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◆◆◆講演会のお知らせ◆◆◆
【TPPは日本の国富拡大、国益推進に有益なのか?】~ 中野剛志氏&三橋貴明 トークセッション ~
◆日時: 平成23年2月19日(土)
◆時間: 14:00頃開始予定
◆場所: 未定(東京都内)
◆会費: ¥3,000 ※後援会員は¥1,000割引となります。
◆内容: 新著「デフレ時代の富国論(ビジネス社)」を題材に、中野剛志氏と三橋貴明が政治や経済、アメリカの戦略などを論議
お申し込みは、こちら
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中野剛志氏とのトークセッション「TPPは日本の国富拡大、国益推進に有益なのか?」ですが、すでに申し込み人数が定員の三分の二を突破しました。(中野氏の人気、恐るべしです)
もっと広い会場を借りればよかったかも・・・・。
TPPの問題が典型ですが、全体的な話から人々の関心をそらすために、
「平成の開国です!」
「参加しないと世界から孤立します!」
など、中身のない美辞麗句や危機感を煽るフレーズばかりを連呼し、きちんとした議論を省いて政策を推進し、反対者には、
「鎖国主義者!」
とレッテルを貼り、さらに、
「農業の構造改革に反対するんですか?」
などと、問題を矮小化した挙句に「抵抗勢力」扱いするといった「手法」が、相変わらず民主党は大好きです。何しろ、09年総選挙では、
「政権交代!」
のみを連呼して、本当に政権交代を実現してしまったわけですから、自らの成功体験を引きずり続けるわけでございますね。
↑この種の「スローガン」「フレーズ」「危機感煽り」「レッテル貼り」「問題矮小化」「敵を作る(抵抗勢力)」などの民主党お得意の手法に対抗するには、どうしたらいいでしょうか。
農業の構造問題など、一部の問題でガヤガヤやるのは、今ひとつ有効な手法とはいえません。なぜならば、「TPPとは農業の問題」という社会的共有がなされてしまうと、「農業について譲歩を引き出し、その他を全面的に受け入れる」という最悪の結末に至りかねないためになります。
TPPの問題を議論するときは、やはり「土俵を変える」ということが必要になります。すなわち、「TPPとは農業の問題じゃないです」という意識転換を、議論参加者に対して行わなければならないのです。
先日、「TPP関連諸国の2009年GDP(単位:十億ドル)」というグラフをご紹介いたしました。
【TPP関連諸国の2009年GDP(単位:十億ドル)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_32.html#TPP
さらに一つ、興味深いグラフをご紹介いたしましょう。
そもそも、TPPを望んでいるのは家電や自動車など、「耐久消費財」のメーカーです。すなわち、アメリカ市場(世界最大の市場)への「耐久消費財の輸出」について、優位に立つことを望んでいる方々になります。
TPP推進派に対し、例えば、
「アメリカ市場の家電製品への関税は5%、自動車は2.5%(トラック除く)に過ぎないじゃないか! 関税が撤廃されても、少し円高になればチャラだ! そもそも、自動車は六割以上がすでにアメリカ現地生産じゃないか」
という反論はありえるのですが、それ以前に「そもそも日本の家電や自動車の輸出って、経済規模(GDP)に対してどの程度の割合を占めるの?」という視点も必要です。仮に、家電や自動車の輸出がGDPの二、三割に達するのであれば、わたくしでさえ、
「日本の産業の主力は自動車や家電の輸出だ! TPPに参加して、少しでも有利な立場を得る必要がある」
などと言いたくなるかも知れません。
実際はどうでしょう?
【図 09年における日本の自動車、家電の輸出及びGDP(単位:百万ドル)】
出典:JETRO、IMF
日本の輸出依存度(財の輸出÷GDP)が11%弱、輸出に占める耐久消費財が14%強、自動車と家電の輸出はGDPと比較すると、合計しても1.5%に満ちません。
先日の「日本経済の対中依存度(↓これ)」同様に、結構ショッキングなグラフではないでしょうか。
【09年における日本の対中(香港含む)輸出入とGDP(単位:百万ドル)】
出典:JETRO、IMF
断っておきますが、
「だから、日本にとって家電や自動車の輸出などどうでもいい」
などという極論を主張する気は全くありません。両者共に、日本にとっては大切な産業であり、輸出製品です。
とはいえ、対GDP比で1.5%に満たない自動車や家電の輸出を有利にするために(しかも、5%の円高で相殺されてしまう程度の「有利」)、アメリカの金融サービスや法律サービスを「日本社会」が受け入れても構わないのか、という話です。
まさにTPPの問題は、早急に議論の土俵を変える必要があると考えます。
この種の情報がきちんと国民に共有された上で、大いに議論され、最終的な判断が下されるのであれば構いません。とはいえ、現実は「平成の開国」「世界から孤立する」「バスに乗り遅れるな」「農業の構造改革は必須だ」などなど、イメージもしくは矮小化された話ばかりが報道されています。
『TPP参加、自民に賛否両論…意見集約先送りへ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110126-OYT1T00814.htm
自民党は26日、党本部で環太平洋経済連携協定(TPP)に関する今年初めての対応検討会を開いたが、TPP参加に賛否両論が交錯した。
党執行部は4月の統一地方選への影響を考慮し、党としての意見集約は当面先送りする構えだ。
検討会では、「国民合意が必要で、準備が出来ていない」「『バスに乗り遅れるな』というだけで、参加を決めてしまっていいのか。情報も不足している」との慎重論が相次いだが、首相の交渉参加方針について「唐突だが正しい方向。我々も考えを示すべきだ」との賛成論も出た。
石破政調会長は、菅首相が6月をメドに交渉参加の結論を出す方針を示していることについて、「6月に何を決めるのか。(交渉次第で)気に入らないから参加をやめると言えるのか」と批判したが、賛否には踏み込まなかった。』
別に、自民党員だから言うわけではありませんが、少なくとも現時点における自民党執行部の「先送り。国民合意のために、更なる情報と準備が必要」という態度は正しいです。
日本国民は一度、スローガン(政権交代!)優先で選挙に挑んだ結果、その後、とんでもない状況(すなわち現在)を引き起こしました。同じ間違いを繰り返すにはいきません。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言いますが、歴史に学べないのであれば、せめて経験に学ぶ愚者でありたいものです。
日本の家電・自動車の輸出対GDP比のグラフに衝撃を受けた方は、
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日本経済復活の会
積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
「三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート」
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