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 さて、「日本経済に関する最終的な考察」最終回です。


 昨日の二番目のグラフとして、【政府の負債 対 GDP比率(単位:%)】を掲載しました。


 昨日も書いた通り、新聞やテレビは基本的に↑この図しか取り上げません。すなわち、負債残高の各国の増加ペースはどうなのか、名目GDPの各国の増加ペースはどうなのか、負債残高が対GDP比で悪いにも関わらず、なぜ国債金利が世界最低なのか、そもそも日本政府の負債の債権者は誰なのか、彼ら(国内の金融機関)はなぜ国債を買うのか、などなどについては、一切触れないわけです。


 何しろ、テレビや新聞で破綻論を叫んでいる人々は、「日本は財政破綻する!」が彼らの絶対的価値になっています。(太陽は東から昇る、と同じ感覚ということです) 結果、彼らは絶対的価値感に基づく破綻論を「主張し続けるため」に、ロジックをころころ変えてきます。

「Aゆえに、B」
 と主張していたとして、Aが完全に成り立たないとなれば、結論のBも変わるはずでしょう。ところが、彼らにとってBは絶対的価値であるため、
「いや、Aゆえに、Bではなく、Cゆえに、B」
 と言い出すわけです。実際、キリがありません。
 
 しかも、彼らは自分たちの絶対的価値を広めるために、手段を選びません。「日本は財政破綻する!」を実現するために、上記の【政府の負債 対 GDP比率(単位:%)】のみをクローズアップするというのも、手法の一つです。


 さらに、一つ例をご紹介いたしましょう。

 以前ご紹介した「正々堂々と「公共事業の雇用創出効果」を論ぜよ―人のためにこそコンクリートをhttp://www.amazon.co.jp/dp/4782410069 」の著者でいらっしゃる藤井聡氏が、わざわざご新著の「公共事業が日本を救う」http://www.amazon.co.jp/dp/4166607790  をご送付下さいました。この本自体は、実に「相対化」されており、大変面白いので、是非、お読み頂ければと存じます。


 さて、上記「公共事業が日本を救う」の中に、大変「典型的」な「絶対的価値を実現するための手法」が掲載されていましたので、ご紹介。


 日本の道路サービスの水準を諸外国と比較する際に、頻繁に「可住面積辺り道路延長」という指標が使われます。この指標を用いると、日本の道路延長距離は主要国の数倍に達し、日本の道路サービスの水準は「高い」ように思えるわけです。


 ところが、この「可住面積辺り道路延長」という指標は、例の「カロリーベース自給率」同様に国際的にはほとんど使われていません。なぜならば、可住面積とは各国で異なり、さらに道路サービスには「可住地同士を繋ぐ」役割もあるため、比較指標として全く役に立たないためです。


 具体的に書くと、日本は山がちで、欧米諸国よりも国土面積に対する可住面積が小さいのです。別の言い方をすると、欧米諸国は人が全然住んでいない「可住面積」が大きいということになります。
 可住面積に対する道路延長距離を比較すると、日本の「分母」は相対的に小さくなり、必然的に「可住面積辺り道路延長」は長くなります。


 端的な例を出すと、同じ国土面積の国があったとします。人口も同じです。経済レベルも同じです。
 片や、可住面積が国土の10%しかないA国。片や、可住面積が国土の100%であるB国。
 人口が同じなので、道路延長距離もほぼ同じだと仮定します。結果、道路延長距離や人口や面積が全て同じであるにも関わらず、A国の「可住面積辺り道路延長」はB国の十倍に達するのです。おかしいでしょう?


 しかし、この「おかしな指標」を用い、
「日本の道路は多すぎる! 公共事業反対!」
 とか何とかやっているのが、マスコミで活躍する公共事業反対派なのです。


 国際的には、道路延長距離を図る際は「保有台数1万台辺りの道路延長」を使用します。なぜならば、自動車1台が必要とする道路面積は、どの国でも同じであるためです。別に、アメリカ車は日本車の10倍の道路を必要とするとか、そんな話はないわけです。
 
 というわけで、「可住面積辺り道路延長」と「保有台数1万台辺りの高速道路延長」(←日本の道路で問題になるのは高速道路が多いので、こっちを使いました)を比較したものが、以下になります。


【道路延長距離に関する国際比較(単位:Km)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_31.html#Doro


 凄いでしょ。二つの指標から受ける「印象」が、まさに真逆になっています。ここまで露骨な「印象操作」をして、公共事業反対派は「日本の道路は多すぎる!」とかやっているわけです。


 というわけで、三回にかけてお送りした「日本経済に関する最終的な考察」は、これで一旦、終了です。
 まとめ的なものを書かせて頂ければ、そもそも日本経済の「真の問題」を国民が共有していないこと「だけ」が、日本経済が抱える問題といえます。そして、なぜ日本国民が「真の問題」を共有できないのかといえば、もちろん散々例を出した、絶対的価値観に基づき「情報を歪める人々」が存在しているためです。
 逆に言えば、日本の問題は結局「情報」だけであり、国内問題を解決し、長期的に成長していくリソースは充分すぎるほどに保有しています。そういう意味で、他国(欧米中)よりは「楽」な環境にあると思うのです。いや、本当に。


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