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 うおっ! 昨日のUU数(ユニークユーザ数)、4万5千人に近づきました! ご訪問ありがとうございます。


 まずは昨日のエントリー「「リアルな選択のとき」が近づく」の続きです。


『【世論調査】内閣支持率が急落21.8% 不支持は6割に迫る 指導力「評価しない」8割超 自民・民主は政権交代後、初逆転
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101122/stt1011221143016-n1.htm
 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11月20、21両日に実施した合同世論調査で、菅直人内閣の支持率は前回調査(10月30、31日実施)の36.4%から14.6ポイント急落し、6月の政権発足後最低の21.8%となった。不支持率は59.8%(13.3ポイント増)と6割に迫った。柳田稔法相らの相次ぐ失言や、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件への対応など菅政権の失政に世論は厳しい視線を送っている。(中略)
 政党支持率は、民主党が18.9%で政権交代後初めて、自民党(21.9%)を下回った。また、次期衆院選の比例代表でどの政党に投票するかを尋ねた設問でも、民主党は25.4%で、自民党(28.3%)を下回った。政党支持率、比例投票先の調査で、自民党がトップになったのは平成21年4月以来、1年7カ月ぶり。
 菅首相の指導力を84.6%が「評価しない」と回答した。「評価しない」は「領土問題への対応」(84.5%)、「外交・安全保障政策」(82.2%)、「景気対策」(79.1%)、「政治とカネの問題」(71.3%)-となった。(後略)』


 領土問題への対応、外交・安全保障政策景気対策、そし政治とカネの問題で菅直人政権は評価されず、結果的に支持率が21.8%。

 尖閣問題、その後の外交対応、漁船衝突事件のビデオ流出、そして小沢一郎氏の喚問問題と、ある意味で分かりやすい理由で、支持率が下がり続けているわけです。
 さすがにこのペースで下がり続けることはないと思いますが(恐らく)、菅政権はいよいよ出口のない状況に追い込まれつつあります。何しろ、民主党は参議院選挙の過半数を持っていませんので、「正しい道」は総選挙&政策協定(もしくは連立)になるのですが・・・・。
 何しろ、柳田氏の辞任を受け、仙谷官房長官が法相を兼務するという「斜め上」を貫く民主党ですので。。。。


 アイルランドが破綻(IMF及びEUに支援要請)しました。後半に「アイルランド危機」を盛り込んだ「今、世界経済で何が起こっているのか?http://www.amazon.co.jp/dp/488392775X/ )(彩図社)」まもなく発売です(一部の書店では先行販売しています。詳しくは昨日のエントリーを)


アイルランドが国際支援要請-膨らむ銀行救済コストに苦慮
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=ahg9s81KLgVk
 アイルランドは21日、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に支援を要請した。ユーロ圏の国が国際支援を求めるのは、債務危機に陥りユーロ不安を招いたギリシャに続き2国目。アイルランドでは銀行の救済コストが膨らみ、ギリシャと同様の危機が再現される恐れがあった。
 レニハン財務相は21日遅く、記者団に対し、EUとIMFからアイルランドに提供される資金の一部は、「予防的な」資本の基金を通じて金融機関に供給すると語った。救済パッケージの残りの資金は同国が債券による資金調達を回避するのに役立つ見込み。
 レニハン財務相はダブリンで、「銀行の問題はアイルランドにとって大き過ぎる問題だった」とした上で、「政府にとって常に最重要な問題は、銀行セクターを破たんさせないようにすることだ」と述べた。(後略) 』


 アイルランドの長期金利は、過去最高の9.1%に達しました。

 本ブログらしく、これまでに掲載したアイルランドのグラフで、流れを振り返ってみましょう。


【アイルランドの経常収支対GDP比率の推移】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_31.html#Ireland

【アイルランドの住宅価格指数推移】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_30.html#ESRI

【改訂版 欧州諸国 財政収支対GDP比率(2000年-2009年)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_31.html#Kaitei


 90年代、アイルランドは経常収支の黒字を稼ぎ続け、まさしく「ケルトの虎」の名に相応しい成長国でした。それがユーロ加盟後は経常収支赤字体質が染み付き、02年以降は「経常収支赤字下での住宅バブル」で成長していったわけです。(2007年まで)


 01年以前も住宅価格は上昇していますが、この時期のアイルランドは「経常収支の黒字」でした。
 本ブログで散々解説してきましたが、経常収支の黒字=対外純資産の増加、経常収支の赤字=対外純負債の増加です。さらに、経常収支の赤字国は、国内の貯蓄が「投資及び消費」に対して少なすぎる、すなわち過小貯蓄国になります(日本の逆ですね)。


 国内に充分な貯蓄があるわけでもないにも関わらず、不動産バブルだったわけですから、当然ながら原資は「海外マネー」でした。特に、ユーロ加盟国からは為替レートを気にすることなく、お金がアイルランドに流れ込み、バブル膨脹を醸成したわけですね。


 さて、注目して欲しいのは、「バブル絶頂期」のアイルランドは、財政黒字だったという事実です。(参照:【改訂版 欧州諸国 財政収支対GDP比率(2000年-2009年)】)


 日本やアメリカもバブル絶頂期に財政黒字になりましたが、アイルランドも(もアイスランドもスペインも)同じということです。バブル絶頂時は、政府は負債を増やす必要が全くなく(景気対策など不要です)、民間が「極端に」負債を増やした結果、景気が「極端」に活況を帯び、政府の税収が増えます。税収が増える中、支出が減るわけですから、当然ながら政府は財政黒字になるわけです。
 といいますか、アイルランドのように「バブルで財政黒字」もしくはデンマークのように「年収の半分が徴税され、消費税25%という高税率で財政黒字」以外に、政府の財政を黒字化する方法ってあるんですかね? 事例をご存じの方は、是非コメント下さいませ。


【アイルランドのインフレ率(GDPデフレータ及び消費者物価指数) 単位:%】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_31.html#CPI


 アイルランドのインフレ率(ソースは世界銀行)をグラフ化しました。(97年と98年のインフレ率は何なのでしょう?異常値ですが)
 現在のアイルランドは、すでにして「デフレ率5%」という凄まじい状況に突入しています。完全に「恐慌経済」です。
 それにも関わらず、アイルランドはドイツやらEUやらIMFにより「緊縮財政」を強制されるわけですから、デフレ不況を更に悪化させることになるでしょう。結果的に、財政赤字対GDP比率は益々悪化することになるわけです。
 また、ユーロに加盟している限り、アイルランドは「為替レート下落」という通貨ボーナスを受けることはかなわず、縮小する国民経済からユーロを搾り取り、外国の債権者に返済することになるわけです。結果、当たり前ですがアイルランドは「政局不安」状況に陥っています。


『NY外為(22日):ユーロ下落、アイルランドの政局不安で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aJESrfVLRcwc
 ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルと円に対して4営業日ぶりに下落。アイルランドの政局が不安になり始めたほか、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、アイルランドの信用格付けを1段階以上引き下げる可能性があると指摘したことが背景。
 ドルと円はほとんどの主要通貨に対して上昇。株式相場が下落するなか、欧州ソブリン債危機からの逃避需要が拡大した。ユーロはドルに対して1週間ぶりの高値から下落。前日に国際支援を要請したアイルランドのカウエン首相はこの日、同国の予算成立後に、内閣を解散すると明らかにした。 (後略)』


 ユーロの「呪縛」が襲いかかる国は、次は果たしてどこでしょうか。



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