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◆◆◆講演会のお知らせ◆◆◆
チャンネル桜支援講演会 
桜ゼミナール1月「マスコミに騙されない、経済の読み方」
講師:三橋貴明
日時:平成23年1月23日(日) 開演14時~
会場:栃木県護国神社内 護国会館
参加費:1000円
詳細は以下のURLをご覧下さい。
http://www.chsakura.com/event/sakura_seminar.html#jan
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 昨日は石平氏とのトークセッションに大勢の方にお越し頂き、まことにありがとうございました。


 石平氏の話の中で一番「目から鱗」だったのが、現在の中国は都市部のインフレにより「人手不足」が発生しているというものです。何しろ、深圳市(中国本土)の住民が、日用品(醤油など)を買うために香港に行くというのですから、半端ありません。別に、香港は物価が安い都市というわけではないのですが。


 石平氏が中国に赴くと、必ずスーパーマーケットを視察するそうですが、食料品価格が近所のダイエーと変わらないそうです。日中の国民所得や年収の差を考えると、驚異的な物価高です。


 今や食料、エネルギー価格、それに「住居費」の高騰により、中国人民が都市部で工員として働いても「割に合わない」状況に至ってしまっています。結果、農村に帰ってしまう民工が増えているそうです。


 この問題を解決するには、都市部の人件費を引き上げ、金融を引き締め、人民元を切り上げるしかないのですが、いずれの政策も中国経済の「別の部分」を直撃することになります。温家宝首相は自分の任期中(残り二年)にハードランディング(バブル崩壊、もしくはインフレ率高騰による社会混乱)を避けれればいいと考えているのでしょうが、なかなか厳しい状況に追い込まれつつあります。


 結局、通貨安、人件費安、投資重視という歪んだ成長路線を突き進んできた中国経済は、自らの「成功要因」のおかげで袋小路に突入しつつあるわけです。


 昨日のセッションは,、何しろ89年(天安門事件)や98年(アジア通貨危機)から話を進めましたので、ご参加頂けた皆様も「因果」についてご理解頂けたのではないかと思います。現在の中国経済の状況は、決して08年に始まったわけではないということですね。この種の歴史感覚も、経済について理解する際には必須だと思います。(というわけで、韓国経済本の次の単行本は、「田中角栄以降」の日本の政策についてです)


中国人民銀:預金準備率を50bp引き上げ-20日から
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=at8bxt8bDWhA
中国人民銀行(中央銀行)は14日、市中銀行の預金準備率を引き上げると発表した。外貨準備高が急増したことや新規融資が目標を超えたことを受け、準備率引き上げを決めた。 』


中国は新たな物価統制策を完全には排除しない-中国証券報
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aRN_udhyTd0E
中国は1-3月(第1四半期)のインフレ圧力が過度に高まれば、新たな物価統制策を講じる可能性を完全には排除しない。中国証券報が中国国家発展改革委員会(発改委)の価格局の周望軍副局長の話を引用して伝えた。同副局長は、インフレ圧力は今四半期これまでのところ前年同期に比べ「比較的大きい」との認識を示したという。 』


 中国の当局が「インフレ圧力は比較的大きい」などと認める以上、現実は「途轍もなくインフレ圧力が大きい」可能性が高いわけです。一年間(09年)に自国のGDPの三割もの新規融資を行わせた以上、当たり前ですが。


 中国は「前門のインフレ、後門のバブル崩壊」という課題を抱えていますが、「金融引き締めを謳いつつ、全面的な金融引き締めには踏み込めない(バブル崩壊が怖いから)」という、ギリギリのオペレーションを強いられています。金利を少しずつ上げたり、預金準備率を上げたり、「もっと引き締めるよ」などと言いつつ、「バブルを崩壊させずに、インフレを抑制する」道を探っているわけです(そんな道があるのかどうかは、知りませんが)。


 問題なのは、この「引き締めるよ、引き締めちゃうよ」方式では、中国の不動産バブル膨張を抑えきれないという点です。


【写真 中国主要70都市不動産価格の推移(対前年比)】


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出典:中国国家統計局


 中国の主要都市の不動産価格上昇率は、確かに対前年比では下がっています。ところが、価格は未だに対前月比では(わずかながら)上昇しているのです。


 これは中国人民の「まだまだ不動産価格は上がる」神話や、銀行の新規融資が当局の予想を超えていることもありますが、外資マネーの流入もあるようです。2010年1月から11月までの期間における中国への直接投資は、不動産投資向けが201億ドルと、全体の21.9%を占めました。しかも、増加率が対前年同期比で48%と、極端に高いのです。この比率は、直接投資全体の伸び率17.7%の二倍以上になっています。


 予想通り、アメリカのQE2のマネーが国内から溢れ、投資先を求めて中国不動産市場にも流れ込んでいるようです(他にも、原油や食料にも向かっています)。


 アイスランドは08年の破綻前、自国のバブルを抑制するために金利を引き上げました。結果、その高金利を目指して海外マネーが殺到し、国内の景気過熱に拍車をかけてしまいました。
 中国がバブル退治で金利を吊り上げたとき、果たして何が起きるのか。「外資マネー」という要素が増えた結果、中国の「前門のインフレ、後門のバブル崩壊」問題解決は、ますます難しくなってしまったわけです。

 
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