レ・ミゼラブル、作品名は凄い有名で、オレも20年近く前から知ってるんだけど、内容に関しては大雑把にしか知らなかったワケです。
今回、1987年から日本公演が行われてるオリジナルプロダクション版レ・ミゼラブルがいよいよ千秋楽を迎えるという事で観に行く事に。
飽くまでもロンドンオリジナル版と同じ演出の作品が今回組まれている日程を以て終了する、という話であり、レ・ミゼラブル日本公演は演出を変えてこの先何十年と上演されて行くんでしょうけど。
初の帝劇でござる。
↑現在の帝劇は2代目、その2代目ですら東京オリンピックの頃に建築された古~い建造物です。
実は今回の公演は帝劇100周年感謝公演で、定価より3500円も安いのです。
↑と言っても、感謝価格が既に劇団四季の一番高いS1チケットより更に高いですけど。
メインキャストに別所哲也、岡幸二郎、平田愛咲、知念里奈、中山エミリ、原田優一、加藤清史郎など、豪華な顔触れ。
顔触れの豪華さは、四季みたいな劇団公演では出来ない、東宝みたいなプロデュース公演の魅力の1つだと思います。
鑑賞を終えた後で改めてキャストボードを見ると、中山エミリが知念里奈の娘だったりして面白い(笑)
募金箱。
ストーリー的には…
時は19世紀フランス。
盗みを働き19年間の刑期からようやく仮釈放されたジャン・バルジャン(別所哲也)が、司教に助けられ教えを説かれた事をキッカケに心を改め、過去を隠して市長となり、弱きを助け、過去を知る者の執拗な追随をかい潜り、やがて人の命を救い聖人と崇められるに至るまでのお話…と言った所でしょうか?
その中には様々な『愛の物語』が盛り込まれていました。
その愛は恋愛であり愛情であり。
んだば雑感的に。
◇ミュージカルと言っても、全編の9割9分が歌で構成されたオペラ寄りの作品でした。
◇じゃオペラかと言えば、オペラで歌われる様な曲調ではなく、歌われる曲はミュージカル寄り。
◇ミュージカルとオペラの融合作品、といった感じ。
◇ミュージカルでは言葉で話す短い台詞も歌で表現するので、オペラ派の人には何でもないだろうけど、ミュージカル派の人にはやや違和感を感じる部分も。
◇例えば『誰だ!』みたいな短い台詞にも1つ1つメロディーが付いてる為『誰だ~♪』みたいな感じ。違和感ありありです。
◇一幕の割と早い段階で、バルジャンが親となって育てた娘コゼット(中山エミリ)によって悲しげな歌が歌われるシーンがあるんだけど、これがとにかく美しかった。
◇中山エミリというと『速報!歌の大辞テン』やら『たけしの万物創世記』やらでどうしてもバラエティータレントなイメージが強いんだけど、歌声があんなに綺麗だとは思わなかった。
◇男と女の三角関係…特に恋敗れた女性の姿を描くシーンにはちょっと弱いオレです。アイーダのアムネリス王女とかね。
◇コゼットに夢中なマリウス(原田優一)を愛しつつも、惹かれ合うコゼットとマリウスの恋路を助ける立場を選び、コゼットと仲睦まじくするマリウスの姿を遠く離れた門柱の陰から寂しそうに見詰めるエポニーヌ(平田愛咲)の姿が…。
◇エポニーヌの存在…幼少時代に足蹴にして邪険に扱っていたコゼットに恋で敗れ…そして散って行く孤独な生涯…ベタな悲劇像ではあるけど…あぁ、切ねぇぜ。
( つД`)
( つД`)
◇ミュージカルで良く見られる、メインキャストとアンサンブルの合唱で空気をブワッと持ち上げるシーンは比較的少なく、アンサンブルは飽くまでもバックに徹していた感じがした。
◇代わりにメインキャストのソロナンバーで空気の高揚を作るシーンが多く、これは他のミュージカルより凄いと思った。
◇その分、メインキャスト個々の歌唱力が問われるワケだからね。
◇一幕の終わりにキャスト達が客席に全力の歌声を投げかけるシーンがあり、その力強さに圧倒された。
◇劇団四季に例えるなら、アイーダの『神が愛するヌビア』か、美女と野獣の『人間に戻りたい』かと言う位空気がビリビリ震えそうな感じの歌声でした(笑)
◇2幕では争いによる人間の死の表現が目立ち、1幕よりダークなイメージに。
◇終演10分前、コゼットとマリウスの結婚式のシーン…忘れ掛けていたそれが起こった…。
◇帝国劇場がある千代田区は震度2と出ていましたが、あの揺れは震度2どころじゃなかった。
◇地震かな?と感じる緩い横揺れのすぐ後に強い縦揺れが!
◇縦揺れは10秒前後続いたかな?
◇帝国劇場…耐震基準はおろか建築基準すら整備されてない時代の建物です…後から考えると怖っ!
◇しかし舞台上の役者達は、やっぱりここでも顔色変えずに演じていた。
◇ちょうどノリの良いシーンだった事もあり、客席は地震の不安を拭う様に手拍子。
◇繰り返し行われたカーテンコール、5回目か6回目かでついにスタオベです。
◇劇場でスタオベとか、ミュージカルならではって感じがします。ストレートプレイでスタオベってあまり聞いた事ない。
◇19世紀のロマン派小説が原作らしく、言葉による台詞がない分、ダイレクトに台詞が耳に入ってこないので雰囲気で場の展開を読まなければ行けない事も多かった為か、余計に難しく感じた作品でしたが、もう一度聴きたい歌声がたくさんありました。
◇会話として歌われた部分はともかくとしても、モノローグとして歌われたソロナンバーだけでいいから、音源手に入らないかな~。
そんなワケで初の東宝ミュージカル、四季のミュージカルとはだいぶ毛色が違うなと感じました。
そんなワケで初の東宝ミュージカル、四季のミュージカルとはだいぶ毛色が違うなと感じました。