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4月25日:「経済ニュースの裏を読め!世界経済編」刊行記念 三橋貴明氏 特別講演会・サイン会
http://www.books-sanseido.co.jp/blog/jinbocho/2011/04/425.html

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 上の方にもご案内がございますが、来週の月曜日(4月25日)18:30から、三省堂書店神保町本店 8階特設会場にて「経済ニュースの裏を読め!世界経済編」刊行記念のサイン会、講演会が開催されます。

【4月25日:「経済ニュースの裏を読め!世界経済編」刊行記念 三橋貴明氏 特別講演会】
http://www.books-sanseido.co.jp/blog/jinbocho/2011/04/425.html


 講演などをしていると、時折、以下の突込みを入れてくる人がいます。

「確かに今の日本は、経常収支が黒字だから過剰貯蓄で、政府の国債消化は問題ないのかも知れないが、その内に貿易赤字になって破綻する」
 
 何と言うか、とにかく「日本に破綻して欲しい!」という、心の叫びが聞こえてくるような気がします。


「まず、日本が経常収支黒字なのは、国内の消費及び投資が少ないから、つまりデフレだからで、デフレから脱却したら貿易収支黒字は縮小するかもしれないですが、健全なインフレ率を取り戻せば財政問題は勝手に解決に向かいます。そもそも、これほど円高が続いているにも関わらず、未だに貿易収支黒字の日本が、一体、どこまで生産力を落とせば貿易赤字になるのでしょう。また、すでに日本の経常収支黒字の主役は貿易収支から所得収支に移っており、貿易収支が赤字化しても、経常収支全体は黒字を保ちます。また、経常収支が赤字になるほどに貿易赤字が増えれば、円安になるので、通貨のスタビライザー(安定化装置)機能で輸出が増え、貿易収支は黒字に向かい、経常収支全体も黒字に戻るでしょう。さらに、経常収支の黒字国があるということは、反対側に必ず赤字国があるということです。何か、経常収支の赤字を特別なことと考えているようですが、『世界の国数-経常収支黒字国の数=経常収支赤字国の数』という当たり前の事実を認識していますか? 経常収支赤字国は必ず破綻するんですか? じゃあ、アメリカの存在は何なんです?」


 などとお答えするわけでございますが、要するにGDPと経常収支の関係を表した、

◆貯蓄-投資=経常収支

 の式が浸透し(何しろ、統計的に百パーセント正しいので)、
「経常収支が黒字の国は、国内が過剰貯蓄状態で、政府の国債は国内で消化できる」
 という事実が、財政破綻論者の皆様にとって都合が悪いというわけでございますね。(以下、情報提供NO様)


『2011年4月21日 日本経済新聞朝刊「「稼ぎ」減り起きること 編集委員 滝田洋一」
 貿易収支は3月に黒字が大幅に減ったのに続き、4月以降に赤字となるとの見通しが出てきた。サプライチェーン(供給体制)の切断で自動車などの輸出が落ち込むとともに、資源高の影響で輸入は伸びている。しかも、大震災からの復興のために資材などの輸入が増えるからだ。
 日本が経済大国となった1970年代以降、貿易収支が赤字になったのは、原油価格が高騰した2度の石油危機や、リーマン・ショック以降の世界的な需要蒸発の際くらいだ。今回、貿易収支の悪化を招いているのは大震災による供給網の寸断であり、要因は異なる。
 世界経済は好調なので供給網が修復すれば、輸出は回復し貿易黒字基調となるとの見方はある。それでも油断はできない。震災からの復興に巨額の資金が必要で、国債の増発が避けられなくなっているからだ。
 対外収支の黒字が多かった時代には、国債の消化を海外の資金に頼らずに済み、国債全体の95%を国内投資家が購入してきた。ところが震災を機に国債発行が増え、対外収支も悪化すれば、国内資金だけによる国債消化はままならなくなる。
 市場はすでにリスクを意識している。震災直後に円が急騰したのも、復興資金をまかなうために海外資産を取り崩し、国内に戻さざるを得なくなるとの思惑が引き金だった。実際には資産取り崩しは起きなかったが、これから貿易収支が赤字に陥るばかりでなく経常収支の黒字も縮小するようだと、自由に使える国内の資金は減ってくる。
 そうなれば、国債の安定消化の前提が揺らぎ、財政赤字の拡大が長期金利の上昇要因として意識されやすくなる。市場による日本国債のリスク評価であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の保険料は、震災後にはね上がり先進国の平均を上回っている。
 復興のための国債増発は避けられないにせよ、財政立て直しの道筋をどうやって市場に納得させるのか。貿易収支の変調は、財政の運営にも警鐘を鳴らそうとしている。
 日本を取り巻く貿易収支と財政の連鎖に政治が気付かないとすれば、震災で深手を負った経済はさらなるリスクを背負うことになる。
(編集委員 滝田洋一)』
 
 ね。
 「とにかく日本に破綻して欲しい!」という滝田氏の心の叫びが聞こえて来るようでしょう。

「震災を機に国債発行が増え、対外収支も悪化すれば、国内資金だけによる国債消化はままならなくなる」
「これから貿易収支が赤字に陥るばかりでなく経常収支の黒字も縮小するようだと、自由に使える国内の資金は減ってくる」
「国債の安定消化の前提が揺らぎ、財政赤字の拡大が長期金利の上昇要因として意識されやすくなる」

 仮定を前提に、よくもまあ、ここまで破綻論を展開できるものです。「~すれば」「~だと」「~の前提が揺らぎ」って、こんな破綻論でよければ、わたくしだって書けます。
「月が日本列島に落ちてきたら、日本は破綻する!」
 どうでしょう?


 しかも、滝田氏は「貿易収支」と「経常収支(対外収支)」をごちゃ混ぜにして語っています(恐らく、読者を煽るために故意に)。日本が貿易赤字になっても経常収支は黒字を維持することを分かっているからこそ、対外収支なんておかしな用語を使っているのでしょう。


 日本の過剰貯蓄(国債の消化を海外の資金に頼らずに済む理由)の原因である経常収支の黒字は、別に貿易収支の黒字とイコールではありません。先にも書いたように、日本の経常収支の主役は、既に所得収支なのです。


【日本の経常収支の推移(2000年-2010年) 単位:億円】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_33.html#Keijo


 所得収支は日本の対外純資産からの「上がり(金利、配当など)」です。そして、日本の対外純資産は経常収支の黒字から生まれます。さらに、経常収支の黒字の主役は所得収支です。
 お分かりでしょうか。
 日本は既に、
莫大な所得収支の黒字が、経常収支全体を黒字化し、対外純資産を積み上げ、巨額になった対外純資産から莫大な所得収支の黒字が産まれる
 という好循環に入っているのです。


 はっきり言って、国際収支の面から見ても、日本は最も「財政破綻しにくい(厳密には、国内の過剰貯蓄が解消されにくい)」国なのです。それにも関わらず(いや、むしろだからこそ)、
「~すれば」
「~だと」
「~の前提が揺らぎ」
 などと仮定を連発しながら、破綻論を構築しなければならないわけですから、新聞記者さんという職業もなかなか大変です

 面倒でしょうから、今後は毎回、
「月が日本列島に落ちてきたら、日本は破綻する!」
 と煽るのではいかがでしょうか、日経新聞さん。

 どうせ、「月が日本列島に落ちて破綻」も「経常収支赤字化で破綻」も、確率的に大差はないのですから。



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