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4月25日:「経済ニュースの裏を読め!世界経済編」刊行記念 三橋貴明氏 特別講演会・サイン会
http://www.books-sanseido.co.jp/blog/jinbocho/2011/04/425.html
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三橋貴明の新刊、続々登場! (「日本の大復活はここから始まる!」発売開始!)
まさしく、
「ほ~ら、きた」
とでも呟きたくなるタイミングで、ショック・ドクトリン第一弾が参りました。(情報提供TN様)
『政策研究大学院大学教授・大田弘子 日本の類いまれな財産を生かせ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110415/dst11041503190006-n1.htm
東日本大震災からの復興に向け、本格的な取り組みが始まった。ここからどのような形で立ち直っていくかは、今後の日本経済を左右するほどの意味をもつ。
日本経済は震災前から、急速なグローバル化や人口減少への取り組みが遅れ、さまざまな問題を抱えていた。被災地も高齢化に直面し、農業や漁業は担い手の減少が続いていた。したがって、単に元に戻すだけの復興では問題の克服にはならない。厳しいことではあるが、ここで被災地の再生を新たな成長への突破口にするというくらいの発想で復興に取り組む必要がある。そのための重要なポイントは次の3点である。
≪被災地を「改革特区」にせよ≫
第1は、被災地を「改革特区」として、思い切った取り組みを行うことである。まず、東北地方を道州制のモデル地区として、東北全体をひとつに捉えたグランドデザインを描くことが望まれる。津波で失われた街をどこにどういう形で再生し、漁港はどこを拠点にして再建するのか、こういった全体の青写真を、地元主導で、かつ行政区域を越えた東北全体としてつくってほしい。
さらに、農業や漁業、医療などそれぞれの分野で、これまで実現できなかった制度改革を断行してほしい。農業でいうと、これを機に農地の大規模化を進め、コメの生産調整を廃止し、専業農家が存分に生産性向上に取り組める環境をつくる。漁業でいうと、若者に魅力ある職場にふさわしく、漁船の大型化を進め、企業が新規に参入できる環境をつくる。省庁の縦割りを克服し、国土交通省管轄の港湾と農林水産省管轄の漁港を一体として整備する。(中略)
≪TPP交渉参加を遅らせるな≫
第3は、いまこそ成長戦略を重視し、加速させるということである。あまりに大きな危機に直面して関心はもっぱら国内に向いている。成長戦略どころではない、という状況だろう。しかし、今後のことを考えると、成長戦略はいよいよ待ったなしになった。
生産へのダメージに加え、原発事故による風評被害とその輸出への悪影響、電力不足、復興に伴う財政負担、これらのことが長く日本経済を苦しめるだろう。これを乗り越えるだけの成長戦略が打ち出されなければ、今後の資金調達に支障を来(きた)しかねない。また、大企業の海外シフトが加速すれば、中小企業が一段の苦境に陥り、国内の雇用機会も減少する。
こうした状況をくいとめるため少なくともTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加を先送りすべきではないし、法人税率引き下げも撤回すべきではない。
震災後、日本企業は驚くべき底力を発揮し、正常化を進めている。日本の「現場力」は想像以上のものがある。企業のみならず、国民全体の底力も発揮されてきた。ここに書いた3つのポイントは、この日本の類(たぐ)い稀(まれ)な財産が存分に生かされるための環境をつくるということにほかならない。』
あまりにも予想通りの「論説」で、突っ込みどころ満載なのですが、とりあえず東日本大震災のような非常時に、「特別なこと」にチャレンジするのはやめにしておくべきです。理由は三つあります。
1.そもそも、日本は震災から復興するリソースを保持しており、特別なことをやる理由が全くない
2.震災復興は「早期」に行われなければならないが、特別なことをやるには時間がかかる
3.特別なことは「新しいこと」になり、ノウハウが蓄積されていない。ノウハウがない状況でのチャレンジは、普通は失敗する
すなわち、現在の日本は「特別なこと」にチャレンジできるような贅沢な時ではなく、逆に普通のことをすることこそが「成長戦略」になるという、分かりやすい状況にあるわけです。何が哀しくて、「道州制」やら「改革特区」やら「TPP」といった、普通に国内に混乱をもたらし、国民に痛みを伴う改革をこの状況で行わなければならないのでしょうか。この種の特別なチャレンジは、平時に考えればいいのです。
それにしても大田弘子氏の「この機会を利用して、TPPなどの構造改革を!」という、フリードマンばりのショック・ドクトリンは、あからさま過ぎます。国民がショックを受けている今こそ、「思い切った改革を実行に移せるのでは」という、いやしい期待感が滲み出ています。
例えば、
「農業でいうと、これを機に農地の大規模化を進め、コメの生産調整を廃止し、専業農家が存分に生産性向上に取り組める環境をつくる。」
ですが、この路線そのものには反対しませんが、フランスが十分な生産性を得られるまで農地の大規模化を進めるまで、開始から半世紀近くかかっています。それを「この機に農地の大規模化」などというノリで行うなど、共産独裁国も真っ青な「構造改革」でございます(構造改革とは、元々、共産主義者の使っていた言葉です)。
しかも、TPPについて「大企業の海外シフト防止」に有益であるかのごとく書いていますが、高々アメリカで5%程度の関税が撤廃になる程度で、
「うん、分かった。じゃあ、海外シフトはやめておくわ」
とはならんでしょう。アメリカで5%関税が撤廃されても、今後、円高が10%進めば、普通に大企業の海外シフトは進みます。
大企業の海外シフトを止めたいならば、国内市場を活性化し、大企業が海外市場ばかりを意識せずに済むようにしてあげ、実質金利を引き下げれば済む話です。すなわち、普通のデフレ対策をやればいいわけです。それが何で、TPPなどという話になるのでしょうか。
「大企業の海外シフトを止める⇒だからTPP」の、⇒のところの論理構成がさっぱり分かりません。(誰か分かる人がいたら、教えて下さい。)
95年の阪神大震災後、まさしく上記大田弘子氏風の「ショック・ドクトリン」が日本で推進され、実際に橋本構造改革に繋がりました。結果、国民の平均給与が下がり始め、失業率が跳ね上がり、自殺者数が1.5倍になったのです。
今回も同じことをやってくると分かっていましたが、ここまで早期に露骨なことをやってくるとは・・・・。
繰り返しますが、
「普通のことを、すみやかにやりましょう」
現在の日本に必要なのは、上記だけなのです。
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