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『国家が選択と集中をする愚①』三橋貴明 AJER2018.8.14
https://youtu.be/GyFDt89BgVw
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本日は三橋経済塾第七期第八回講義開催日です。
http://members7.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2569
ゲスト講師は上島嘉郎先生(元「正論」編集長)!
チャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 」に出演しました。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1655
テーマは「日本が危ない!Part2「公共インフラ解体か?」」でございます。
本日のタイトルは、もちろんILC(国際リニアコライダー)関連なのですが、何と日経新聞の記事の見出しです。
『粒子加速器、なるか産業ビッグバン 国内建設に賛否
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34137990U8A810C1X11000/
「宇宙が始まった直後の状態を再現できる」ともいわれる世界で唯一の研究施設が日本に誕生するかどうか、大詰めの時期を迎えている。巨大加速器「国際リニアコライダー(ILC)」だ。約5000億円とされる巨額の建設費が問題視され、建設には賛否両論がある。日本の製造業が技術を結集する先端研究施設は、果たして日の目を見るのか。(後略)』
後略部で、珍しく(初めて?)日経がILCの技術的側面に焦点を当てています。
ILCは超電導技術で電子と陽電子を光速に近い速度まで加速し、衝突させます。日経はILCについて「半端ない施設」と表現していますが、実際に半端ありません。
短距離の加速器ならともかく、ILCは20kmの直線型加速器で、磁石を一気に冷やし、超電導状態にしなければなりません。超電導化を実現するのがIHIのインバーターですが、日経は、
「これを実現できるのはIHIの技術だけだ」
と、珍しく(しつこい?)正しく日本の技術を評価しています。
さらに、ILCの心臓部である超電導加速空洞(チャンネル桜の番組で実物が見れます)は三菱重工業。粒子に電波を当てて加速させるマイクロ波発生真空管は東芝。素粒子の検出器は浜松ホトニクス。
ILCは、「過去の投資」により蓄積された日本企業、日本の技術者の「技術」無しでは実現しません。日経も書いていますが、ILCの候補地が日本(北上)になった理由の一つは、加速器関連の企業が存続していることなのです。
大企業のみならず、日本にはILC建設を支える中小企業が「まだ」残っています。
日本政府がILC誘致を「断念」した場合、加速器関連企業の多くは危機に陥り、培った技術も失われてしまうでしょう。技術とは、需要無しでは存続しえないのです。
逆に、ILC建設を決断すると、大企業から中小企業まで、一斉に技術開発と設備投資に動き、元々は「不可能」だった20kmの超電導型加速器が実現することになります。
その過程で、様々な技術が花開き、ILC以外の分野においても使用され、人類の文明の豊かさに貢献することになるのです。
記事中で、三菱重工機械システムの仙入克也次長が、
「キー技術の革新は既存事業にもプラス効果をもたらす」
と語っていますが、その通りです。
それにしても、日経の記事の最後に、
『国内の科学者からは「ILCで本当にノーベル賞が取れるほどの研究成果を得られるのか」と、建設を疑問視する声が上がっている。国の財政負担に対する懸念も強い。しかし国内産業にとってはイノベーションを生み出す貴重な機会であるのも事実だ。賛否両論を抱えながら、日本政府が決断を下すべき時期が近づいている。』
とあるのは驚きです。
以前、「日経のILC反対論への反論」
において、日経新聞のILCに対する論調を批判しましたが、分かっている記者もいるわけです。
日本の国内産業のためにも、政府はILC誘致を決断しなければなりません。
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