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三橋貴明の新刊、続々登場! 
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日経ビジネスオンライン短期集中連載「三橋貴明の『復興税』という幻想」 

第一回『「復興増税」か「インフレ」か今の日本にふさわしいのはどちらなのか http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110510/219901/?bv_ru&rt=nocnt  』

掲載中!


 最近、出版社の方々とお会いするたびに(大抵、二日に一辺くらい打ち合わせがあるのです)、
「小学館の『日本の大復活はここから始まる!』 、(店頭で)売れていますねっ!」
 と、言われるのですが、「売れていますね!」というのが、どの程度「売れているのか」がよく分かりません。何しろ、未だに全国の総ての書店を網羅したPOSシステムというのは存在しませんので。紀伊国屋書店など、大手書店のPOSシステムで大体のところは分かるようですが。


 などと思っていましたところ、昨日、amazonにおける「日本の大復活はここから始まる!」の順位が跳ね上がったので、何事かと思っていましたところ、産経新聞に大きく広告が載ったようでございます。ご覧になられた方、いらっしゃいます?


 それはともかく、三橋が大ファンである増田悦佐氏が自著で、
「今後、発展する国は、言語的に統一された国である。BRICs諸国は厳しい。ブラジルも、実は言語的な不統一が残っている。そして、アメリカも危険だ」
 と繰り返されています。増田氏の説も、昨日及び本日のエントリーに繋がるのではないかと考えております。


 アメリカがなぜ危険かといえば、英語を喋れないヒスパニック系市民の急増です。


ヒスパニック系人口が5000万人を突破 米国勢調査
http://www.cnn.co.jp/usa/30002250.html
 米国でヒスパニック系の人口が5000万人に達し全人口の16.3%を占めたことが、米国勢調査局の24日の発表で明らかになった。ヒスパニック系は米国で白人に続く第2位の人種グループ。
 同局によると、米国の全人口は3億870万人で、そのうちヒスパニック系は5050万人。2000年と比べた全人口の増加数2730万人のうち、半分以上をヒスパニック系が占めた。人口増加率はヒスパニック系が43%だったのに対し、ヒスパニック系以外は約5%にとどまった。全人口の増加率は9.7%だった。(後略)』


 アメリカでは、ついにヒスパニック系人口がブラック・アフリカ系を抜き去り、白人に次いで二位に躍り出ました。
 断っておきますが、ヒスパニック系人口が増えていることが問題なのではありません。「英語を喋れない」ヒスパニック系が増えていることが、今後、問題になるのではないかと増田先生は仰っているわけです。


 移民国家であるアメリカは、国民統合の象徴、すなわちナショナリズムの象徴として「アメリカ英語」を使うことを移民に強制してきました(当たり前ですが)。結果的に、サラダ・ボールと言われるほどに多種多様な民族が集まりながら、アメリカ国家のナショナリズムは維持されてきたわけです。


 対外戦争のときなど、アメリカではやたらと「パトリオティズム(愛国主義)」が鼓舞されますが、あれは元々ナショナリズムが生まれにくい国家であることを意識して、政財界とメディアが組んでキャンペーンをやっているのではないかなあ、などと思っています。


 言語的な不統一は、アメリカの社会保障の基盤であるナショナリズムを揺るがします。
 わたくしたち日本国民に置き換えてみれば分かります。日本国内に「日本語を喋れない人」が数百万人(アメリカはすでに数千万人ですが)いたとして、同じ国民であるという意識を抱けるでしょうか。あるいは、彼らの社会保障の負担をわたくしたちが負わされることについて、文句を言いたくならないでしょうか。


