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◆日本経済復活の会ネットTV「日本の復興と成長に向けて その2」 NEW!

 前編:http://www.youtube.com/watch?v=spRdf4_vpC4

 後編:http://www.youtube.com/watch?v=KeBDKLFmCbQ


 塾生の皆様、昨日は三橋経済塾にご出席頂き、ありがとうございました。講義、ケーススタディ、それに懇親会と、大変楽しく有意義な時間を過ごさせて頂きました。
 ケーススタディの「オチ」は、いかがでしたでしょうか。今後も毎回、あの手のオチを頑張って考えますので、ご期待下さい。
 DVDの方は(ご出席された塾生様含め全塾生に)一週間程度でお送りする予定でございます。


中国:頼みの綱の個人消費が鈍化、頭打ちか-内需型経済への移行難航
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a.LZWM2a3IIE
 中国・北京の金物店、海洋裝飾では、塗料やアルミサッシの売れ行きが鈍っている。個人消費が鈍化し、内需拡大を目指す政府の目標が挫折しかけていることを示す兆しの1つだ。
 金物店の店主は「ピーク期は過ぎ去ったようだ」と語る。昨年は1日当たり最高4000元(約5万円)に上った売上高は、政府が住宅価格の上昇抑制策を強化してからは3000元程度に落ち込んでいるという。
 北京の金物店の窮状は、温家宝首相にとってのジレンマを浮き彫りにしている。首相が推し進めるインフレ抑制策が、内需主導型経済への移行に向けた取り組みを損なっているのだ。中国経済は輸出や投資支出への依存を減らすことができず、外需や資産ブームの動向に左右される状態が続いている。
 今週発表された5月の小売売上高は前年同月比16.9%増に伸びが鈍化し、過去5年の平均値を下回った。一方、1-5月の都市部固定資産投資は前年同期と比べ約26%増と、ほぼ1年ぶりの高い伸びとなった。
 清華大学のパトリック・チョバネック準教授は「消費は上向いていない」と述べ、「成長のけん引役は輸出から投資にシフトしている」と分析した。
 キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のアナリストらは、昨年の国内総生産(GDP)に対する家計消費の比率が34%と、中国が市場開放政策を打ち出して以来30年余りで最低の水準になったとみている。10年前にはこの比率は46%だった。
 中国の5月の食品価格は前年同月比12%上昇し、当局者が内需拡大を狙って賃金上昇を許容しているにもかかわらず、家計の購買力は打撃を受けている。1年物預金金利(3.25%)は消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率(5.5%)を2ポイント余り下回っており、影響は貯蓄率にも及んでいる。また、人民元相場の上昇が限られているため、輸入品価格は一段と割高になっている。
 不動産価格の上昇も負担になっている。中国人民銀行(中央銀行)が16日公表した調査結果によれば、回答者の74%が不動産価格は高過ぎると考えている。サウファン・ホールディングス(搜房網)の調べでは、一連の利上げや二軒目以降の購入物件に対する住宅ローン規制にもかかわらず、中国の5月の住宅価格は9カ月連続で上昇した。労働者の不満の高まりで、一部地域では暴動やデモが起きている。
 中国政府は医療や年金への支出も増やしており、2015年までに低価格住宅3600万戸を建設する目標を掲げている。シティグループのエコノミスト、丁爽氏(香港在勤)は「良い計画だが、今のところ大きな変化は見られず、成長は依然として投資がけん引している」と指摘。「まだ転換点には達していない」との見方を示した。 』  
 
 というわけで、中国の名目GDPの百分比をグラフ化してみました。


【図 中国の名目GDPの百分比 2001年-2010年】


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出典:JETRO

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_33.html#ChinaGDP

 
 うわ、物凄いことになっとりますな・・・。投資(総固定資本形成)がGDPに占める割合は、何と46.2%と、過去最高だった09年の値を更新してしまいました。
 日本は「過少投資」経済で、これはこれで深刻な問題ですが、中国の方は「過剰投資」経済というわけです。


 しかも、記事にもありますように、個人消費(民間最終消費支出)がGDPに占める割合が年々減り続け、ついに34%を下回ってしまいました。こんな「高度成長」はありえません。(日本の高度成長期の個人消費がGDPに占める割合は、現在よりも若干高く、65%くらい)


 中国の個人消費が伸びない理由は、複数ありますが、


◆人民元安政策:輸入物価が下がらない
◆人件費安:一応、伸びてはいるが、インフレには追いつかない
◆インフレ:特に、食料価格の高騰が厳しい
◆不動産バブル:住宅投資に金を取られ、かつローン返済で可処分所得が減り、まともな消費に回せるお金が減っている。しかも、中国人の可処分所得からは極端に高い水準に価格が上昇している
◆社会保障未整備:中国の医療保険、年金の状況では、庶民は貯金を増やし、自衛するしかない


