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『現代貨幣理論入門ー税金の真実ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.9.24

 

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三橋TV第146回【消費増税対策で日経新聞を解約しよう!】

https://youtu.be/jpyHLeb2soM

 

 さて、グローバリスト、財政破綻論者、自虐史家など、わたくしが批判を続け、主張の「嘘」を暴いていっている連中の特徴は、
「結論は絶対に変わらない」
 という点です。
 
 十年くらい前は、何らデータを示さず、
「日本は輸出依存国! グローバル化を進めるしかない!」
 と、出鱈目を叫ぶ連中だらけでした。というわけで、わたくしが例のグラフ(輸出対GDP比率)を作成し、色々なところで、
「日本の輸出対GDP比率は14%程度。日本はアメリカ、ブラジルに次ぐ、輸出依存度が小さい国」
 である事実を紹介していったところ、経済産業省が同じグラフ(国数は増えていたけど)を公開。日本が相対的に輸出依存国ではないことが次第に広まっていきました。

 すると、それまで輸出依存国、輸出依存国言っていた連中は、
「日本の輸出依存度は低い! だから、グローバル化を進める必要がある!」
 と、言い出したのです(代表が田原総一朗氏)。

 A 故に B。と、主張しており、Aが間違っていたことが証明されたならば、結論のBも変わるはずです。とはいえ、変わらない。

 消費税増税の理由も、コロコロ変わります。直間比率の是正、日本が財政破綻する、プライマリーバランス黒字化、ギリシャのようにならない、国債の格下げを回避する、国際公約、社会保障の安定財源確保、大震災が来るから(吉川洋)、少子化対策(安倍晋三)と、ざっと挙げるだけでこれだけバリエーションがあるのです。

 実際のところは、財務省の狂信的緊縮主義に、経産省へのビジネス界からの「法人税減税要望」が加わり、政治的に法人税減税と消費税増税がバーターされているだけです。

 そして、我々から消費税で薄く広く徴収した所得が、企業への投資家の配当金、自社株買いとして移転される。ただ、それだけの話です。

 が、さすがに↑こんなことを説明できないため、結論(消費税増税)は変わらず、理由というか言い訳がコロコロ変わるのです。

 ところで、財政破綻論のバリエーションに、経済成長否定論があります。「人口減少衰退論という「嘘」を打ち破る」で解説した通り、日本の経済成長否定論は自己実現的予言の構造になってしまっており、かなり厄介です。

 経済成長しないと信じ、投資をしないと、実際に経済成長しない。それを受け、
「ほら見ろ! やっぱり日本は経済成長しないんだ」
 と、投資を控え、やはり経済成長率が低迷する。

 経済成長否定論も、三橋の敵の一つなのですが、彼らもまた、データにより経済成長否定の「根拠」を潰されると、別のレトリックを持ち出します。

1.日本は人口(あるいは生産年齢人口)が減少しているから、経済成長しない←他国の事例を持ってくるだけで、瞬間論破。
2.日本はラトビアなどと違い「成熟している」から成長しない←成熟って何だ? アメリカやイギリスなど、21世紀にGDPを二倍にした国々は、日本より「成熟」していないのか?で、終り。
3.日本は若者が草食化し、消費を増やさないから成長しない←若者は草食云々ではなく、経済成長せず、所得が増えないから消費しないだけだ。原因と結果が逆だ。
4.日本人は欲しいモノはすでに持っている!消費する必要がない←欲しいモノを持っているのは、あくまでお前の話だ。若い連中に聞いてみろ、

 と、次々に 経済成長否定論の根拠が変わり、そのたびに潰してきたのですが、特に「3」と「4」は、本当に多い。講演会でも、3,4のようなことを質問してくる人が少なくないので、そのたびに言ってきたわけです。
「あなた、安全、という需要は満たされているんですか?」

 

【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※10月1日から、長浜浩明先生の特別コンテンツ「日本人はどこから来たのか?」が視聴可能となりました。
 
『停電対策で無電柱化を議論 台風15号検証、初会合
 政府は3日、千葉県内を中心に大きな被害を出した9月の台風15号への政府やインフラ企業の災害対応について検証するチームの初会合を開いた。焦点の一つである停電の長期化対策について、経済産業省の小委員会も同日、専門家による検証を開始。電線の地中化による「無電柱化」や、被害状況を把握するためのドローンの活用などを議論することになった。
 政府の検証チームは杉田和博官房副長官を座長とし、各府省庁の局長ら計19人と有識者でつくる。長期停電の原因・復旧プロセス▽通信障害に関する関係者間の情報共有・復旧協力▽国、地方、自衛隊の初動対応▽災害対応に慣れていない県や市町村への支援、平時の備えのあり方――を中心に課題を洗い出す。
 初会合で、有識者からは「首長のような意思決定する人に対して、積極的な支援が必要」「(今回は)被災地側の調整力に課題があったように感じている」などの意見が出た。
 経産省の小委員会では、東京電力の想定が甘く復旧見通しが大幅に狂った問題や、東電と国、自治体、自衛隊などとの連携について課題を整理し、再発防止策を検討する。千葉県君津市で鉄塔2基が倒壊した原因も究明し、耐風性の強化が必要かなども議論する。
 検証チームが、小委員会の議論も含めて年内をめどに報告書をとりまとめる。』
 
 台風15号は、世界最大のメガロポリス、東京圏の一部である千葉県でさえ、インフラ投資が不十分で、災害からの「復旧能力」も不足していることをまざまざと見せつけてくれました。といいますか、藤井聡先生の「国土強靭化」とは、「こうならないようにしておこう」という発想だったわけです。

 現実には、国土強靭化は「予算」が付かず、つまりは政策として実行に移されず、千葉県の惨状に至ってしまいました。

 電線を地中化し、地中化できない高圧線の鉄塔は強化し、地方自治体や東京電力、土木・建設の供給能力(要は人員)を強化し、非常事態時に連携が取れるようにしておけば、被害は相当に小さくすることができたでしょう。

 台風15号という自然災害が、我々に突き付けたのは、
「お前たちは、自分たちの安全という需要は、全く満たされていないんだよ」
 という現実です。

 そして、日本は国民の安全を(可能な限り)確保するために政府が支出をすれば、需要は「無限大」です。無論、供給能力側の問題も出てきますが、例えば、
「10年計画で全国の電線の地中化、インフラの強化を実現する」
 という計画を立て、予算をコミットメントすれば、民間の投資が始まり、供給能力は拡大していきます。技術が開発され、設備が導入され、人員が訓練され、様々な経験を積み「人材」になっていく。

 供給能力が引き上げられれば、政府はより多額の予算を「国民の安全」のために支出することが可能になります。
 これが、経済成長です。

 日本は政府が「国民の安全」という需要を創出するだけで、経済成長が可能なのです。この事実を踏まえ、経済成長否定論者たちを打破しましょう。
 
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