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「竹中平蔵は何故反緊縮に転じたのか(前半)」三橋貴明 AJER2020.12.8

    

 

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竹中平蔵はなぜ「財政均衡論」が間違いと認めたのか? [三橋TV第325回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/pRWakEiyJdo

【RE:明るい経済教室 #16】公務員叩きは愚の骨頂、GDPを底上げする「政府の消費」[R2/12/8]
https://youtu.be/DiRcFTKGyLs

 さて、昨日取り上げた補正予算からも分かりますが、菅内閣は明らかに「地方潰し」を意図した政策ばかりを打ち出しています。菅総理自身が、

「日本の地方を潰してやろう」

 と、思っているわけではなく、単に竹中やアトキンソンに「褒められたい」というだけの話でしょう。


 地方潰しのために、まずは「地方経済」という共同体において、貨幣(銀行預金)を発行可能な地方銀行を、再編統合で減らす。具体的には、再編統合した地方銀行の日銀当座預金に0.1%の金利を付与するなどの「餌」をぶら下げる。

 
 さらに、地方経済の主力である中小企業については、「中小企業基本法改訂」「最低賃金の一律引き上げ」などで追い込む


 反対側で、第三次補正予算の通り、再編統合する中小企業については「1億円くれてやる(事業再構築補助金)」といった餌をぶら下げる。
 

 とはいえ、この種の地方経済潰しをすれば、地方が衰退し、東京一極集中が加速するのは明らかです。


 結局のところ、グローバリズム(個人としてのグローバリストいうよりは、概念としてのグローバリズム)は、日本の地方をどうしたいのでしょうか。


 そのヒントが、今回の補正予算にありました。
 

 「Ⅱ . ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」という問題の「構造改革」の「3.地域・社会・雇用における民需主導の好循環の実現」の中に、以下の二つの施策があるのです。

(1)地方への人の流れの促進など活力ある地方創り
・Go Toトラベル事業の来年6月末までの延長と予備費活用、Go Toイート事業の食事券追加発行、観光拠点の改修支援
・新たな交付金の創設等テレワーク支援、地域企業経営人材マッチング促進、文化芸術・スポーツ活動への支援、都市インフラの整備
(中略)
(3)更なる輸出拡大を軸とした農林水産業の活性化
・2030年5兆円の実現に向けた輸出の更なる拡大に向けた生産基盤・輸出力の強化、感染症の影響を踏まえた経営継続支援』

 そもそも、GoToトラベル(今回はトラブルではなく、本当に「トラベル」)が延長されるのは、もちろん三木谷の会社の旅行仲介サイト(楽天トラベル)を代表とするプラットフォーマーの「チャリンチャリン」ビジネスを継続するためではあります。 


 とはいえ、より中期的には「日本の観光資源を守る」という意図も確実にあるのです。
 ただし、ここでいう観光とは日本国民が市場なわけではなく、あくまでインバウンドです。外国人観光客様向けの観光ビジネスです。


 さらに、このコロナ禍において、農業の輸出拡大に向けた施策が入ってくる。各国が農業輸出を減らし、国家の食料安全保障を強化しようとしている「このタイミング」で、外国様~、我が国の農産物を買って下さい~、とやっている。


 結局のところ、どういうことなのか?
 

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 グローバリズムは「過去の人類の歴史」同様に、日本の地方を「外国人観光客様向けの観光」、及び輸出目的の「商業農業」の地域と化そうとしているのです。

(※商業農業が何を意味するかは、以下のエントリーをご参照下さい)
亡国の農協改革 その3 


 例えば、日本国民が国内観光に行くのは、「国民意識の醸成」という意味でも重要です。祖国の観光資源を自分の目で見ることは、共同体の維持発展に貢献します。


 それに対し、外国人観光客は、単なる「物見雄山」です。つまりは、観光という(一種の)快楽サービスの消費に過ぎません。


 さらには、輸出目的の商業農業は、国民の食料安全保障強化に全く貢献しません
 

 とはいえ、共同体意識が皆無、国民の食料安全保障? 何それ? のグローバリズムにとっては、日本の地方を衰退させ、インバウンドと輸出目的の商業農業に特化させることが、最も「自分の利益になる」のです。


 もっとも、この種の「地方創生(グローバリズム的)」は、日本国民全体に災厄をもたらします。


 まずは、食料安全保障が崩壊する。いざ、食料供給が細った場合、その被害は全ての国民に及びます。コロナ禍が「裕福な国民」を避けてはくれなかったように(まあ、エニウェア族気取りの連中は、いざとなれば外国に逃げれば良いとか考えているんでしょうけれども。さらには、富裕層は「自分だけは安全な食料を手にする」チャネルを作るでしょうけれども)。


 さらには、インバウンドと大規模輸出農業が中心になれば、地方に人口は不要となります。東京一極集中はさらに進むでしょう。


 となれば、少子化が止まらず、日本人は消滅に向かいます。


 同時に、地方経済の衰退が「首都直下型地震」といったカタストロフィのリスクを、ますます高めることになるわけです。


 最終的に菅内閣の「地方潰し」が完成したとき、日本の各地はどうなっているのか。歴史に答えがあるのですよ。


 というわけで、次回に続きます。

 

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