 中国共産党は上記の問題など百も承知で、様々な対策を打っていますが、到るところでトレードオフが発生し、にっちもさっちも行かなくなっています。


◆人民元安を放棄すると、輸入価格は下がるが、輸出企業の競争力がガタ落ちになる
◆人件費をインフレに追いつかせると、消費は増えるだろうが、外資系企業は撤退する
◆インフレを抑制するには、金融引き締めの必要があるが、極端に金融を引き締めると不動産バブルが崩壊し、失業率がとんでもないことに


 社会保障については、共産官僚のビジネスになってしまっていますので、まともな形に整備することはいずれにしても不可能でしょう。


 中国は2012年に、胡錦濤政権が後継者にバトンタッチする予定になっていますが、後継者の方はこんな状況のまま渡されたらたまらないでしょう。せめて、不動産バブルだけでも潰してから引き継いで欲しいと考えているはずで、現状のまま渡したい温家宝との鍔迫り合いが始まるように思えます。


 本日後半は、またまた産経応援様からのご投稿です。


---インフレへの抵抗勢力、資産政策 (産経応援)---
 まず、私ども(産経応援)のような地方田舎町の小グループに、このような機会を与えてくださることに御礼申し上げます。今回は、問題提起として投稿させて頂きたいと思います。はたして、地方は今のままインフレが来て良いのだろうか、その場合、地方は資産をどのように守るべきかという問題です。デフレに対する不満と同時に、インフレに対する不安も否定できないのです。


((1)再分配政策は喫緊の課題


 再分配政策は減税や公共投資によって、需要側 (消費者と中小零細企業) に資金を回す政策ですが、その資金は当然ながら全て消費に回るわけではなく、一部は投資と貯蓄に回ります。再分配政策によって、やがて地方経済に活気が生まれ、庶民も少しは貯蓄がたまったとしましょう。景気が良くなった場合、庶民はその貯蓄および今のナケナシの資産を、どのような形で守ればよいのでしょうか。これが本日の問題提起です。


(2)資産3分法とは言っても、実態は現金預金と土地資産2分法である

 かつて、資産3分法と言われ、資産は、預金・土地・株式の3つに分けて保有すれば、景気の動向に耐えられると言われて来ました。内閣府の平成21 年度国民経済計算確報
( 内閣府経済社会総合研究所ホームページhttp://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/toukei.html )
 によりますと、21暦年末日本国民の正味資産(国富)は2712.4兆円、この内、家計の総資産は2403兆円で、非金融資産950.1兆円(内、土地733.1兆円)、金融資産1453.0兆円(内、現金預金803.5兆円、株式97.5兆円、保険・年金準備金392.7兆円)とあります。

 資産3分法と言っても、資産保有形式としては、土地733.1兆円、現金預金803.5兆円が主で、株式97.5兆円はあまり重視されていません。日本全体でそうなので、これが地方に行くと、ますます株式保有は一般的ではありません。したがって、実態としては資産2分法なのです。上記の内閣府の資料には表れていませんが、特にバブル以前においては、庶民の一般的な資産保有形式は間違いなく土地と現金預金でした。


(3)ところが、資産2分法の一角である土地保有はスポイルされている


 しかし、現在はどうかというと、1994年に固定資産税が重税化されて以来、地方の地価は、定数的な課税方式の建物固定資産税の重圧に耐えられなくなっています。それ以降、地価下落のベクトルは不変です。

 日本の建物固定資産税の課税標準は、世界で唯一の方式の、『再建築価格』からわずかに経年減価分を差し引いた金額ですから、この特殊な課税方法により、
 (1)地域全体の収益性の悪化により、建物敷地である土地の相場価格が下がった場合でも、・・・土地固定資産税は下がりますが・・・、建物固定資産税は下がらないようになっています。(定数的)
 (2)また、東京と地方田舎町で、同等の建物にかかる建物固定資産税額は同じです。収益力が格段に落ちる地方では、東京と同じ税額を持ち応えることができません。


 (1)(2)の理由により、インフレが到来しても、この状況は同じですから、地方においては地価を押し下げる圧力は解消されません。よって、地方において土地を資産保有の方法として採用することは困難と思われます。つまり、インフレが起きても、地方では、土地資産は負け続けるのです


 そもそも論を言えば、固定資産税の課税の理由は、あくまで行政サービスの対価として受益者負担的に課税するというものです。これを応益税といいます。現在の日本には財産保有に課税する方針はなく、現に株式や現金預金に保有税はありませんから、固定資産税は絶対に財産税ではありません。不動産はたいてい裏に大きな借金を抱え、見かけだおしで純資産ではありませんから、そういう意味でも財産税としても正当化できません。


 応益税とすれば、土地は「道路整備やその他のインフラ」という行政サービスにより、地価が上がりますから、明らかな受益があり、課税に合理性があります。しかし、建物は本質的には消耗品であるために、「道路整備やその他のインフラ」等いかなる行政サービスによっても価格が変動することはなく、政府によっても、建物所有者への応益税課税の合理性について説明が行われたことはありません。というか、応益税たる理由を説明できないと思われます。そのため、EU諸国の多くの国では、課税標準を賃貸価値、納税者を占有者とする住民税仕様になっているのだと思います。


