定休日だった昨夜は、中野にお芝居を観に行ってきました。
電動夏子安置システムという、非常にインパクトの強い名前の劇団のお芝居。
実は、電夏さん(…と呼んでる人がいる)のお芝居を観に行くのは今回2度目です。
前回観に行ったのは『Performen IV』というお芝居。
自分で考え、自分の意志で行動をしている様に見える人間達は、実は誰かに決められた事を毎日毎日飽きる事なく繰り返しているPerforman(操り人形)なのではないか?
自分の意志で動いていると錯覚しているだけの、誰かに動かしてもらわなきゃ何も出来ない人形なんじゃないのか?
そんなテーマをあらゆる角度から見た、オムニバス形式のコメディ作品でした。
今回観に行った『Performen V』は、その続編に当たる作品です。
続編、と言っても前回と話が繋がっているワケではなく、同じテーマと世界観を引き継いで作り直した別のお芝居なので、前作ありきな作品ではないですけどね。
前回の作品が、シナリオも演出も面白く、また役者もインパクトが強い人が多く、面白いものをガッツリ見せてもらった!という印象が強かったので、今回の新作も期待してました♪
物語は前回同様、作品のテーマを投げかけていく、外国のファンタジー調の本編と、そのテーマを具現化した現世日本が舞台のコメディ部分を交互に繰り返す形式。
前作を観てればニヤリとするイントロダクションから始まり、重いテーマを投げ掛けた本編の空気を、ちゃぶ台返しのごとくひっくり返しつつも根底にあるテーマを表現し続けるコメディ部分の連続に、思わず笑ってしまう部分も前作以上に多く、楽しめました。
コメディ部分のネタは、基本的にアンジャッシュが得意にしてるネタ(Aがした事が思わぬ形でBに作用してしまうパターン)と同じ仕組みなんだけど、これを『知らない誰かからの影響を受けて生きている』というテーマに転用しているのが、このPerformenという作品の本当に上手い部分だと思う。
そのシーンを現すコメディも多様で、特に面白いと思った今回のネタは…
失敗した…時間が戻せればなぁ…そんな誰もが1度は考える事を、本当に戻ったらどうなるか?というネタで表現したシーン。
とあるシーンの中で重要な立ち位置にいるキャラが、今シーン中ひとりだけ時間が逆回りしてるかの様に前のシーンの自分のセリフを後ろから逆に喋るんです。
当然現在行われてるシーンは会話として成立しなくなってしまうんですが、面白かったのは重要な人物が言った前のシーンのセリフが、今のシーンに於いてネタバラシとして作用してしまう事(笑)
オマケに、前のシーンに出てきた人物が、まるでテープの逆回しの様なアクションをしながら登場し、やっぱり前シーンのセリフを逆から喋るので、今シーンの登場人物達はより一層混乱してしまう…という。
時間を戻せたら…みんながみんなそう思ってるワケではないので、1人のワガママで時間を戻されてしまったら周りの人みんなが迷惑するワケですね(笑)
そういったシーンを面白く成立させる為に、台本もそのシーンのテンポも本当に計算されてます。
前作からの転用も多く、そのまま観ても面白いが前作を観てれば二度面白い。
そんな作品でした。
もちろんドタバタコメディだけではなく、本編では迫力ある演技も見られ、満足な内容でした。
Performenシリーズには、配役やコメディ部分の内容を入れ替えた別バージョンがあり、それを交互に上演しているんだけど、両バージョンが観られたIVとは違い、今回は片方しか観られなかったのがすごく残念。
続編があれば是が非でも観たい作品です。
そして、このPerformenの続編がもう決定しているらしく、次回が完結編なんだそうです。
いつですっけ?
今秋?来年?
今秋?来年?
これまでは、作品にお知り合いの女優さんが出ているから、というのが見に行く理由として大きかったけど、Performenの次回作は、もしその女優さんが出られなくても観に行こうと思います。
電動夏子安置システム『Performen V~purgatorio~』
非常に面白い作品なので、ご興味ある方は是非観に行ってみて下さい。
4月21日(水)~4月25日(日) 中野ザ・ポケット