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『消された景気後退①』三橋貴明 AJER2019.2.19

https://youtu.be/TDwjw0xpMmw
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【一般参加可能な講演会のお知らせ】

衆議院議員あんどう裕・第一回日本の未来を考えるセミナー

https://www.andouhiroshi.jp/japan-future

2019年3月9日(土) 15:00-

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三橋TV第56回【衝撃!ファーウェイCFO逮捕の理由】

https://youtu.be/2kERghuxUf4


 結局、厚生労働省は実質賃金の公表値に関し、結論を第三者に丸投げしたようです。


【日本の実質賃金指数の推移(2015年=100)】

http://mtdata.jp/data_63.html#RI18


 図の通り、2018年の実質賃金は対前年比でプラスになってしまいました。

 もっとも、散々に本ブログで取り上げてきた通り、18年のプラスは「サンプル入れ替え」の影響です。



 厚生労働省が18年1月にサンプルを入れ替え、かつ、
「高い企業が入った今年(18年)のサンプルと、低い企業が残った昨年(17年)のサンプル」
 を比較し、「実質賃金21年ぶり上昇!」などとやっていたので、わたくしは「詐欺統計」と猛烈に批判し(そして、「三橋はサンプル変更を批判している」と、藁人形を作られ、攻撃され・・・・)、すったもんだの挙句、厚生労働省はとりあえず詐欺統計のまま18年の数値を公表。

 これが国会で問題になり、18年も17年もサンプルに入っていた「共通事業所」のみで発表するべきとの声が高まります。共通事業所ベースでは、18年の実質賃金は対前年比▲0.3%(三橋試算)でございます。


 マイナスをプラスと公表してしまっているわけで、まさに詐欺統計としか呼びようがないのです。


 もっとも、2月22日に厚生労働省が専門家による検討会(座長=今野浩一郎学習院大名誉教授)の初会合を開いたのですが、何の結論も出ませんでした。


 今回の毎月勤労統計の「詐欺統計」は完全に政治問題化してしまっていますので、今野教授らも困惑せざるを得ないでしょう。


 ところで、なぜ今回の詐欺統計問題が起きたのかといえば、先日のエントリー「賃金統計サンプル変更の真実」 で解説した通り、
「2014年の賃金が低く出てしまった」
 ことが切っ掛けだったわけです。


 つまりは、「いざなぎ超え」のマジックと同様に、消費税増税による悪影響を隠蔽する意図があった、としか個人的には思えないのです。何しろ、ことの始まりが「財務省の中江元哉関税局長」でございます。


 同時に、18年の賃金の下振れを防ぐ「統計マジック」を実施し、19年の増税を容易にするという意図があったのでは・・・・。


             


賃金の下振れ回避か 厚労省、毎月勤労統計の手法変更 前首相秘書官は圧力否定
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41337040V10C19A2EA4000/  
 不正調査のあった毎月勤労統計に新たな問題が浮上している。2018年に実施した調査対象の入れ替えで、厚生労働省が主導する形で賃金が大きく出やすい手法が採用されていたことが15日に分かったためだ。従来は対象を見直すと下振れしやすい仕組みだった。これに「問題意識」を伝えた前首相秘書官は圧力を否定したが、厚労省が賃金の下振れを回避しようとした可能性はある。 』


 上記の「前首相秘書官」が、中江元哉です。


 今回の話がバカバカしいのは、
「18年の実質賃金は+0.2%だった!」
「いやちょっと待て、共通事業所で算出すると、▲0.3%だろが!」
 と、ゴミみたいな数値で争っているとことです。


  安倍政権が正しい財政政策を採れば、日本のデフレが終り、「超」人手不足を受けた企業の生産性向上のための投資が始まり、実質賃金は普通に毎年2%前後で上昇したことでしょう


 ちなみに、バブル崩壊後、日本経済の回復期(94年-97年)の実質賃金の上昇率は1.4%でした。バブル崩壊の痛手に苦しんでいた時期ですら、1.4%増なのです


 実質賃金が2%前後で上昇していけば、サンプル変更の影響など問題にならず、厚生労働省も18年1月に「詐欺統計」に手を染める必要はなかったのです。


 結局、消費税増税を初めとする緊縮財政により、国民の賃金水準を叩き落しているにも関わらず、
「それを認めることができない」
「認めると、次の増税ができなくなる」
 という、ナチスさながらの「緊縮財政に向けた財務省の全体主義」が、今回の問題を引き起こしたと考えるべきです。


 GDPデフレータ(の平均概念潜在GDP使用)も、公共事業の通常予算に社会資本特別会計を突っ込んだのも、景気動向指数研究会に「いざなぎ超え」の理屈をでっち上げさせたのも、厚生労働省の詐欺統計も、全ては「緊縮財政」のために推進されていると考えるべきです。


 問題は、上記の「ことの本質」を理解しない政治家、あるいは日本国民が多いという点でございます。


 だからこそ、明石順平のように、賃金統計の詐欺をわたくし同様に見抜きながら、財政破綻論を叫ぶなどといったバカげたことができるわけです。


 ことの本質を理解した政党が必要です。我が国は、財務省主権国家であり、財務省の全体主義的緊縮財政が容赦なく進められている国なのです。この現実の上に立ち、いかにして政治を取り戻すかを考えなければなりません。

 

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