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『日本の少子化をくい止めるにはーその1ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.15

 

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三橋TV第150回【映画から読み取れる日本デフレの病床】

https://youtu.be/owtMRNwTueI

 

 台風19号は、堤防決壊37河川、52か所、越水が延べ181河川という甚大な被害をもたらし、日本列島を去りました。

 現時点で判明している死者は全国で58人、行方不明者15人。

 東京都奥多摩町では、町の西部の日原地区につながる車道が崩落。百人近くが孤立した状態になっています。バックアップルートはありません。
 
 多摩川が氾濫し、二子玉が浸水したことは触れましたが、川崎市側の武蔵小杉では冠水により、タワーマンションの地下の配電盤が壊れ、多くの部屋で停電や断水が起きています。武蔵小杉の冠水は、多摩川氾濫ではなく、
「都市の排水機能が間に合わなかった」
 ためのようです。

 武蔵小杉といえば、実は本ブログでは一番多く取り上げられる街で、「武蔵小杉の物語を知ろう」などで登場していますが、ある意味で現在の日本を「象徴」する街です。

 品川、東京、横浜への便が良く、インフラ(駅)の能力を無視してタワーマンションを建てまくり、ゼネラルマーチャンダイジングも進出。土日は大渋滞。平日の通勤ラッシュ時には「駅の外」にまで行列ができる状況でした(今は、多少、緩和されましたが)。

 さらには、豪雨時の「水」の処理能力を上回るレベルで、マンションを建ててしまったことが、今回の台風19号で証明されてしまったのです。

 インフラ軽視。非常事態を想定しない。まさに、武蔵小杉は現代日本の象徴です。

 藤井先生によると、
『今回は「ギリギリ」で利根川や荒川といった超大型河川の決壊や、東京湾の大型高潮被害が回避された』
 とのことです。背筋が凍り付きました。
 
『【藤井聡】「台風19号」は例外ではない。もっと強い台風が、来年以降も必ず来る。
https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20191015/
 
 首都圏外郭放水路や八ッ場ダムといった治水インフラが無ければ、東京で大洪水が起きた可能性が濃厚です。我々東京都民は、過去の先人の「公共投資」により救われたことになります。
 
 もっとも、千曲川や阿武隈川の氾濫などで、東京以外は酷いことになっています。つまりは、防災投資が追い付いていなかったことが「証明」されたのです。

 ならば、
「防災投資を増やそう」
「ダムや堤防を強化しよう」

 という発想になるのが「普通の人間」というものですが、我が国はここまで来ると「頭がおかしい」と表現することに躊躇がない、普通ではない人間が記事を書き、緊縮財政を正当化しようとしてきます。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※10月1日から、長浜浩明先生の特別コンテンツ「日本人はどこから来たのか?」が視聴可能となりました。
 
『「もう堤防には頼れない」 国頼みの防災から転換を
 首都を含む多くの都県に「特別警報」が発令され、身近な河川が氾濫する事態を「自分の身に起きうること」と予期していた市民は、どれほどいただろうか。近年、頻発する災害は行政が主導してきた防災対策の限界を示し、市民や企業に発想の転換を迫っている。
 2011年の東日本大震災は津波で多数の死傷者を出し、防潮堤などハードに頼る対策の限界を見せつけた。これを教訓に国や自治体は、注意報や警報を迅速に出して住民の命を守る「ソフト防災」を強めた。しかし18年の西日本豪雨でその限界も露呈した。気象庁は「命を守る行動を」と呼び掛けたが、逃げ遅れる住民が多かった。
 堤防の増強が議論になるだろうが、公共工事の安易な積み増しは慎むべきだ。台風の強大化や豪雨の頻発は地球温暖化との関連が疑われ、堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない。人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い。(中略)
 編集委員 久保田啓介』
 
 ここまで「敵意」を覚えさせる記事は、久方ぶりでございますよ。

 久保田啓介編集委員は、日本国民の安全、豊かさ、普通の生活の「敵」です。

「堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない」
 とは、よく言ったものです。

 今回、堤防が嵩上げされていたら助かった方々が何人もいます。遺族の前で、このセリフを言ってみろ!
 
 後略部には、昨年の西日本豪雨災害を受け、中央防災会議の有識者会議がまとめた報告。
「自らの命は自ら守る意識を持つべきだ」
 が掲載されていますが、日本は「そういう国」に落ちぶれてしまっているのです。

 震災や災害で死んだら、自己責任。まさに、国家の店じまい。

 それにしても、同じ国民が今、目の前で命を失っている災害の最中に、防災投資について、
「人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い」
 と言ってのける久保田は、もはや同じ人間とも思えません。獣にすら劣る、何か別の生きものです。

 久保田のような国民の敵が、無責任に間違った情報を撒き散らす。結果、政治が歪む。国民が死ぬ。

 この狂った現実を転換しなければなりません。声を出しましょう。
 
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