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【緊急追加】

 本日の産経新聞(朝刊)の23面(社会面)に、三橋が登場する「日本の財政は破たんする?」が掲載されました。



 近隣窮乏化戦争の最終回です。本日は、今回の危機において最もダメージが深刻で、最も「近隣窮乏化」に走りそうな国、ではなく地域、すなわちユーロ&EUが主人公です。


 あまりにも話題が多いので、本日は久しぶりにダイジェスト方式。


欧州の「失われた10年」はこれから-デフレ長期化がECBを襲う
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a8GOfnzD.JYQ
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁はユーロ圏経済が再びリセッション(景気後退)に陥ることはなさそうだと公言しているが、投資家のインフレ期待を示唆する債券相場の動きは、トレーダーがこの見解に同意していないことを示している。 (中略)
 ブルームバーグが実施したアナリスト調査によれば、アイルランドやポルトガル、ギリシャで緊縮財政策が導入される影響もあって、ユーロ圏最大の経済を有するドイツの来年のCPI上昇率が2%を上回ることはない見通しだ。 (中略)
 ドイツ銀行の債券ストラテジスト、モヒト・クマール氏(ロンドン在勤)は「ギリシャやアイルランド、ポルトガルなどの諸国が政府支出を強引に削減することで、成長が圧迫されるだろう。米国でデフレリスクを売り、欧州でデフレリスクを買うのがわれわれの戦略だ」と語った。 』


 デフレ・・・。
 現在のアイルランドの無茶ぶりを見ていると、少なくとも欧州の一部の国々が日本並どころか、1930年代アメリカ
クラスのデフレ型恐慌に陥るのは確実だと思います。すなわち、GDPの「数割規模」の縮小と、2X%台の失業率です(物価下落は当然のこととして)。


 今回のユーロ加盟国の悲劇は、中心に緊縮財政至上主義の「ドイツ!」が、で~んっ!と鎮座していることです。ECBはドイツ連銀の兄弟みたいなものなので、どうしても財政タカ派が主導権を握ってしまいます(トリシェ総裁もタカ派。彼はフランス人なんですが・・・)。


 サブプライム危機を予測して有名になったNY大学のルービニ教授は、ECBは更なる金融緩和を迫られるだろうと発言しています。


ルービニ教授:ECBは追加緩和迫られる、景気に二番底リスク
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aqaAE6N12nfE


 現在の1ユーロ=1.4ドルという水準は、ユーロ加盟国が「痛みを伴う」レベルであるとのことです。ごもっとも。


 各国のニュースに入っていきます。


アライド・アイリッシュ銀の信用格付け「BBB+」に引き下げ-S&P
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aJvwVg.NnBEQ


 ご存知の通り、アングロ・アイリッシュ銀行はすでに国有化され、分割が決まっていますが、アイルランド最大の支店ネットワークを持つ「アライド・アイリッシュ」銀行においても、じりじりと危機が拡大していっています。


 最も、アイルランドの場合は銀行云々以前に、「政府がもたない」可能性の方が高まってきています。


アイルランド政権、数カ月後に倒れる公算大-フィッチのプライス氏
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a8YykpUWcYDU


 アイルランドがデフォルトを免れるには、GDPに比して巨大すぎる緊縮財政を実施する必要があり、それは国民に耐え難い痛みを与えることになります。国家としてどうのこうのとは思いませんが、さすがに政権は持たないのではないでしょうか。


 アイルランド国家の格付けの方も、一社、また一社と格下げを実施してきています。


アイルランドを1段階格下げ、見通しネガティブ-フィッチ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=atyIuX_iyhxQ
 格付け会社フィッチ・レーティングスはアイルランドの信用格付けを「A+」と、従来の「AA-」から1段階引き下げた。見通しは「ネガティブ」とし、一段の格下げの公算があることを示した。
 フィッチのアイルランド格付けは大手格付け会社の中で最低となった。フィッチは「異例でかつ予想以上の」銀行システム救済コストを格下げの理由に挙げた。(後略) 』


 格付けやら金利を武器に、アイルランド政府に緊縮財政や銀行救済の圧力をかけた挙句、コストが多大すぎると格下げする。アイルランドの事例には、現代資本主義の「病」が複数詰め込まれていると考えます。


 続いてアイ「ス」ランド。


アイスランド:銀行に住宅ローン債権放棄を要請も-20億ドル相当
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aTfNQaA2Xcx8
 アイスランドの銀行は、約20億ドル(約1650億円)相当の住宅ローン債権を放棄するよう圧力を受けることになるかもしれない。政府に対する抗議活動が今週広がり、政府は住宅ローン保有者の保護団体の示した提案の検討を進める。(後略) 』


 アイスランド・・・・。国家として「史上最も傲慢な小国」(byヘンリー・キッシンジャー)と評価されるだけあって、国民の方も相当なものです。
 記事中に8000人がデモに参加したとありますが、これはアイスランドの人口の2.5%に当たります。日本で言えば、約300万人が、
「住宅ローンについて、銀行は債権放棄しろ!」
 と、叫んだようなものです。


 もはや、金融資本主義が機能しない状況に陥っていますね、アイスランドは。何しろ、資本主義の最も基盤となる要素は、「信用」ですから。


9月英住宅価格:3.6%下落、過去最大の下げ-ハリファクス
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a52jL.L2Ze1M
 英国の住宅価格は9月に大きく下落し、統計開始の1983年以降で最大の落ち込みとなった。英金融大手ロイズ・バンキング・グループの住宅金融部門ハリファクスは国内経済に対する「不透明感が再び高まった」ことが響いたとしている。
 ハリファクスが7日に電子メールで配布した資料によると、9月の平均住宅価格は前月比3.6%下落し16万2096ポンド(約2125万円)となった。(後略)』


 一瞬、目を疑いました。対前年比ではなく、対前月比で3.6%の減少です。
 現在、イギリス政府は戦後最大規模の緊縮財政を採ろうとしています。個人的には、97年の橋本政権後の日本と、最も似た状況に陥るのはイギリスだと考えているわけです。何しろ、イギリスは元覇権国家だけのことはあって、民間に金融資産が充分に貯まっています。(家計の金融資産の保有額順位は、アメリカ、日本、イギリスの順です) 結果、国債の7割近くが「国内消化」になっており、このあたりも非常に日本に似ているかな、と。


 最終的には、ユーロ加盟国、EU加盟国は、世界各国どころか、近隣で「窮乏化」を押し付けあう状況になり、その時点でユーロ・システム自体が維持できなくなるのではないでしょうか。何しろ、ユーロに加盟している限り、窮乏を近隣に押し付けること「さえ」できないわけでございます。


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