三橋貴明事務所。 お仕事のご依頼はこちらから 

Twitter始めました。

人気ブログランキングに参加しています。
新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキングへ

--------------


 明日、火曜日、10月5日 20:55から、J-WaveのJAM THE WORLDhttp://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/ )に出演します。当ブログ初期からのユーザーさまはご存知でしょうが、わたくしは以前、08年のウォン暴落時に韓国経済をテーマに本番組に出演したことがあります。今回は、予想はつくと思いますが、中国問題です。
 要するに、先日のようなお話をするわけでございます。お楽しみに。
 

 TAC出版から出版予定の「国際経済ニュースの裏を読め!」書き終わりました~っ。前作(選挙本。タイトル秘密)同様、締切間際に地獄を垣間見てしまいました。

 本当は9月末締切だったのですが、わたくしが初期段階でボリュームを読み間違え、原稿用紙で450枚くらいに分量が膨れ上がってしまったのです(当初の予定は400枚)。というわけで、締切を三日だけ延ばしてもらい、何とか書き上げました。
 休む暇もなく、今月末締切の中国経済本に取り掛かります。こちらはインプットがかなり進んでいるので、8月、9月の二冊よりは楽に書けると信じているのですが。



 最近、政治家さんや政治関係者さんとお会いし、お話しする機会が増えているのですが、そんな中でつくづく感じるのは「政治家を目指すリスク」です。
 何しろ、選挙に負けると(恐らく、勝っても)普通に全財産を失います。さらに、仕事も失ってしまい(政治活動の時間は、意外と長い)、選挙敗北、全財産喪失、加えて失業者という惨状に至ることが少なくないのです。

 わたくしも正直、似たような状況に陥りましたが、元々サラリーマンではなく、選挙後に仕事が大量に舞い込むようになったので、まだ何とかやっていけています。サラリーマン出身で、仕事を失ってしまった人は本当にきついと思います。
 何が言いたいのかといえば、要するに「政治家を目指すリスク」がリターンの割に重過ぎるのではないか、という話です。もちろん、政党が多少はリスクをもってくれるわけですが、最終的には自己責任です。

 挑戦者は、結局、一個人として財産喪失や失業というリスクを覚悟の上で、政治家を目指さなければならないのです。(「財産喪失、失業」と書くのは簡単ですが、実際に経験するとどれだけ凄まじいストレスか分かります。)


 さらに、選挙に勝つためには「ノウハウ」が必要です。先日、マガジンXの仕事で、W様と対談した際に、わたくしが、
「政治家さんというのは、会ってみれば分かりますが、本当に普通の人たちです。別に、能力的に何かが優れているというわけではなく、普通の日本人、わたくしたちと同じような日本人が政治家をやっているというのが、会ってみて分かりました」
 と申し上げたところ、W様から、
「そう、政治家は別に優れているわけではありません。ただ一つ、選挙に勝つノウハウに優れているだけです」
 と、巧いこと返されましたが、まさしくその通りです。


 ノウハウがない「普通の日本人」が、財産喪失、将来的な失業というリスクを冒して政治家を目指すのは、かなり重い話だと思います。だからこそ、ノウハウがあり、そこそこリスクがヘッジできる二世、三世議員が増えてしまうのでしょう。とはいえ、「政治家の子孫は政治家を目指すな」などとやるのはとんでもない話(そもそも憲法第22条違反です)です。


 リスクとチャンスを、どのようにバランスさせるべきか。
 実際に政治家を目指したチャレンジを行い、選挙本(10月末発売予定)を書き、色々と考えさせられました。


『「人民元の切り上げを!」 米下院、対中制裁法案を可決
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100930/amr1009300804001-n1.htm
 米下院は29日の本会議で、対中制裁法案を賛成多数で可決した。人民元の切り上げを迫ることを目的とした法案は、11月の中間選挙を前に「雇用法案」と位置づけられ、超党派の強い支持を受けた格好だ。中国の反発は必至で、米中間の緊張が高まる恐れがある。
 賛成は348、反対は79と圧倒的多数で可決された。中国を念頭に、為替介入で自国通貨の相場を割安な水準に抑える政策を、輸出品への補助金提供とみなして、商務省に相殺関税を課す権限を与えるものだ。(後略)』


 先日からの話題のアメリカ下院による対中制裁法案ですが、9月29日に通っています。今後、上院、大統領署名まで行くかどうかは不透明ですが、とにもかくにも中国にとっては、間違いなく人民元切り上げ圧力になっているわけです。
 中国の温家宝首相は、
「米議会の一部は十分に中国を理解しないまま、政治問題化している」
 と批判していますが、まあ、ここまでは中国も覚悟していたでしょう。今後、上院、大統領署名へと法案が向かうと、
「WTO違反だ!」
 と、大騒ぎを繰り広げ、法案を叩き潰すべく動いてくると思います(その裏で、少しずつ人民元を切り上げるでしょう)。
 
『サマーズ米NEC委員長:世界経済は米消費者に依存すべきではない
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a5l4VveY9S80
 米国家経済会議(NEC)のサマーズ委員長は、米国の貿易相手国は世界経済のけん引役をこれ以上米消費者に任せるべきではないとの考えを示した。
 サマーズ委員長は1日、ウクライナで開かれた経済開発会合にワシントンからビデオ回線を通じて出席し、「世界経済は再調整を必要としている。米国の消費者は世界経済成長の唯一のエンジンにはなれない」と述べた。
 同氏はまた、為替相場について「政府が競争力強化のために相場を操作しようとすると、よい結果につながることはほとんどない」と指摘した。(後略) 』


 結局のところ、中国がどれほどわめこうとも、アメリカの本音は上記サマーズ委員長の発言に集約されているのではないかと思います。


「世界経済は再調整を必要としている。米国の消費者は世界経済成長の唯一のエンジンにはなれない


 まさしく2007年まで、アメリカの家計は不動産価格高騰の援護を受け「世界最大にして随一の需要」として、世界経済を牽引してきました。しかし、個人消費拡大の裏づけであった不動産業が鳴かず飛ばずの状態に陥った以上、アメリカが今後もこれまで通りのペースで貿易赤字を拡大していくことは、ほぼ不可能です。
 2008年まで継続した、グローバル・インバランス拡大の時代は、終焉を迎えたのです。まさしくサマーズ氏の言う通り、「世界経済は再調整を必要としている」わけです。すなわち、アメリカの不動産バブル期の成長モデルは、もはや通用しないということを、日本の政治家は明確に意識しなければならないと思うわけです。


 

本日のエントリーで色々と考えさせられた方は、

このリンクをクリックを。
新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキングへ


※人気ブログランキング「政治部門」首位独走中です!応援ありがとうございます!

※ちょっと宣伝


※本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog
『新世紀のビッグブラザーへ blog』
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇ポルパパのブログ
投資と車と日々の起業家日記
管理人:ポルパパさん

10/06/21 「経済ニュースが10倍よくわかる「新」日本経済入門
(アスコム)発売開始!
10/06/18 
いつまでも経済がわからない日本人 「借金大国」というウソに騙されるな」
(徳間書店)発売開始
10/06/10 
「日本の未来、ほんとうは明るい!」
(WACC)発売開始!
10/06/08 
「日本のグランドデザイン」 (講談社)発売開始!


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
「三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート」 
本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!

 
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
 新世紀のビッグブラザーへblog一覧はこちらです。