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◆◆◆講演会のお知らせ◆◆◆
チャンネル桜支援講演会 
桜ゼミナール1月「マスコミに騙されない、経済の読み方」
講師:三橋貴明
日時:平成23年1月23日(日) 開演14時~
会場:栃木県護国神社内 護国会館
参加費:1000円
詳細は以下のURLをご覧下さい。
http://www.chsakura.com/event/sakura_seminar.html#jan
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◇◇◇石平氏とのトークセッション申込受付開始!】 ◇◇◇
ワック社から「中国がなくても、日本経済はまったく心配ない!」(12月24日発売開始)が出版されるのを記念し、石平氏とトークセッション「中国経済、本当はどうなるのか?」を開催いたします。
日時:平成23年1月15日(土) 開演14時予定
場所:日本教育会館(一ツ橋) 第5会議室 
http://www.jec.or.jp/koutuu/index.html
お申込みは、以下から!
https://mitsuhashi-takaaki.jp/forms/party.php
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2010年を締めくくる二冊が発売になりました。

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 ブルームバーグに、記事の内容が決定的な割に、よく分からないフレーズが使われるという面白いものがありましたので、ご紹介。


『【クレジット市場】銀行の「預貸ギャップ」拡大、国債投資を促す
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=al.Byihudqtg
 日本の国債市場は今年も過去最高の発行額が見込まれている。一方で、最大の買い手である銀行は景気低迷による貸し出し減少に直面して預金の多くを国債投資に振り向けざるを得ないため、長期金利の上昇は抑制されるとみられている。
 国内銀行の預金残高から貸出残高を差し引いた、いわゆる「預貸ギャップ」は昨年11月に151兆円と、日本銀行のデータでさかのぼれる1991年以降の最高を記録した。これは2009年の名目国内総生産(名目GDP)の約3分の1に相当する金額だ。
 国際投信投資顧問の加藤章夫円債運用グループリーダーは、預貸ギャップは横ばい、もしくは緩やかな拡大方向との見方を示した上で、「銀行が引き受けた預金は基本的に国債に回さざるを得ない企業も個人も資金需要がなく、結果として政府がお金を借りている状況になっている」と指摘する。(中略)

 もっとも、昨年末の長期金利は1.11%まで戻している。三井住友海上火災保険投資部の高野徳義 グループ長は、「銀行は明らかに金余りの状態で、国債を売っても再び国債を買うしかない」と指摘。今年の長期金利は「1-3月中にも再び1%を割り込む場面があるだろう」と予想する。

(後略)』


 この「預貸ギャップ」とは何ぞかと言えば、要するにわたくしが「預金超過額」と呼び、河村前名古屋市長が「過剰貯蓄」と呼んでいたものになります。
 すなわち、日本経済の最大の問題であるデフレの「表現の一環」として、この預金超過額が発生しているわけです。


【国内銀行の貸出金、実質預金、預金超過額の推移(単位:十億円) 1990年-2010年9月 】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/20101128-1.JPG


 預金超過、預貸ギャップ、過剰貯蓄、色々な呼び方がありますが、絵で見ると↑こんな感じです。
 グラフのマイナスが実質預金、すなわち銀行にとっての負債、プラス側が貸出金、すなわち銀行にとっての資産、間の夕焼けみたいな部分が、
民間への貸し出しに回せなかった、預金額
 すなわち預金超過です。(本グラフは債券等が含まれていないため、若干の誤差はあるのですが)

 問題なのは、預金超過、預貸ギャップ・・、面倒くさいですね。以下、預金超過で統一します。問題なのは預金超過額が存在していることではありません。預金超過額が増え続けていることこそが、問題なのです。


 すなわち、民間の企業や家計に資金需要がなく、銀行に預けられたお金の「運用先」が確保できない状況が続いているということです。


 この預金超過額の八割は国債で運用されていますが、結果的に日本の長期金利は世界最低を推移しています。当たり前です。何しろ、日常的に流れ込んでくる預金の運用先に銀行が困っている状況なのですから、「国債が買われるしかない」わけです。


 マスコミなどが相変わらず自分の言っていることの意味を理解しないまま叫んでいる、
「国の借金! 国民一人当たり○○○百万円の借金!」
 などより、この預金超過額の拡大と超低金利の方が、日本にとってははるかに切実な問題です。といいますか、預金超過額が拡大し、金利が低迷する状況が続いているからこそ、政府の負債残高が増え続けているだけの話なのです。


 すなわち、デフレの深刻化です。


 バブル崩壊後のデフレ下では、民間が資金を借りるどころか、むしろ「返済」していきます。しかも、先行き不安もあり、銀行の元には民間からの預金が積み上がっていきます。


 民間(金融機関以外の)から見れば、
「預金が積み上がり、借金が減る。やったーっ!」
 という話ですが、銀行にしてみればたまったものではありません。何しろ、預金とは家計や企業にとっては資産ですが、銀行にとっては負債、よりはっきり書いてしまえば「強制借金」なのです。何しろ、銀行は民間がお金を預けようと(=貸し付けようと)した時、基本的に断ることができません。


 借金である預金残高が増えていく中、民間が金を借りるどころか「返済しようと」してくるのでは、それこそブルームバーグの記事にもある通り、
銀行が引き受けた預金は基本的に国債に回さざるを得ない。企業も個人も資金需要がなく、結果として政府がお金を借りている状況になっている」
 になってしまうに決まっています。といいますか、この状況で、政府までもが国債を発行しなければ、銀行は「いったい、どうやって運用すればいいんだ~っ!!!」な状況になってしまいます。結果、銀行の預金超過額はハイリスクな外国投資へと向かうでしょう(もしかして、これを狙っているのですか。財政破綻論者の皆様は)。


 この預金超過額拡大の問題を解決するには、民間がお金を借りたくなる状況をつくらなければなりません。要するに、デフレ脱却です。


 ところが、現実の日本政府は「国の借金が増えた~っ!」などといって、緊縮財政に勤しみ、日銀は日銀で、ちょっとCPIが上昇傾向になると、すぐに金融引き締めに走ってしまいます。これでは、日本は延々とデフレから脱却できず、銀行の預金超過額は増え続け、長期国債金利は低迷し続けるでしょう。


 ちなみに、政府が国債発行で調達したお金は、景気対策などの支出として民間に渡され、最終的には銀行の「預金」として戻ってきてしまいます。そのため、民間の資金需要が拡大しない限り、(経常収支黒字国の日本は)預金超過額が拡大する一方で、
「預金超過額が尽きたら、国債が消化できずに財政破綻する~っ!!!」
 などというロジックは成り立ちませんので、念のため。


 ブルームバーグの記事のような真っ当な説明を、国内マスコミが二、三度やれば、日本経済の問題の本質に誰でも気がつくと思うのですが・・・。日経新聞は、果たしてどうするでしょうか。


 いずれにしても、「国債」をめぐる議論については、そろそろ決着がつきそうな気配がしてきました。



確かに何か変わりつつある!と思われた方は、
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