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日経ビジネスオンライン連載最終回 掲載中!
【“財政大黒字国”こそ破綻した現実 【最終回】もう一度言う「成長こそがすべての解」】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100917/216290/?P=1
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 9月16日のエントリー「レビン委員長の困惑」(http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10649900025.html )の続きです。


 アメリカの下院で中国の為替操作に関する公聴会が開かれていましたが、本日、対中制裁法案に関する協議が行われます。


米下院歳入委、対中制裁法案を24日に協議-来週中に本会議採決も
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=am_0CcFs43mU
 米下院歳入委員会は24日、中国に人民元のさらなる上昇を促すことを狙う対中制裁法案を協議する。  同委は22日、電子メールで配布した発表資料で、議員らが指摘する人民元安の影響を相殺するため、中国からの輸入品への関税を企業が要請できるようにする法案について協議すると発表した。ティム・ライアン下院議員(民主、オハイオ州)らは、人民元相場が中国の企業への不公正な補助金の役割を果たしていると主張している。
 下院歳入委のレビン委員長(民主、ミシガン州)は発表資料で、「中国の重商主義的な為替政策が米国の経済成長と雇用創出の重しとなっている」と指摘。「これは国際市場における大きなゆがみだ」と述べた。
 歳入委で可決された場合、来週中に下院本会議での採決が可能となる。 』


 歳入委員会のレビン委員長は、15日に日本が為替介入をしたことで、
「中国による人民元の為替操作を正当化しかねない行為である。中国は略奪的な為替政策を持つ唯一の国ではなくなった」
 と、プンスカ怒っていましたが、一応、大勢には影響なく対中制裁法案の協議に入れるようです。


 同じくレビン委員長は、今回の対中制裁法案が「超党派」で幅広い支持を得ていることから、「下院本会議が採決する可能性がかなりある」と発言しています。
 ちなみに、公聴会に呼び出された財務省のガイトナー財務長官は、中国市場で米国企業がビジネス機会を失う恐れがあるという懸念から、「支持しない」ことを表明しています。まあ、これは予想通り。


 同じ時期に、アメリカでは減税や融資促進措置を盛り込んだ中小企業支援法案が下院を通りましたが、同国が「雇用」をいかに重く見ているかが理解できます。
 2002年以降の不動産バブル、及び金融ビジネスの活況により、アメリカ経済は成長を続けていました。バブルが崩壊し、失業率が一気に倍増するような事態になったとき、雇用を生み出す源が見当たらない、というのが現在のアメリカの状況なわけです。もちろん、公共投資や公務員増加で雇用の下支えはしていますが、やはり雇用創出能力が高い「製造業」が復活してくれないことには、失業率の劇的な低下は望めません。


 対中制裁法案も、すでに下院を通った中小企業支援法案も、全ては「アメリカの雇用」に結びつく法案というわけです。アメリカとは、ある意味で本当に分かりやすい国です。


 アメリカの雇用回復のためには、もちろん「外需拡大」も重要な要素です。今年1月の一般教書演説でオバマ大統領が、
「五年間で、アメリカの輸出を倍増させる」
 といったときは、冗談かと思いましたが、その後のドル安傾向や、ドル安に関する要人の発言を見ていると、本気のようにも思えてきました。しかし、すでにして世界三大輸出大国の一つであるアメリカが輸出を倍増した日には、保護主義や通貨戦争が発生しそうな気がします。


【2009年 主要国の輸出額・輸入額(単位:億ドル)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_30.html#yushutsu09

 それ以前に、これほど莫大な輸出を一体どこの国が引き受けられるというのでしょうか。1兆ドル規模ですよ、1兆ドル。


 さて、上記のグラフは「輸出額・輸入額」の比較ですが、輸出依存度や輸入依存度はこちらです。


【2009年 主要国の輸出依存度・輸入依存度】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_30.html#Izondo


 この輸出依存度や輸入依存度について、マスコミがまともな記事を書いていたので、ご紹介します。ただし、まことに残念なことに日本のマスコミではなく、韓国のマスコミです。ちなみに、あまり韓国についてよく書かないわたくしですが、ことマスコミについては韓国の方が日本より上だと思っています(あ、あと行政のトップの人も)

 時折、計算間違いをするのが何ですが、その分を割り引いても韓国の方が上だと思うのです。


韓国の輸出入依存度、昨年はG20で最も高く
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2010/09/13/0200000000AJP20100913000700882.HTML
 韓国経済の輸出入依存度が主要20カ国・地域(G20)で最も高いことが13日、分かった。輸出依存度は米国の6倍、輸入依存度はブラジルの4.5倍に達する。
 国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)など主要国際機関が共同で作成したG20主要経済指標(PIG)によると、韓国の昨年の国内総生産(GDP)に占める輸出の割合は43.4%で、まだ統計が作成されていないサウジアラビアを除くG20メンバー国のうち最も高かった。(中略)
 韓国に次いで輸出の割合が高い国はドイツ(33.6%)で、メキシコ(26.2%)、中国(24.5%)、ロシア(24.4%)が後に続く。韓国は2位のドイツよりも9.8ポイント高く、G20の中で対外依存度が圧倒的に高いことが分かる。一方、昨年のGDPに占める輸出の割合が最も低かった国は米国(7.5%)で、次いでブラジル(9.7%)、日本(11.4%)の順だった。(中略)
 韓国のGDPに占める輸出の割合は、2005年が33.7%、2006年が34.2%、2007年が35.4%。2008年が45.3%と、上昇を続けている。
 資源が不足している韓国の特性上、GDPに占める輸入の割合も、G20のうち最も高かった。昨年のGDPに占める輸入の割合は韓国が38.8%で、メキシコ(28.1%)、ドイツ(28.0%)、南アフリカ共和国(25.4%)、カナダ(24.6%)、サウジアラビア(24.3%)よりはるかに高い。輸入依存度が低いのは、ブラジル(8.5%)、日本(10.8%)、米国(11.4%)など。
 韓国の輸入依存度は、2005年は30.0%、2006年は32.5%、2007年は34.0%、2008年は46.7%と、年々高まっている。(後略)』


 わたくしはG20で最も輸入依存度が低いのは日本だと思っていたのですが、ブラジルだったんですね。
 それにしても、↑この手の「事実」を日経新聞が書かなければならなくなったとき、果たしてどのように書くのでしょうか?
「輸出額は低いが、輸出企業が下請けから買っている部品を含めると輸出依存度は高い!」<<GDPが各企業の「付加価値」の合計であることすら、全く理解していない反論
「輸出依存度は低いが、輸出企業の設備投資の影響は大きい」<<そんなもの、他の国だって同じだろw


 などなど、2ちゃんなどで散々バカにされた反論付きで書いてくるのでしょうか。さすがに、そこまで質が低いとは思いませんが。



それ以前に「スルーする」が正解だろ、などと皮肉なことを思った方は
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