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さて、わたくしがしつこいほど日本の「輸出依存度」や「輸入依存度」のグラフ↓を出して、
【2009年 主要国の輸出依存度・輸入依存度
】
「日本は別に輸出依存国でも輸入依存国でもないでしょう・・・」
と主張するのは、まずは事実が↑この通りだからです。
しかし、もう一つ重要な理由があります。それは、
「お前たちは我が国に経済的に依存しているんだ。我が国との貿易が成り立たなければ、お前たちは飢えるしかないんだ。だから、我が国に逆らってはいけないんだ」
と「思い込ませること」が、ソ連、中共などの共産独裁国や、ナチスなどのファシズム国家の常套手段だからです。(要するに全体主義国家の得意技なのです)
有名なスイスの「民間防衛(http://www.amazon.co.jp/dp/4562036672/
)」に、以下の一節があります。
『経済的戦争
ある大国元首の「政治的告白」の、もう一つの抜粋!
われわれの経済的・社会的制度は、いつかは、われわれが世界を征服し得るほど優越している。世界征服が、われわれの目的なのだ。だから、われわれの計画の実現に反対するものは、すべて排除する。
世界を征服するということは、われわれが敵に宣戦を布告し、わが軍をもって敵を粉砕するしかないというわけではない。われわれには、同じくらい効果的で、もっと安くつく方法がある。(中略)
革命が困難と思われる国においては、われわれが差し出す有利な条件を受け入れようとする、その国の労働者階級の絶望と空腹の状態を、充分に活用しよう。
最も経済効率の高い戦法、つまり、最も安上がりのやり方は、常に、あらゆる方法で、その国の経済的沈滞-不景気に陥れることである。腹のへった者は、パンを約束する者の言うことを聞くのだから。(スイス民間防衛P244)』
わたくしはいわゆる「陰謀論」系の話は一切書きませんし、信じもしませんが、現実の日本で、
「日本経済は中国様~への輸出に依存しているんだ。だから、中国様~に逆らってはいけないんだ」
系の主張が出るたびに、上記の民間防衛の節を思い起こします。
現実の日本経済が、どのくらい中国様~に依存しているか、↓こんなもんです。
携帯でグラフ(笑えるのですが)見れない人のために、比率だけご紹介。
◆中国さま向け輸出対GDP比率:2.16%
◆香港向け輸出対GDP比率:0.63%%
◆中国さまから輸入対GDP比率:2.42%
◆香港から輸入対GDP比率:0.02%
お分かりだと思いますが、GDPにカウントされるのは輸出でも輸入でもなく「純輸出」です。香港分含めて中国さま~関連の純輸出を計算すると、178億5千万ドルになります。対GDP比で0.35%ですな。
以上を踏まえて、以下の記事をどうぞ。
『経団連会長、船長釈放を評価
http://www.youtube.com/watch?v=Y9PUs1d0wbk
尖閣諸島沖の漁船衝突事件で、中国人船長が処分保留のまま釈放されたことについて、日本経団連の米倉会長は事態を沈静化させようという努力の結果だと、政府の対応に一定の評価をしました。
「(釈放した時期について早いとか)中国側のおどしというか、いろんな圧力に屈した、だからおかしいんじゃないかという国内的な批判がありますが、それはそれで、政府としての沈静化させようとする努力の結果だと思います」(日本経団連 米倉会長)
米倉会長はこのように述べて、日中関係という国益を優先することが最も重要だという考えを示しました。その上で、野党などから強い批判が出ていることについては「政争の具に使わないでほしい」と求めました。
一方、ハイテク機器の製造に不可欠なレアアースが事実上、輸出停止となるなど、日中の経済問題への影響については「政治的な問題で経済関係も悪くなるということは、これまでなかった」と述べ、経済界として今までどおりの活動を続けるだけだという姿勢を示しました。(MBS 27日18:31)』
「日中関係という国益を優先することが最も重要だ」
という肝心の部分がカットされているので、本当に米倉会長が言ったかどうか不明ですが、いずれにせよ「国益」とは基本的にエゴイスティックなものです。日中関係という「国益」は存在しません。あるのはただ、「日本の国益」と「中国の国益」だけです。
再びスイス民間防衛から。
『敵はわれわれを眠らそうとする
ある国家元首の演説から:・・・・・われわれが持っている望みは、たった一つ。すべての人と平和に暮らし、人類の幸せのために協力することである。それは、わが国民すべてが胸に抱いているものである。(中略)
われわれは、ある国々が、すべての軍事的競争をやめる必要があることを、いまだに理解しないのを残念に思っている。これらの国々が、われわれの例にならって、世界平和の確保のために彼らが努力することを、切に望むものである。
われわれは眠ってはいない
われわれは、この外国元首の演説を聞いた。彼は、われわれに対する善意を保障する旨を述べている。しかし、われわれは、また、彼の著書、すなわち「政治的告白」をも読んでいる。
われわれは、そのときから、彼のこのような宣言をどのように評価しなくてはならないかを知っている。(スイス民間防衛 P238)』
「日中関係という国益」などという、現実には存在しない概念をテレビで連呼し、わたくしたちを眠らそうとする人たち。
わたくしたちは眠り続けるのか?
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