しく張り上げるものが目立った。
◇前日の『レ・ミゼラブル』同様、台詞がほとんど存在せず、9割9分歌による進行。
◇舞台転換も派手な照明による演出もなく、とにかく舞台は茶色一色、時々ライトアップでやや青白くなったり暗転で黒くなったりする以外はほとんど舞台に変化はなかった。
◇この辺りも、前日のレ・ミゼラブルと非常に良く似てる。
◇ただ、あくまでバックグラウンドに徹していたレ・ミゼラブルのアンサンブルと違い、ジーザスはアンサンブルによる合唱が半分近く占めていた気がする。
◇土気色の民が神と崇めたジーザスにワラワラ群がるシーンが気持ち悪く感じた反面、世界には多分こういう状態の民族が現世に於いても存在するんだろうな…と考えてみたり。
◇キリスト教徒でもなければキリストの物語も良く知りませんが、ユダがキリストを裏切った…というのは良く聞きます。
◇キリストを裏切ったユダ…、そう言えば闘龍門JAPANのドラゴンキッドとダークネスドラゴンの抗争って、脚色にこのキリストとユダを使ってたよねwとか思ったり。
◇オレはてっきり、ユダの裏切りって反逆行為だとばかり思ってた。
◇しかし、作中ではジーザスを危険思想の指導者として捕らえようとしていた役人達に強引に吐かされていた。
◇それが原因でジーザスが捕らえられ、ユダは裏切り者と呼ばれるが、ユダは口を割ってしまった事を激しく悔やみ苦しむ姿が描かれていた。
◇ジーザスの最期として十字架の貼り付けがあまりに有名だし、作中でもジーザスが自ら十字架を背負って処刑の場に向かうシーンがあったけど、ユダもユダで見えない十字架を背負い縛られてる様が伝わってきました。
◇捕らえられたジーザスの前に現れた下村さん演じるヘロデ王…ジーザスの本場ロンドンで逆輸入の形で四季が演じたジャポネスクバージョンで、下村さん演じるヘロデ王が好評を博したという話だったので、どんな役なのか登場を楽しみにしていたんですが…。
◇なんかもう全身キラッキラしてるわ、微妙にオカマ口調入ってるわ、調子外れなセリフを吐くわ…
◇全体的に重々しい空気の作品の中で見事なまでの浮きっ振り…固唾を飲んで芝居を見詰めていた客席からも思わず失笑が…。
◇下村さん…素敵っす…特にボソッと呟いて客席の失笑を買ったあのセリフがw
◇ジーザスの中では恐らく1・2を争うであろう有名なナンバー、スーパースター
♪私は理解が出来ないぃ~大きな事をしなければぁ~こんなにならずに済んだのに~時代も所も悪かった~(中略)ジィィィィザァァァァス!
…を、ユダ役の金森勝さん(日本国籍の方ではございません)の迫力満点な生歌で聞けたのは良かったな~。
◇神よ…どうかこの者達を罰せないで下さい…この者達は自分が何をしているかわかっていないのです…(中略)神よ、何故私を見捨てたのだぁ!(力尽きる)
◇壮絶感漂うジーザスの磔シーン…体がゾクゾクして食い入る様に見ちゃいました。
◇いわゆる泣ける、心温まるミュージカルではないけど、これはこれで面白いです。
5月にジャポネスクバージョンの公演と入れ変わる為、エルサレムバージョンの公演は1ヶ月に満たず終了するけど、チケットの売れ行きが良いらしく、7月初旬にアンコール公演が15公演分決定してるそうです。
来月、続けてジャポネスクバージョンも観るけど、この物語に今度は歌舞伎メイクや大八車など、和テイストの演出を施した作品だそうで、作品がどんな感じに化けるか楽しみです。