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 まずは一昨日のエントリー「「リアルな選択のとき」が近づく」の続きです。


【北朝鮮砲撃】首相「報道で知った」鈍い初動、危機管理薄く
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/101123/kor1011232101032-n1.htm
 北朝鮮の韓国砲撃に対し、日本政府は23日午後3時20分、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置、菅直人首相も午後4時45分に公邸から官邸に移って情報収集に当たった。首相は「第一報」が報道によるものだったと認めており、官邸入りも砲撃開始の午後2時半から2時間以上後だった。隣国の危機は、菅政権の危機管理意識の希薄さを再び示した。
「北朝鮮が韓国の島に砲撃を加え、韓国軍も応戦したという報道があり、私にも3時半ごろに秘書官を通して連絡がありました」
 首相は午後5時10分、官邸で記者団に対し、第一報が報道だったことをためらいなく明らかにした。
 今月1日にロシアのメドベージェフ大統領が北方領土・国後島を訪問した際も、政府は「報道で知った」を連発。情報収集態勢の不備を批判されていた。
 しかも首相は、砲撃を知った後の午後4時から約40分間、砲撃と直接関係ない民主党の国会運営担当、斎藤勁国対委員長代理との面会を公邸で続けた。(後略)』


 ほ、ほ、報道で知った・・・・。完全に「官邸」が体をなしていないようでございます。官僚の人たちもやる気がないんだろうなあ・・・・。
 
 さて、本ブログをご訪問の方や、普段、国内マスコミと接している方々は、以下の疑問をお持ちなのではないでしょうか?


「なぜ、破綻論者はロジックをひっくり返されても、結論を変えないのか?」
「なぜ、日本の財務省はデフレ下の緊縮財政に走るのか?」
「なぜ、日本のマスコミは『日本経済は海外依存』『日本経済は中国依存』など、数値データを無視して繰り返すのか?」
「なぜ、日本のマスコミや政治家は『官僚たたき』や『公務員たたき』などの魔女狩りを好むのか?」


 もちろん、複数の理由があります。
 「日本は財政破綻する!」「日本は輸出依存!」が一部の人たちの「絶対的価値観」になっており、変更不可能なってしまっている。あるいは、財務省が「経理さん」で、かつ増税すると出世する「省庁文化」になっている。あるいは、記者クラブという「マスコミの談合組織」を通じ、マスコミが財務省などにコントロールされてしまっている、などなど。

 確かに、一部の官僚が不祥事を起こした結果、官僚組織が「格好の叩きネタ」になってしまったというのもあるでしょう。
 さらに言えば、マスコミの人たちが「危機感を煽ると、新聞などが売れる」という、妙な勘違いをしていること(最近の『週刊現代』の躍進を見ていると、とても真実とは思えませんが)。


 しかし、以下の映像の中において田母神会長が語っている理由も、確かにあると思います。


【11月7日 栃木県本部 設立式 会長 田母神 俊雄】
http://www.ganbarenippon.info/20101107_tabogami.html
※長いですが、是非、是非、ご視聴ください。


 すなわち、「自分たちの国益のために、日本のデフレを望む国家が、情報戦争を仕掛けている」です。


 日本でデフレが続くと、円高になり、製造業が○○などに移転します。自国の輸出の過半を外資系企業に頼っている○○にとっては、まことに都合がいいわけです。
 あるいは、日本でデフレが続くと、当然ながら低金利になり、キャリートレードなどで○○のファンドが大儲けをします。キャリートレード全盛時、円高が進行していくと、
「日本経済は円高で破綻する!」
 とマスコミで大合唱が始まり、総計30兆円を超える大々的な為替介入が行われました。結果、当然ながら為替レートは円安に向かい、○○のファンドは安心してキャリートレードを拡大することができたのでした。(円高になると、キャリートレードをしているファンドに為替差損が発生してしまいます)


 あえて「中国」とか「米国」とか書かなかったのは、↑この種の「自国の国益のために、他国の情報を管理する」というのは、国家にとって当たり前のことだからです。すなわち、情報戦争です。