(4)もう一方の、現金預金の資産保有形式はデフレ圧力となる


 地価が税制によって、これほどまでにスポイルされていますから、それならば、現金預金で保有すべきということになります。しかるに、預金は最も安定した資産形式であると言われていますが、これには異議があります。もし、本当に預金が最も安定した資産形式であるならば、なぜ、資産保有は土地、株式、預金に三分割することが望ましいなどという話が出るのでしょうか。すべて現金預金で持っていれば良いのではないでしょうか。つまり、現金預金もまた、インフレがあるので不安定なのです。長年保有し続ける場合、そのリスクが高まるために、土地、株式に代えておくのです。それが資産三分法の意味です。


 現金預金の性格上、一旦、現金預金で保有すると決心すれば、現金預金保有者はインフレを恐れると思われます。インフレによって目減りしないかと心配だからです。そうなると、少し金が溜まり始めたら、直ちにインフレは止めてもらいたいということになります。つまり、またデフレに戻してもらいたいと・・・。驚くべき後ろ向きな話です。現金預金しか信用できるものがない状況下では、現金預金のリスクはインフレですから、本能的にデフレを期待するようになります。この精神的不安定によって、公務員・一般国民そして社会のすべての者が、デフレ容認へと傾斜してゆきます。土地保有をあきらめ、現金預金しか信用できない状況では、心の中にデフレ圧力が生じるのです。つまり内心ではインフレに反対するのです。心の中のことは、経済学では無視されるでしょうが、経済学もしょせん「ゆらぎ」の支配する人間行動学ですから、看過できないと考えます。


(5)株式市場へ集中することへの不安


 もう、頼りになるのは、本来少数派だった株式保有しかありません。お金がある程度余裕ができれば、土地市場がダメなのですから、株式市場にわれ先に向かうでしょう。しかし、これは、地価つぶしに躍起になった市場原理主義者の思う坪なのです。竹中平蔵氏、中川秀直氏、渡辺喜美氏などの新自由主義者が、さかんに金融緩和を唱えているのは、これがねらいでしょう。ひたすら需要を喚起しようとしておられる麻生太郎氏、三橋貴明氏などとは動機が違います。


 竹中平蔵氏は消費物価が5倍になる間に、土地価格が220倍になったと、土地価格と消費物価とを比較して地価は上がりすぎているとプロパガンダして回りました。しかるに、竹中氏はアメリカの貨幣数量説を信奉しているそうですから、貨幣供給量が220倍になり、あるいは国民全体の個人資産が220倍になった場合、消費の数量は大きく増加しますが、土地の数量は増えないので、地価が220倍になって当然であることは十分理解しているものと思われます。そして、国民所得が220倍になって、消費者物価も220倍になっていたら、金持ちになった意味がありません。消費者物価が5倍にとどまり、国民所得や資産価値が消費者物価の44倍に増えるからこそ、金持ちになったと言えるのです。経済学者ともあろう者が、地価と消費者物価と比較して、地価下落を正当化してはいけません。


 もともと、株式もまた信用できる資産ではありません。日本全体の栄枯盛衰ならともかく、一企業の栄枯盛衰と運命を共にするのですから・・・。さらに、株式市場や債権市場はアメリカの金融新兵器の実験場と化していて、インチキな投資家たちの攻撃に常にさらされており、日本経済および世界経済が直接金融への依存度を高めていくことに恒常的に不安を感じざるを得ません。


(6)地方において、安心できる資産保有形式を確保するためには、土地資産の有効性を復活させる以外ない


 土地資産が機能しない以上、日本国民の全員が株式市場でギャンブラーになるしかありませんが、それはますます勤労に対する日本人のモラルハザードを招くため、デフレのほうがまだマシだということでございます。中小企業金融が潤沢に行われ、日本全体の景気が良くなり、しかもデフレであってほしいとムチャクチャなことを考えている今日この頃です。経済学者のお歴々は笑うかも知れませんが、私たちとしましては、笑いごとではありません。やはり、土地資産が有効に機能しなければ、資産および私有財産制を信頼できず、持続的な景気回復は有り得ないと思われるのです。


 土地はどのような国であろうと、資産の中心を成すものです。土地本位制は資産本位制の一部であり、間違った考え方ではありません。もともと土地は、地方にとってインフレに強い頼りになる資産だったのですが、いまや、土地資産は税制によってスポイルされており、インフレでもデフレでも下がり続ける虚弱な資産となっています。土地資産が健康を取り戻し、景気回復と共に地価が上がるようにならなければ、地方は持続可能な経済成長をすることはできないと確信しています。そのためには固定資産税の軽減が是非とも必要であり、特に建物固定資産税はもっとも理不尽かつ不条理な癌細胞であるため全廃が望ましいということです。
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 産経応援様、ありがとうございました。大変、勉強になりました。



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