毎日新聞倒産への道　その１４

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三橋貴明の新刊、続々登場！
　

チャンネルAJER2011.7.12

チャンネルAJER2011.7.12(1)三橋貴明

http://www.youtube.com/watch?v=v37HPV-cePU

チャンネルAJER2011.7.12(2)三橋貴明

http://www.youtube.com/watch?v=AaJ329v1u6A

　「東日本大震災の復興を妨げるＴＰＰ推進に反対する請願（http://www.sns-freejapan.jp/2011/04/07/tpp/ ）」は、来週、請願を実施するため、署名の受付は２２日（金）必着とさせて頂きます。よろしくお願い致します。

　後援会員限定イベントとして、今月末締め切りの「サイン本プレゼント企画」が走っています。詳細は三橋通信（http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?page_id=165 ）をご覧下さい。

　お待たせ致しました、「毎日新聞倒産への道　その１４」をお送りいたします。前回（その１３）のエントリーはこちら（http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10747319846.html ）

　相変わらず、物凄く面白いです。

【図　毎日新聞　平成23年3月期決算】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_34.html#Mainichi

　まずは貸借対照表を中心とした、健全性分析から。ちなみに、前回（その１３）における健全性に関する評価は以下の通りでした。

『流動比率が四割を切っている～っ！！！！　こんな決算が存在しうるとは・・・・。
　いや、当座比率の２３．３％も凄いです。何しろ、現金や売掛金、受取手形など、当座に「現金化」できる資産では、「１年以内に返済が必要な負債」の四分の一しか賄えないということですから。（後略）』

　というわけで、今回の健全性分析は以下の通り。（※（　）内は前中間決算期の数値）

◆流動比率：３７．４％　（３９．５％）
◆当座比率：２４．７％　（２３．３％）
◆自己資本比率：５．６３％　（４．４％）

　わはは（笑）。流動比率が前中間決算期よりも、さらに下がっとります。当座比率が微妙に戻しましたが、まあ、これは短期借入金が若干、返済されたためなので、どうでもいい話です。
　それよりも驚いたのは、自己資本比率が「改善」していることです。実は、この自己資本比率改善こそが今回の「肝」になります。

　というわけで、自己資本比率改善をもたらした損益計算書を見てみましょう。今回は、こちらの方が笑えました。

（単位：百万円）　（内は前期との比較）
　◆売上高：125,407　（▲４．４％）
　◆売上原価：72,664　（▲４．５％）　　＜＜＜コスト
　◆売上総利益（粗利益）：52,742　（▲４．４％）
　◆販管費：52,716　（▲４％）　＜＜＜これもコスト
　◆営業利益：26　（▲９０％）　＜＜＜注目！営業利益2千600万円！！！　どこの中小企業？
　◆経常利益：-766　（前年同期は310）　＜＜＜経常利益段階で赤字
　　・・・・・・
　◆純利益：1,191　　（前年同期は332）

　おお！　営業利益がわずかに二千六百万円、経常利益が7億六千万円の赤字にも関わらず、純利益が約十二億円になっとる！　今回はどのような~~インチキ~~会計マジックを使ったのでしょうか。

　実は、これです。

『毎日がビル子会社を吸収合併　不動産事業効率化図る
http://www.pressnet.or.jp/news/headline/100906_741.html
　毎日新聞社は９月６日、臨時株主総会を開き、100％子会社の毎日ビルディング（三島誠代表取締役社長、資本金５億円）の吸収合併を承認した。グループ内で重複していた不動産事業の効率化を図るとしている。東京本社が入るパレスサイドビルディング（東京・一ツ橋）はじめ、毎日ビル所有の不動産はすべて毎日に移る。
　毎日ビルディングは1963年にパレスサイドビルディングとして設立。2005年に、毎日の各本社ビルなどを所有していた毎日大阪会館、毎日西部会館、毎日名古屋会館の３社を吸収合併している。９月１日に会社分割で毎日ビルディングという名称の新社を設立。新社は毎日が保有する不動産の賃貸借・管理事業に当たる。』

　毎日新聞は昨年十月、子会社の「毎日ビルディング」を吸収合併し、毎日ビ名義の不動産を新聞社本体に移したのです。その際の合併差益が３３億２千３百万円に達し、この特別利益が経常利益段階の赤字を純利益段階の黒字に押し上げたのでした。

　合併差益とは、消滅する被合併会社（この場合は毎日ビルディング）の純資産額が、合併会社（毎日新聞）が被合併会社の株主に支払う資本金額（及び合併交付金）よりも大きかった場合、差額を「利益」として計上する際の勘定科目です。すなわち、毎日新聞は子会社を合併する際に、「より少ない金額」を支払うことで、毎日ビルディングの純資産の一部を利益化し、自社の純資産に積み上げたというわけです。（結果、先の通り自己資本比率が改善したのです）。

【追加】すみません、厳密には「合併・抱き合わせ株式消滅差益」が特別利益として計上されています。略して合併差益と書いてしまいました。申し訳ありませんでした。

　いやあ、もはやなりふり構わなくなっているところが、むしろ愛らしくなってきました、毎日新聞。

　今後も、六ヶ月ごとに面白決算を計上し、わたくしたちを大いに笑わせて欲しいものでございます。

　ちなみに、なぜわたくしが「毎日新聞倒産への道」シリーズを始めたのか、ご存じない方は以下をご一読頂き、拡散してください。

【毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる　まとめ＠wiki】
http://www9.atwiki.jp/mainichiwaiwai/

【毎日新聞問題の情報集積wiki　トップページ】
http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/

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