続々々　アメリカ経済の日本化

三橋貴明事務所。お仕事のご依頼はこちらから　

人気ブログランキングに参加しています。

人気ブログランキングへ

--------------

【４万２２４６票－参院選に自民党から立候補－無謀な戦いの全記録】　発売開始です！
http://www.amazon.co.jp/dp/4594063020/

　昨日の「しがくセミナー」にお越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。大勢に方々の前で喋るのは慣れているのですが、さすがに５００名を越える若者の皆さんの前でお話するのは、緊張しました。
　予告致しました通り、昨日使用した資料をアップします。

【第７０回　しがくセミナー資料】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_31.html#Shigaku

　当ブログにお越し頂いている皆様におかれましても、ご自由にダウンロードしてご利用頂いて構いません。先日のエントリー「日本経済に関する最終的な考察　中編」に掲載した（やや見にくい）グラフの数々も、大き目のサイズで使っていますので、参考にして頂ければと思います。
　ちなみに、最終ページにある「道路関連比較表」は、時間の関係で使用できなかったものです。これが何かと気になられた方は、以下のエントリーをご覧下さい。

【日本経済に関する最終的な考察　後編】
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10691762670.html

　昨日は、ある政治系団体（皆様よくご存知の）の方からお仕事チックな打診を受けましたが、三橋はただ一つの例外を除き、基本的にお仕事などの依頼を断ることはありません（能力的、スケジュール的に無理な場合は別ですが）。ただ一つの例外が何かと言えば、もちろん「民主党」からの依頼です（すでに一度断りましたが）。
　このように書くと、「日本のためになるなら、民主党の仕事も受けるべきでは？」と書かれそうです。それはそうかも知れませんが、本当にもう、民主党だけは生理的にダメなのです。
　

　アメリカで大きなニュースが続きました。

『米中間選挙：共和党が下院で過半数奪回－上院でも議席増やす
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aBjg42f0J89I
　日投開票の米中間選挙は、共和党が下院で過半数を奪回し、上院でも民主党との議席数の差を詰めた。雇用と景気をめぐり有権者の間に懸念が広がり、オバマ大統領の民主党は劣勢に立たされていた。
　下院選では、共和党が内政課題をめぐるオバマ大統領への反発を追い風に激戦区を相次ぎ制した。（後略）』

　中間選挙で共和党が勝利しました。
　これはまあ、予想通りなのですが、個人的に驚いたのは「茶会党」系の共和党議員が、続々と当選を決めたことです。茶会党とは何かと言えば、オバマ政権の景気刺激策や医療保険制度改革に不満を持つ保守系市民の集まりで、「大きな政府に反対する、現代版ティー・パーティ（ボストン茶会事件のこと）」なのです。

　すなわち、バリッバリの「小さな政府」主義の方々というわけでございます。茶会党の方々は、オバマ政権の目玉とも言える医療保険制度改革や、政府の各種の規制や支援策の拡大、企業救済を含む景気刺激策に反対されている方々というわけです。

　まさしく、
「バブルが崩壊し、政府が財政出動を拡大せざるを得ない中、『小さな政府！』を叫ぶ野党が勢力を伸ばす」
　が、戦後最大規模の緊縮財政を始めたイギリスに続き、アメリカでも実現しちゃったわけですね。茶会党系は、今後は共和党内でも一定の発言力を得ると考えられており、オバマ政権は益々厳しい立場になりそうです。目玉のヘルスケア法案（医療保険制度改革）の予算も、確実に共和党から削られてしまうでしょう。

　また、当然ながら追加的な財政出動についても批判的な声が高まり、「財政出動より規制緩和！」と、どこかの国で聞いたような声が大きくなっていくのではないかなあ、と予想しています。恐慌経済（民間の負債が縮小していく環境）下で規制緩和をすると・・・・。

　さらに「管理的にアメリカの景気を悪化させている元凶」ということで、固定相場制なのか管理フロート制なのか、よく分からない変な管理的為替政策を採っている中国に対しては、人民元切り上げ圧力が高まっていくと思います。さすがに、次のタイミングで財務省が為替操作国認定するのではないでしょうか。

『ＮＹで８０円ピザに長蛇の列　マンハッタンにデフレの波
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110201000582.html
　米国で屈指の物価の高さで知られるニューヨーク・マンハッタンに、９９セント（約８０円）ピザを売りにしたピザ店がオープン、長蛇の列ができる人気だ。低価格商品を扱う大型量販店なども進出。デフレ懸念が高まる米国で大都会にも「デフレの波」が押し寄せてきた。
　マンハッタンのど真ん中に店を構える「９９セントフレッシュピザ」も１切れ９９セントのピザが売り物。トマトソースとチーズだけのシンプルな味だが、昼時には列ができる。並んでいた金融機関に勤める男性は「一時期より給与が激減したから、食事代が安くなるのは助かるよ」と話す。（後略）』

『ＦＯＭＣ：米国債6000億ドル追加購入、６月末まで継続
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ac99PkqrT_wo
　米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）は３日の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）終了後に声明を発表し、6000億ドルの国債を来年６月にかけて追加購入する方針を示した。ＦＲＢは失業減少とデフレ回避に向けた試みとして、景気刺激策を過去最高規模に拡大したが、当局自身の信頼を損ねるリスクもある。（後略）』

　バブル崩壊後に政府の財政が悪化し、「小さな政府」や「規制緩和」（もちろん「財政健全化」も）を求める声が大きくなる。
　街では、極端に安価な製品やサービスがもてはやされる。
　中央銀行は、効果が上がらない中で、四苦八苦しながら金融緩和を繰り返す。
　銀行の運用先が少なく、普通預金の金利が、極端に下がり、国債金利も下がる。

　最近のアメリカは、冗談抜きで日本に酷似するようになってきており、怖いくらいです。アメリカ経済が本格的に日本化してしまうと、まさしく０７年までとは「異なる世界」が出現することになります。

　そういう意味においても、現在は歴史の転換点だと思うわけです。

まさに日本みたいになってきた、と思われた方は、
↓このリンクをクリックを。

人気ブログランキングへ