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 イーストプレス社から5月10日に発売になる(すでに一部で先行発売していますが)「歴代総理の経済政策力 グランドビジョンを知れば経済がわかる 」を書いていてつくづくと思ったのですが、わたくしたち日本国民は(わたくしも含めて)大震災にも戦争にも直面しなかった「幸運な時代(保守系の論客の方は「不幸な時代」と呼ぶでしょうが)」のおかげで、「国家の常識」あるいは「大人の常識」というものを忘れ去っていました。

 田中角栄の「日本列島改造論」を読むと(一部、歴代総理の経済政策力」で引用しています)、当時の政治家が「大人の常識」を理解していたことが、嫌というほど分かります。


 大人の常識が何かと言えば、
「日本紙幣とは何か?」
「国家が国民経済に果たす役割は何か?」
「経済成長の定義は何か?」
「合成の誤謬とは何か?」
「日本経済の成長の源泉は何か?」
「社会福祉を拡大する原資はどこから産まれる?」
 などになりります。


 角栄の「日本列島改造論」を読むと、当時の政治家たちが上記を普通に理解していたことが分かり、感動します。そして、現在の政治家と比較して、ウンザリすることになるのです(保証します)。


 角栄の世代は戦争と敗戦というカタストロフィをくぐりぬけた日本人ですので、「国家」について考える機会が、現在とは比較にならないほど多かったのでしょう。もちろん、教育も違いました。
 すなわち、今回の東日本大震災により、「国家」について意識する日本国民が増えたのは確実だと思います。そういう意味で、今後の政治家はこれまでよりもまともになる可能性が高いと思います。何しろ、有権者のほうが変わり始めていますので。
 

 別に「国家主義」に走れというわけではありません。しかし、今回のような大震災において、「国家」の存在なしに、一個人で立ち向かえますか? という話です。


 今後の日本国民は、少なくとも国家の役割について最低限のことは理解しておく必要があると思うのですが、そもそも教育やマスコミの論調が「国家色」を極端に薄める構造になっています。というわけで、5月(今月)の執筆は「大人の常識(仮)」になります。


 さて、日本の財政破綻論者の最も良くないところは、結論を変えずにロジックを組み替えていくことです。次に良くないところが、「いつ起こるか」を断定せず、予想が外れても悪びれないところです。そもそも破綻までのロジックがきちんと構築されていれば、「いつ起こるか」も予測がつくはずなのですが、何しろ「突っ込まれたので、新しいロジックを思いついた」レベルですので、時期の断定などできるはずがないわけです。


 とはいえ、同じ財政破綻(政府のデフォルト)であっても、↓こちらの国の場合は、かなり時期を特定することができると思います。なぜならば、破綻までのロジックが明々白々だからです(ついでに書くと、一度も揺らいでいません)。


ギリシャ債務再編は待ったなし、遅れれば後遺症悪化-リン
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=abMMrqjeyz8Y
 お祝いのケーキもパーティーもないが、ギリシャは先週末に救済申請1周年を迎えた。1周年のムードは最悪と言ってよい状態だ。
 国債利回りは最高水準を繰り返し更新。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を使って国債を保証するコストも過去にない水準に跳ね上がった。財務省は債務再編が近いとのうわさの出所を突きとめようと、銀行の従業員の刑事捜査を開始した。
 ギリシャは救済後の1年を、債務再編の発表で締めくくるべきだった。ギリシャがデフォルト(債務不履行)に伴う「ヘアカット(債務減免)」を発表するのは早い方が、誰にとってもよい結果になる。遅れればヘアカットによる減免幅が拡大するし、経済学者の研究は、減免幅が大きいほど後遺症も重いことを示している。現状ではギリシャ経済の傷みが激し過ぎるし、ユーロ圏諸国がデフォルトするという概念が受け入れられれば、共通通貨の問題の解決に向けた賢明な意見のやりとりを始められるようになる。
 過去1週間の取引は、市場参加者の大半がギリシャのデフォルトを必至と考えていることを示した。先週末のギリシャ2年債利回りは22%超。よほど悪質な高利貸しでなければこんな金利は課さない。10年債利回りも15%付近。ギリシャ国債のCDSスプレッドはデフォルトの確率が67%とみられていることを示唆した。
 現実問題として、ギリシャ債の保証を購入することにあまり意味はない。向こう1年の間にロンドンに雨が降ることに対する保証を買うようなものだ。起こるか起こらないかではなく、いつ起こるかの問題だ。
   お芝居はやめにしよう
 ギリシャ政府と欧州連合(EU)の当局者らはいまだに、デフォルトという選択肢は存在しないと言い続けている。そんな芝居はもうやめるべきだ。 (後略)』
 
 ギリシャのデフォルト(債務不履行)ですが、まさしくリン氏の言うとおり「起こる起こらないかではなく、いつ起こるか」の問題です。要するに、ギリシャ政府の対外負債の償還時期が来たとき、借り換え資金を用意できないか、あるいは国債金利が急騰(今でもしていますが)してしまったときが、ギリシャのデフォルトというわけです。


 ギリシャ政府のデフォルト時期は、今後の国債償還のタイミングと資金手当ての「追いかけっこ」により決まるため、「いつ起こるか」ではなく、「どの国債償還のタイミングなのか」の問題でしかありません。
 あるいは、国債償還不可能になる前に、ギリシャ政府が「ヘアカット(債務減免」」を願い出るかもしれませんが、その場合は「その時点」でデフォルトということになります。


 リン氏のコラムは面白いので、後略部も是非お読み頂きたいのですが、ギリシャの現況について、
「失業率は15%を超え、今年はさらにマイナス3%成長が予測されている」
政府が歳出削減を急いだ結果、経済が落ち込む一方になっている」
輸出が内需の落ち込みを補う兆候は見られない
 などなど、本ブログの常連さんであれば、「そりゃあ、そうだろ」と言いたくなる現象が発生しています。

 

 ギリシャがユーロに加盟している限り、輸出が内需の落ち込みを補う可能性は低いです。となると、ギリシャ政府が緊縮財政を採ると、単にGDPが減る一方になり、政府の負債対GDP比率が悪化する。すなわち、財政が悪化するわけです。財政悪化に、ギリシャ政府が更なる緊縮財政を採ると、輸出が増えないために内需が落ち込む一方になり、GDPがマイナス成長になり、政府の負債対GDP比率が悪化し、財政が悪化する。という、どこかの国が延々と繰り返してきた悪循環を、さらに酷い形(輸出増がないため)で繰り返しているわけです。


 上記のギリシャの事例を見ても、財政破綻論者の皆様は「いや! それでも借金は借金! 財政健全化のための増税以外有り得ない!」などと叫ぶのでしょうか。叫ぶんでしょうね・・・。何しろ、あの方々の結論は決して変わらないわけですから。


 ともあれ、日本の知識人階級が迷走していようとも、国民の方が知恵や知識を見につけ、「大人の常識」を持って日本を復興、成長させていく必要があると思うわけです。そのためには過去の事例や他国の事例を知れば知るほどいいわけです。

 わたくしが「歴代総理の経済政策力 」(過去の事例を知る)、「経済ニュースの裏を読め! ~世界経済編 ~」「サムスン栄えて不幸になる韓国経済 」(他国の事例を知る)などの書籍を出したのも、まさにこれが理由なのでございます。


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