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『統計の嘘は国家の揺らぎ①』三橋貴明 AJER2019.1.29
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【一般参加可能な講演会のお知らせ】
衆議院議員あんどう裕・第一回日本の未来を考えるセミナー
http://mtdata.jp/data_62.html#ando
2019年3月9日(土) 15:00-
会場:ベルサール東京日本橋
パネリスト:藤井聡、三橋貴明、室伏謙一
※三名共に懇親会に出席します。是非、ご来場ください。
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三橋TV第50回【東京一極集中解決の2つの鍵】
https://youtu.be/QW_dmI2KJ38
先日、「政府、賃金マイナス公表へ
」で、政府が18年の実質賃金について「共通事業所」による統計を公表する(恐らく▲0.3%)と報じられていましたが、
「やっぱ、や~めた。だって、消費税増税できなくなっちゃうじゃん(想像)」
とすることにしたようです。
『実質賃金、12月は1.4%増 18年は0.2%増、毎月勤労統計
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07HQP_07022019000000/
厚生労働省が8日発表した2018年12月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比1.4%増加した。18年の実質賃金は前年比0.2%増と2年ぶりの増加となった。(中略)
毎月勤労統計は500人以上の事業所をすべて調べることになっているが、東京都では抽出調査となっていた。厚労省は問題となった東京都に関して、統計的に処理して全数調査に近づける復元加工した数値を使用している。また、統計不正問題を巡って野党が求める17年に調査対象となった共通の事業所を比較した参考値ベースの実質賃金の伸び率は公表しなかった。』
というわけで、共通事業所の実質賃金伸び率(というか下落率)は公表されませんでした。先にも書きましたが、推定値は▲0.3%。12月の名目賃金(共通事業所)も、公表値よりは0.1%低かったので、ほぼ間違いないと思います。
上記の何が問題かと言えば、
「実際には実質賃金が対前年比マイナスになってしまったにも関わらず、プラスで公表された」
という点です。
例えば、+0.5%が+0.6%で出た、といった話であれば「誤差」と説明することはできます。とはいえ、▲0.3%を+0.2%と発表しているわけですから、まさに統計詐欺です。
完全にソ連、あるいは中共と化しています、最近の安倍政権は。理由はもちろん、消費税増税を実現するため。
日本国民は「全員」がいい加減に認めなければなりません。安倍政権は「統計詐欺政権」なのでございます。
「いや、そんなことない。実質賃金は上がった、安倍政権マンセー」
とかやっている連中は、揃いも揃って財務省の飼い犬です。何しろ、消費税増税をサポートするわけですから。
しかも、
「2018年で実質賃金は(+0.2%)上昇した! 安倍政権の経済政策の成果だ!」
などと主張することは、まさに朝三暮四。というか、朝三暮四のサルに劣るというのが、現実なのでございます。
【日本の実質賃金指数の推移(2015年=100)】
http://mtdata.jp/data_62.html#Choki
日本の実質賃金は、1997年1-3月期をピークに下落を始めました。理由はもちろん、消費税増税や公共投資削減といった橋本緊縮財政により、日本経済がデフレ化したためです。
第二次安倍政権発足後、消費税増税や円安による輸入物価上昇の影響で実質賃金は大幅下落。2018年の「詐欺統計値」を用いても、実質賃金は対2012年比▲3.5%超です。
3.5%以上も実質賃金を引き下げられておきながら、18年に+0.2%になり、
「実質賃金は上昇している! 三橋ザマアwww」
などとやることは、まさしく朝三暮四のサル以下でございますよ。
ちなみに、上記は現金給与総額ですが、「きまって支給する給与」で見ると、2018年は詐欺統計値でも▲0.3%でした。共通事業所に絞ると、▲0.8%前後でしょう。恒常所得は、相変わらず大きな落ち込みが続いています。
明らかに国民の貧困化は続いているわけですが、さすがに、
「国民が貧しくなっていますが、消費税を増税します」
とは説明できないため、サンプル変更詐欺を活用し、何とかプラスの数値をでっち上げた。野党に統計詐欺を指摘されておきながら、詐欺統計値で押し通す。
これが、安倍政権の現実なのです。
● GDP目標詐欺:技術投資をGDPに加算し(これは別に構わない)、名目GDPがいきなり28兆円増加したにも関わらず、GDP目標600兆円はそのまま据え置き(これは問題)。
● 公共事業の当初予算に社会資本特別会計(6千億円)を上乗せし、民主党政権期よりも当初予算が増えたように見せかけた
● 2014年4月以降(15年末まで)のヒストリカルDIの凄まじい落ち込みをスルーし、景気後退と認定せず、「いざなぎ超えの景気拡大」と詐欺発表
● 18年1月に毎月勤労統計調査のサンプルを変更し、「給料が高い企業が入ったサンプル」と「給料が低い企業が残ったサンプル」を比較し、「対前年比+0.2%」と発表
本ブログで繰り返し取り上げた統計詐欺だけで、上記の通りです。平均概念の潜在GDPや、厚生労働省の不正統計は、安倍政権から始まったわけではないため、省きました。
ちなみに、統計詐欺を見破るためには、統計数値を日常的に扱い、分析、アウトプットするという「訓練」が必要です。蓄積がない初心者に、統計詐欺を見抜くことはできないのです。
そして、残念ながら、日本の政党(自民党含む)には統計が「分かる」人材が、政治家本人、ブレーンを含めていません。
野党が実質賃金の統計詐欺を問題視してくれたのは、厚生労働省の不正統計が問題視され、「安倍政権を攻撃できる!」と色めき立ち、外部から人材を招いたおかげでです。
本来であれば、野党は我々が実質賃金のサンプル変更を問題視した2018年9月時点、せめて10月時点で騒ぐべきでした。そうすれば、第197回秋の臨時国会の審議を止められ、移民法や水道民営化を止められたかも知れません。
とはいえ、日本には統計が分かるというか、そもそも「統計の重要性を理解している政党」がほとんどありません。一番、理解してそうなのが共産党、という体たらくです。
というわけで、今回の一連の詐欺統計を受け、つくづく思いました。日本には統計を理解し「大切にする」政党が必要なのです。
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