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グローバル・インバランス:90年代後半以降、経常収支黒字国はひたすら黒字を拡大し、赤字国はひたすら赤字を拡大。両者の乖離が年々広がっていった現象を指す


ドル下落、一時81円台-雇用統計で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=auVqK_s87iZY
 ニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で1995年以来初めて82円を割り込んだ。9月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想以上に大幅な減少となったことから、景気回復が失速しているとの懸念が強まった。
 ドルはユーロに対し、週間ベースでは2008年12月以来の最長となる4週連続の下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が国債購入を増やし、ドルの価値が下落するとの観測が広がった。円とスイス・フランはほとんどの主要通貨に対して上昇。ドル売り取引の対象通貨になりやすいとの見方から買いが入った。(後略) 』


通貨安競争に非難集中、「通貨戦争」懸念の鎮火に躍起-IMF総会開幕
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a34c1Nr6ffs0
 世界各国の財務相や中央銀行総裁らは、通貨安競争が世界経済に打撃となるリスクがあると警告。一方、投資家の間で懸念されている「通貨戦争」にエスカレートする心配はないとの見方を示した。
 国際通貨基金(IMF)の年次総会が開幕した8日、一連の国際会議に出席するためワシントンに集まった各国の政策当局者らは、世界的な成長がすでに減速している環境で通貨安誘導による輸出支援の動きが強まれば、保護主義の台頭につながると懸念を表明した。特に中国の人民元は再び批判の的となり、各国の当局者は人民元が過小評価されていると指摘、もっと急速な上昇ペース容認を求めた。 (後略)』


 今や、世界は露骨に近隣窮乏化政策の色が強くなってきました。為替介入を実施していない米国にしても、極端なまでの金融緩和で市場に流動性をジャブジャブに供給し、相対的に自国通貨の価値を落とそうとしているわけですから、やはり近隣窮乏化政策の一種でしょう。


 問題の欧州情勢は、明日「続々」として解説しますが、いずれにしても世界は大恐慌以来(恐らく)の「グローバルな需要不足」の時代を迎えたわけです。


 2008年まで続いたグローバル・インバランスは、米国の不動産バブル、ユーロという「他国に信用に依存して経常収支赤字を増やせるシステム」の存在、そして中国の人民元安政策により、広がるだけ広がってしまいました。結果、各システムが一つずつ壊れていき、世界は「グローバル・バランス」へと戻ろうとしているわけです。


 えらそうに「中国の人民元安政策」などと書きましたが、日本にしても03年、04年と為替介入を繰り返し、過度の円安によりキャリー資金を世界に撒き散らし、その裏で輸出企業が儲けに儲けていたわけですから、完全に「共犯者」です。とはいえ、当時は誰もが「共犯者」だったわけですから、別にどの国も責められるべきではないのでしょう。


 単純に、もはやグローバル・インバランスは拡大どころか維持すらできないわけですから、各国共に新しい世界的な経済モデルにおける自分たちの立ち位置、あるいは「貢献する方法」を考えましょう、とう話です。現実は各国共に自国エゴイズムをむき出しにし、近隣窮乏化戦争が事実上始まっていますが
 
 さて、グローバル・インバランスが縮小に向かう世界において、日本はどうするべきだ。あるいは、円高をどうするべきか。


 恐ろしいことに、日経新聞にまともなソリューションが載っていました。とはいえ、ご想像はついたと思いますが、一面とか経済面とかではなく、コラム「大機小機」です。(情報提供NO様)


『2010年10月8日 日本経済新聞 「大機小機  円高是正より内需拡大を 」
政府は9月15日、円高阻止のため単独の円売り介入を実施して市場を騒然とさせた。円相場が一時1ドル=82円台に突入し、輸出企業の収益を圧迫して景気が悪くなるのを防ごうという意図である。世界の主要国の通貨が下落しているなかで、日本が単独で円高阻止の介入に踏み切ったことは市場にサプライズを与え、いったんは円高はストップした。日本の単独介入をどう評価すべきだろうか。
 戦後には国際通貨基金(IMF)が固定制度をとり、各国の為替レートは安定していた。それが次第に困難になり1972年ごろから各国が次々に変動相場制に移った。しかし、各国が輸出を伸ばす目的で自国の通貨を勝手に引き下げ、世界貿易が混乱に陥る危険を防止するために協調体制をとるよう努力した。
 今回日本が慣例を無視して単独介入を実施したことに対しては主要国からの批判を免れないであろう。米国はかねて中国が為替介入を実施し、人民元安に誘導して輸出を伸ばすことを批判してきた。
 このような国際的な批判に加えて現在の円相場が適正水準を上回って、円高になっているかも議論の余地がある。円相場は1ドル=80円を超えたこともある。その後も世界のインフレを加味すれば、現在の円相場は決して高すぎるとはいえないと思う。
 1ドル=120円台の水準こそ割安であって、こうした為替レートを使って日本は輸出依存を続けてきたのではないか。その後円相場は上昇傾向に転じ、2008年以降、90円台、80円台へと水準を切り上げたが、それでも輸出比率は上昇した。
 戦後には日本の輸出比率は国内総生産(GDP)の10%程度であった。それが近年上昇して、最高17.5%に達した。(三橋注:07年)輸出依存度の上昇は経済のグローバル化によるところもあるが、円が安すぎたことも一因ではないだろうか。
 為替レートの適正水準がいくらであるか人為的に決めることは難しい。国内には1ドル=90~95円程度が採算ラインであるという説もあるが、これは輸出中心企業の感覚である。輸入企業は円高で利益を得ているはずだ。
 日本の輸出依存度が高まったのは、内需を抑制したことも一因であると考える。社会資本の充実や社会保障の強化など、国内需要を拡大しなければならない。菅内閣は円高是正より内需拡大に力を入れるべきである。』


 あまりにも感動したので、コメントしたくないです!
 この論調をメインの紙面でやってくれたら、日経の手下になってもいいんだけどなあ・・・・。


 先日の中野剛志様のご投稿「内需拡大が円高を止める 」で見事に解説されていた通り、円高を止めたいなら内需を拡大すればいいのです。内需を拡大し、輸入を増やせば、円高は勝手に反転します。
「円高だ! 国内景気が悪化する! 輸出を拡大するしかない!」
 なんてことやっていたら、ますます円高は進みます。日本の貿易黒字が拡大するわけですから、当たり前です。
 さらに言えば、先日J-Waveでも言ったとおり、
「円高だ! 国内景気が悪化した! 観光産業も大打撃だ。こうなったら中国様から中国人民観光客を大勢呼び込んで、観光産業を救おう!」
 などと言っている人がいるわけですから呆れてしまいます。外国からの観光客が増えたら、余計、円高になるだけです。


 結局のところ、問題は正しい数値ベースで日本の現状を認識し、正しい問題はあくの上でソリューション(解決策)を生み出そうとしない政治家、評論家、そしてマスコミにあるわけです。今回の大機小機のように、落ち着いて数字を調べていけば、正しいソリューションは自ずと明らかになるのですが。


 明日は、ヨーロッパ。

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