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『財務省が日本を滅ぼす(その1)①』三橋貴明 AJER2017.11.14
https://youtu.be/sRjEjSTLbTQ
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 本日は三橋経済塾第六期第十一回講義開催日です!ご参加される皆様、よろしくお願いいたします。
 

 ちなみに、テーマは「日本の”コメ”は守れるか!?」です。

 先日の、チャンネル桜「Front Japan 桜」【Front Japan 桜】米中首脳会談 / TPP11 大筋合意 / 日本の食料を守るには[桜H29/11/10] で、 sayaさんが、
「せっかくおコメの自給率100%を達成しているのに・・・」
 と、語られましたが、実はコメの自給率は100%なのですが、我が国の穀物自給率は30%に満ちません。すなわち、外国からの穀物輸入が停まると、コメ生産がフル稼働しても、六割超の国民が「餓死する」ということになります。


 コメ中心で穀物自給率を引き上げるには、コメ自給率200%、300%を目指さなければなりませんでしたが、それはできませんでした。逆に、減反政策で何とか価格を維持している状況です(減反政策は、来年、終わります)。


 逆に、ある国は本来は穀物自給率100%は無理なはずなのが、「国家戦略」として118%を確保しています。なぜ、そんなことができるのか。


 食料がいかに「戦略物資」であるかを、知って欲しいと思います


 さて、何か物凄くローカルなタイトルなのですが、昨日のわたくしは武蔵小杉の不動産業界(宅地建物取引業協会 川崎中支部)で講演し、武蔵小杉がとんでもないことになっている話を聞いたので、是非とも取り上げたいと思います。


 武蔵小杉の何がとんでもないかといえば、先日、朝日新聞でも報道されているほどです。


『「住みたい街」武蔵小杉、駅の混雑「相当危険な状態」
http://www.asahi.com/articles/ASKB53SLWKB5ULOB00C.html
 人口減少の兆しが見える大都市もある中、川崎市は150万人を超えた。人が集まり続ける同市。そのリーダーを決める市長選が8日、告示される。課題や選挙戦の構図を見た。
 住みたい街――。武蔵小杉は各種の民間調査で人気だ。しかし人口の大幅な増加は課題も生んでいる。
 JR武蔵小杉駅の平日朝。横須賀線の改札口に向かう人たちの長い行列ができる。
 川崎市中原区に住む男性(43)は、横須賀線で東京都内に通勤する。午前8時前に駅に着いて列に加わる。改札口に入るだけでも5分ほど待って、エスカレーターでホームにあがる。「ダイヤの乱れなどがあると、あっという間に列が伸びて改札までの時間はもっとかかります」
 2010年に横須賀線の新駅が武蔵小杉にできるまでは、南武線の向河原から川崎経由で東京に出ていた。通勤時間は短縮されたが、混雑はひどい。ホームはいつも人であふれ、「今も人が徐々に増えている」ように感じる。「ピリピリしているし、いつ事故が起きてもおかしくない」(後略)』


   


 武蔵小杉は、地図を見ればわかりますが、東京都心部と横浜の中心に位置しています。立地だけで言えば、日本有数の「発展の余地」があるのです。

 もっとも、確かに場所はいいのですが、わたくしは会社員時代に何度も武蔵小杉を訪れていますが、「少し都心から離れた閑静な住宅街」というイメージしかありませんでした。あとは、昔のヴェルディ川崎のホームスタジアム(等々力陸上競技場)があったことですかね。


 当時は、何しろ、武蔵小杉から都心に出るには、南北線(すごく遅い)で川崎に出て、京浜東北線に乗り換えるか、あるいは東横線で渋谷で乗り換えるしかありませんでした。


 それが、2010年に横須賀線の新駅ができて以降、状況が一変してしまいました。横須賀線に乗ると、武蔵小杉から品川まで、何と11分! 東京駅まで18分!



 武蔵小杉は、完全に「東京都心部」に組み込まれてしまったのです。結果、武蔵小杉にタワーマンションなどの住宅投資が殺到する状況になりました。


 が、例により「インフラ整備」がまともにされなかった結果、現在の武蔵小杉は、
横須賀線に乗る際に、改札の外まで行列ができる
 という、信じがたい状況になってしまったのです。


 しかも、駅近にグランツリー武蔵小杉という、本来は郊外に作るべきゼネラルマーチャンダイジングができてしまったため、休日は大渋滞。道路インフラの整備も遅れているため、全く身動きが取れない状況になるとのことです。


 ジャカルタか!(わたくしは来年3月に、経済動向塾の恒例の視察でジャカルタに行きます。「交通渋滞が凄まじいので、覚悟してください」と言われています)


 武蔵小杉は、ある意味で現在の日本を象徴しています。

● 政府(地方自治体含む)や鉄道会社が十分なインフラ投資をしていない
● 「民間」に任せた結果、インフラ事情を無視したタワーマンション乱立
● 人口とインフラのアンバランスにより、住民の生活水準が(実質的に)落ちている

 というわけでございますね。
 日本全体で言えば、

● 政府が十分なインフラ投資をしていない
● 「民間」に任せた結果、ひたすら東京圏に人口が流入(武蔵小杉はそのピースの一つ)
● 地方は人口流出に悩み、東京圏は「過密」や過激な「競争」に苦しみ、住民の生活水準が(実質的に)落ちている



 さて、わたくしはご存知の通り、リニア新幹線開通後、飯田市に引っ越し、風光明媚な伊那谷でコメ作りや天竜川での釣りを楽しみながら、品川(弊社は品川)に出勤するという「人類史上空前の贅沢」を実現することを、人生の目標にしています。何しろ、リニア新幹線ならば、飯田市から品川まで35分!(買い物は、名古屋まで20分で行って済ませますわ、ホホホホホ。てなもんです)

 すなわち、インフラ投資により、
「(事実上)都心に住みながら、田舎あるいは郊外に暮らし、生活水準を上げていく
 という、ある意味の理想が達成できるのです。


 逆に、インフラ投資を怠り、民間投資の「自由」に任せると、現在の武蔵小杉の惨状に至ります


 インフラ投資を軽視する人は、是非とも、一度、通勤ラッシュ時に武蔵小杉から横須賀線に乗ってみることをお勧めしたいと思います。


交通インフラの重要性を改めて理解して下さった方は、↓このリンクをクリックを!

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