 以下、情報戦争の例を。(  )内が本音です。

日本は円高になると、破綻する (円高になると、安い金利の日本円を使えないので、困る。為替差損は嫌だから)」
「日本は輸出依存国!だから、海外に頼らなければやっていけない 本当は輸出依存度が低い内需大国だけど、気がつかないでね。自分らは輸出依存という迷信を信じて、我が国に逆らわない空気を維持してね)」
「日本は財政破綻する! (本当は世界で一番安全で、財政出動やりまくれるけど、気がつかないでね。下手にまともな対策を打たれてデフレを脱却されると、自信をもたれちゃうから、我が国が困る)」
「日本経済は中国に依存している! (本当は依存しているのは我が国だけど、気がつかないでね。自分らに依存していると思えば、領土問題でも逆らいにくいでしょう)」
少子化で人口減少している日本は成長できない! (ロシアやドイツは日本以上に人口が減っているにも関わらず成長しているんだけど、これは内緒。日本人が自分たちは成長できないと思ってくれた方が都合がいい。移民も入れられるし)」


 さて、当初は動揺が抑えられるかに思えたアイルランド&ユーロですが、やっぱりダメでした。


アイルランド中心に周縁債が下落-危機深刻化で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aFWYbLri0F.I
 23日の欧州債市場で、アイルランド国債を中心にユーロ圏の重債務国の国債相場が下落した。救済協議が続けられているものの、これで域内の高まりつつある危機を抑制できないとの観測が広がったことが背景にある。 (後略)』


 アイルランド、ギリシャ、スペインなどの長期金利が上昇し、逆にドイツの2年債の利回りは1%を割り込んじゃいました。
 ユーロ自体も、対ドルで3ヶ月ぶりの大幅安。ドイツのメルケル首相は、アイルランドへの金融支援要請を受け、
「ユーロが異例に深刻な状況下にある」 
 との見解を示しました。


 ユーロの運命は、「自国の供給能力を高める」ことこそが国民経済の基本であることを忘れ、「製造して売る人」と「買う人」に、加盟国が二分化される歪んだシステムの成れの果てです。
 また、国民経済の基本を忘れて金融ビジネスに邁進し、国内を二分化させてしまったアメリカ(本ブログ「二つのアメリカ」シリーズ参照)は、バブル崩壊により保護主義化、そして「自国の供給能力を高める」国民経済の基本を取り戻そうとしています(相当な困難を伴うと思います)。
 そして、中国は、09年新規融資130兆円という信用創造頼みの成長を志向し(それだけじゃないですが)、当然の話しながら人類前代未聞の不動産バブルに見舞われ、
「ソフトランディングできるか。それともハードランディングしちゃうか」
 という事態に至っています。巨額新規融資のおかげで、当たり前のことながらインフレが進んでいますので、バブル放置という選択肢は選べません。ソフトにせよ、ハードにせよ、いずれにしても中国経済は調整局面を迎えざるを得ないのです。


 先日のチャンネル桜でも言いましたが、だからこそ日本にとってチャンスなのです。


 何しろ、日本が抱える問題は「自国の供給能力が需要に対して高すぎる」という、まことに贅沢な悩みなのです。当然のことながら、民間の需要を回転させるべく、政府が「車輪の一回転目を回す」財政出動が、世界で最も容易な国ということになります。何しろ、人類史上空前の長期デフレかつ長期金利が世界最低なのです。


 他の国が日本の真似をしようとすると、すぐに供給能力が追いつかなくなってインフレになりますが、我が国は違います。何しろ、世界で最も供給能力に余剰が生じている国なのです。


 こういうことを書くと、日本破綻原理主義者の人たちが数値データ無視した破綻論を展開してくるでしょうが、無視しましょう。どうせ、彼らにとって「日本は破綻する!」は絶対的価値なので、どれだけ理を説いても変わりません。あるいは、確信犯です。あるいは「情報戦争に敗北した愚者」です。


 わたくしたちがやるべきことは、何でしょうか。あえて答えは書きませんので(答えはもちろん一つではありませんし)、皆さんの意見を是非、コメント欄に書き込んでください。

本日のエントリーで何か「感じるもの」があった方は、

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