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 来週の火曜日、10月5日 20:55から、J-WaveのJAM THE WORLDhttp://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/ )に出演します。当ブログ初期からのユーザーさまはご存知でしょうが、わたくしは以前、08年のウォン暴落時に韓国経済をテーマに本番組に出演したことがあります。今回は、予想はつくと思いますが、中国問題です。
 要するに、昨日のようなお話をするわけでございます。お楽しみに。
 
 折角ですから、本日も中国経済ものをやろうと思ったのですが、アイルランド関連が大きく動いたため、そちらを優先します。中国経済は明日やります。


 ちなみに、10月末締切の単行本は、中国経済ものなので、かなりインプットが進んでいます。相変わらず、調べれば調べるほど面白くなります、中国経済は。日本人なら絶対に「えええっっっ!!!」と叫ぶ現象が、次々に出てきているのです。明日は、そのさわりだけ。


アイルランド:銀行システム救済の総額は最大5.7兆円規模
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a9ttnezJ4v1Y
 アイルランド政府は同国の銀行、アライド・アイリッシュ銀行の過半数株を取得し経営権を握るとともに、昨年国有化したアングロ・アイリッシュ銀行には追加資本を注入する。金融システム修復に向けた一連の措置のコストは最大の場合500億ユーロ(約5兆6600億円)に上る。
 アイルランド当局が30日公表した。レニハン財務相はこの日ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「アイルランドの銀行システムはこれで盤石だ」と述べ、同国が支援を必要とするとの観測を否定した。(後略) 』


 そりゃあ、支援を否定しなければパニックになるでしょうから、否定せざるを得ないのでしょうが、それにしても凄まじい額です。どのくらい凄まじいかというと、先日、スタンダード&プアーズが、
「アングロ・アイリッシュ銀行を救済するコストは、当社が当初見積もっていた350億ユーロ(約4兆円)を超える可能性がある・・・
 と、懸念の見方を示していた額を、はるかに上回っちゃったわけです。


 元々、アングロ・アイリッシュ救済コストは、「事情に詳しい複数の関係者」が、
「必要コストは290億ユーロを超えることはない」
 と、述べていたわけですが、S&Pは「いや、350億ユーロを超えるかも・・・」と懸念を示し、現実は500億ユーロだったわけです。(基本シナリオでも450億ユーロ)


 アングロ・アイリッシュ銀行などの金融システム支援コストが跳ね上がった結果、2010年のアイルランドの財政赤字対GDP比率は、
「一時的に急上昇し、
対GDP比で32%前後になる見込み。(レハニン財務相)」
 とのことでございます。
 財政赤字がGDPの32%・・・・2009年にユーロ圏最悪だったアイルランドの財政赤字対GDP比率は14.1%でしが、その二倍以上に達するわけです。本当に、国家として持続できるんでしょうか。。。それ以前に、あまりにも大きすぎ、現実性が。。。。


 欧州委員会の経済・通貨担当のレーン委員は、アングロ・アイリッシュ銀行の救済コストについて、
「極めて大きい」
 と、述べています。(そりゃそうです)
 
 不動産バブルが崩壊したアイルランドでは、現在、造りかけの建物が放置される「ゴーストタウン」が増えているそうです。



アングロ銀の救済費用膨らむアイルランド-つけはゴーストタウン化進
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aI_hkFzJoqsI
 アイルランドがアングロ・アイリッシュ銀行の救済費用を算定する中で、600カ所もの宅地がゴーストタウン化し、住宅は未完成のまま廃墟となっているユーロの創設メンバーだった同国が、欧州最大の銀行危機に襲われていることを端的に示すものだ。 (後略)』



 記事の写真を見た第一印象、
「うわっ! バブル崩壊後の日本の『リゾートマンション』みたい」
 でした。

 記事中にアイルランドのGDPが、バブル崩壊後に15%縮小したと書いてありますが、まさに1930年代のアメリカの再現になっているようです。
 1930年代のアメリカは、恐慌下にも関わらず「景気は循環する」を信じてしまったフーヴァー大統領の「レッセフェール(自由放任主義)」のために、
GDPが四割以上も縮小しました現在のアイルランドは、「ユーロに加盟している」ために不動産バブル崩壊後の適切な財政出動が行えず、GDPが急収縮しているわけです。
 そう考えると、リチャード・クー氏ではないですが、バブルが崩壊したにも関わらず、マクロ経済が崩壊しなかった日本は凄いです。現在の中国やアメリカが、90年代の日本を参考にしていますが、当然過ぎるほど当然ですね。



 昨日、某大手紙の取材で「日本は財政破綻するか?」についてお話しました。当たり前ですが、わたくしの最初の一言は、
「財政破綻の定義って、何でしょう?」
 でございますが。


 こちらの方も、掲載日が決定したら告知いたします。お楽しみに!


 

アイルランド財政赤字対GDP比32%に度肝を抜かれた方はこのリンクをクリックを。
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