 現在、英米独などの欧米主要国で「多文化主義の失敗」がクローズアップされています。


『メルケル「多文化主義は失敗」発言の真意
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/10/post-1754.php
 ドイツの多文化主義は「完全に失敗した」──アンゲラ・メルケル首相のこの発言を受けて、評論家たちは一斉にメルケルを攻撃した。この言葉は移民に反対する右派の有権者に迎合するもので、メルケルは反イスラム感情の高まりを受けて右傾化したとの非難を浴びせたのだ。
 だがメルケルの今回の発言は、ドイツをはじめとする欧米諸国が耳を傾けるべき斬新で現実的なメッセージとも読める。
 メルケルが指摘したとおり、ドイツ人は昔から「外国人」と正面から向き合うことを拒んできた。ドイツは60年代から、ヨーロッパ南部やトルコからの出稼ぎ労働者の受け入れを始めたが、彼らは定住して子孫を儲けても市民とは認められず、暫定的な住民の扱いを受けた。
 ヘルムート・コール首相は98年に退任するまで、ドイツにおける移民の役割は大きくないと言い続けた。「外国人」が既に人口の9%近くにまで膨れ上がっていたにもかかわらずだ。
 移民から目を背けてきたドイツは、出稼ぎ労働者ら移民たちの社会への統合を阻むルールを作ってきた。彼らをよそ者扱いすべく、厳しい市民権取得条件が設けられた。一方で「血統主義」を重んじ、祖先にドイツ人がいるロシア人などは簡単に市民権を取得することができた。
 コールが退任してゲアハルト・シュレーダーが首相になった後、市民権の取得条件は緩和されていった。だがそれでも問題の解決には程遠い。ドイツ最大の少数民族グループであるトルコ系住民の一部が政治や芸術、ビジネスの世界で成功してはいるが、単一文化的なドイツ社会で孤立しているトルコ系住民も大勢いる。
 彼らの多くは、市民権の取得や社会参加にほとんど関心を示さない。自分たちに対する偏見が今も残っていると感じているからだ。
活力ある労働力が欠かせない
 ドイツ人と少数民族が互いに反感を抱きがちな背景にはこうした事情がある。この意味で、民族別のコミュニティーの共存共栄を目指す多文化主義は確かに失敗だった。
 メルケルの出した結論には真剣に耳を傾ける価値がある。メルケルは移民の役割について「私たちは自分たちをだましてきた」と発言した。だとすれば、移民を取り巻く状況の改善に向けた率直な議論をこれから始める必要がある。
 移民が社会に溶け込み、社会が彼らを受け入れる状況を生み出すために、ドイツはもっと努力しなければならない──これがメルケルのメッセージだ。(後略)』


 ニューズウィークはまさしく多文化主義を推進していたリベラル誌の代表ですので、上記の記事は「負け惜しみ」といえないこともありません。とはいえ、一理あることも確かです。


 メルケル独首相は別に排外主義に走ったわけではなく、「一国の中で民族別のコミュニティーの共存共栄を目指す多文化主義」は失敗だったといっているわけです。民族別、さらには言語別に分かれた複数のコミュニティが共存し、共栄するなどという話は「幻想」ということが、欧州の多文化主義という実験により明らかになったという話ですね。


 理由は簡単で、多文化主義ではナショナリズムも社会保障も成立、維持が困難になり、さらに各種の民族的、文化的軋轢により国民の統合感覚が削がれるためです。特に欧州諸国が顕著ですが、自国に馴染もうとしない移民や在住外国人、不法入国者の社会保障への「フリーライダー(ただ乗り)」は、結局のところ、どこの国民も我慢できないのです。(思い当たる点は多々あると思いますが)


 国内が同一文化、同一言語で統一され、かつ民主主義が機能し、健全なナショナリズム(国家主義というよりは、国民主義)が成立していれば、国民は他者(同国民)の社会保障や「震災復興」の負担を背負うことに納得できます。昨日も書きましたが、ナショナリズムなしで社会保障は成立しません。そして、少なくとも中期的な国民経済の発展には、社会保障の整備による個人消費(民間最終消費支出)の拡大が欠かせないというわけです。


 上記を考えると、日本の高度成長にも納得がいきますし、同じ時期の欧米諸国もかなりの高成長を遂げ、当時を「黄金時代」と呼ぶ人がいることも理解できるわけです。


 「今回の」グローバリズムが問題だと思うのは、上記欧米諸国の例の通り、国民の健全なナショナリズムを削ぎ、社会保障を不安定にし、結果的に個人消費を中心とした内需の成長を妨げてしまうことです。


 さらに、グローバリズムがトリクルダウン理論とセットになると、
「大企業がグローバルに勝つために、法人税を引き下げ(日本もやろうとしています)、政府の歳入減を補うために、国民の社会保障をそぎ落とし(麻生政権の前は、日本もやっていました)、あるいは消費税を引き上げる(日本もやろうとしています)」
 という、どう考えても国民が不幸になるような政策が推進されてしまうわけでございます。


 以前、ルモンド紙の「保護主義というタブーhttp://www.diplo.jp/articles09/0903-4.html  という記事をご紹介しましたが、自由貿易(この場合、グローバリズムと同意)は、二重に不況を導く効果を持つわけです。すなわち、企業のコスト削減と、社会保障の削減による国民の購買力低下です。 


 日本でも社会保障の削減が実施され(おかげでお医者さんが大変なことに・・・)、法人税引き下げや消費税のアップなどが検討されています。現在に至っては、「被災地の復興の負担を分かち合いたい」という日本国民のナショナリズムを「利用して」、復興増税という無茶苦茶な政策が推進されようとしているわけです。


 個人的には、グローバリズムだろうが保護主義だろうが、日本国民が豊かになるのであればどんな道を進んでもいいと思います(わたくしはイデオロギーとは本当に無縁なのです)。とはいえ、イデオロギーに左右されず、日本が正しい道(国民を豊かにする道)を選ぶためには、日本国民がナショナリズムに目覚めるのではなく


「実は、自分たちこそが世界でも有数のナショナリズムを維持している国民だった


 という現実に、そろそろ気がつく必要があると考えるわけです。


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