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日経ビジネスオンライン連載最終回 掲載中!
【“財政大黒字国”こそ破綻した現実 【最終回】もう一度言う「成長こそがすべての解」】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100917/216290/?P=1
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 東京都で、中国人が公務執行妨害を犯したので、逮捕されました。


 今回の尖閣諸島における漁船衝突事件は、↑これと全く同じ構造なわけで、日本側としては「法と証拠に基づいて厳正に処分」すれば良い話です。
 それに対し、中国がちょっと驚くほどヒートアップしています。法治国家と人治国家の違いが出ちゃったんでしょうか?


温首相が船長の即時釈放を要求 新華社報道
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100922/chn1009221036002-n1.htm
 中国国営新華社通信が22日伝えたところによると、国連総会に出席するため米ニューヨークを訪れている中国の温家宝首相は21日、在米中国人や華僑代表と会見した際、尖閣諸島付近で起きた漁船衝突事件に言及し「不法拘束中の中国人船長を即時・無条件で釈放することを日本側に求める」と発言した。
 同通信によると、温首相は「釈放しなければ、中国はさらなる対抗措置を取る用意がある。その結果についてすべての責任は日本側が負わなければならない」と述べたうえで、「近年の中日関係の発展は、双方の長年の努力によるものである。日本側が早急に過ちを正し、中日関係を正しい道筋に戻すことは、両国人民の根本利益に合致するだけでなく、平和、協力という世界の潮流とも一致する」と指摘した。(後略)』


 しつこいですが、尖閣諸島での公務執行妨害は、東京都(でも大阪市でも、札幌市でも)における中国人の不法行為と全く同じ扱いになります。当然ながら、日本が船長を釈放する超法規的行為などできるはずがないわけですが、今回の中国の対応はちょっと変ですね。温家宝首相までもがこんな発言してしまったら、全く落としどころが見えなくなってしまいます。
 正直、中国共産党がこれほど愚かだとは思ってもいませんでした。どう始末をつけるつもりなんでしょうね、中国は。


 本日のメインは、経済評論家の中野剛志様からのご投稿。タイトルはずばり「内需拡大が円高を止める」です。


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『内需拡大が円高を止める』



 海外需要を取り込むべきだ」というグローバル成長戦略論が盛んだ。しかし、これは円高を促し、国際競争力を失う自爆行為ですらある。円を安くするには輸入を増やせばよく、そのために必要なのは内需拡大だ。内需拡大は国際競争力をつけるだけでなく将来のインフレ対策にもなる。


「少子高齢化が進む日本では内需拡大は見込めない」「これからは成長著しいアジアなどの需要を積極的に獲得することで成長するしかない」「外国人観光客や海外資本を積極的に呼び込み、グローバル化の恩恵を享受しよう」――。こうした威勢の良いグローバル成長戦略論がこれまで何度も唱えられてきたが、急激に進む円高の前に沈黙を強いられている。
 現下の円高は、この1年の世界の動きから十分予想できた。自国の慢性的な貿易赤字という世界経済の不均衡こそが金融危機を招いたとの認識の下、米国は輸出拡大を進め、ドル安を望んでいた。中・東欧諸国の財政危機は、ユーロ安の長期化を予期させた。外需依存度が約4割と高い新興国は、外需獲得以外に成長するすべはなく、ドルと連動した自国通貨安を歓迎するに違いなかった。世界恐慌が通貨切り下げ競争を引き起こした歴史からも、世界各国が通貨安を望むのは明らかだった。
 この過酷な情勢で日本が外需獲得で成長できるというのは認識が甘すぎる。それどころか、グローバル成長戦略は円高に対して無力なだけではなく、円高の原因にすらなる。外需獲得による貿易黒字の拡大は、円を高くする。外国人観光客や外資の流入もまた円買いを加速させる。グローバル成長戦略とは、円高を促して国際競争力を減殺するという自爆行為ですらある。
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 それではこの円高をどうするのか。為替介入に踏み切ったとはいえ、欧米が通貨安を望んでいる以上、国際協調による大規模な介入は難しい。デフレで資金需要がない中では、金融緩和の効果も乏しい。何も打つ手はないようにみえる。
 そこで、発想を変えてみよう。まず、円を安くするには、輸入を増やせばよい。そして、輸入を増やすためには、内需を拡大すればよい。デフレ不況下では、内需拡大の手段は財政出動だ。財政出動による内需拡大こそが、輸入増を通じて円を安くし、国際競争力を高めることにつながる。
 経済学の教科書では「財政出動は金利上昇を通じて通貨高を招く」とある。しかし、これは需給が均衡している正常な経済の場合であって、圧倒的に資金需要が不足しているデフレ下では、デフレを完全脱却しない限り金利の大幅な上昇はあり得ない。よつて、円高にはならない。
 巨額の財政赤字ゆえに財政出動に拒否反応を示す人が多いが、デフレ下では財政出動による金利上昇の可能性は低い。現にここ10年、政府の累積債務は拡大したが、長期金利は低位で推移している。また、日本は経常収支の黒字国にして世界最大の対外債権国である。国債はすべて自国通貨建てで、債務不履行になることはあり得ない。
 「少子高齢化が進む中で、内需拡大は望めない」という通念が根強くある。この強迫観念こそが「成長するには外需獲得しかない」というグローバル成長論を支えていると思われる。しかし、少子高齢化するから外需主導の成長しかないという論理は、筆者にはまったく理解できない。確かに、人口減少は国内需要を縮小させるだろうが、人口減少で縮小するのは需要だけではない。供給力も縮小する。人間の数が減ることで、需要だけ縮小して、供給力は海外に出ざるをえなくなるとは考えにくい。
 それどころか「少子化」とは労働力(供給)の相対的な減少であり、「高齢化」とは需要の相対的な拡大であるから、少子高齢化は、供給に対して内需を相対的に拡大する。日本の供給力は国内需要を満たせなくなる。よって、グローバル成長戦略は日本が採用すべき戦略ではない。
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 むしろ、少子高齢化が供給不足をもたらすのだとしたら、懸念すべきは将来のインフレだ。ならばそれに備えて、将来の供給力を今から強化しておかねばならない。数年~数十年後の供給力の強化のため、今から、設備投資、インフラ投資、研究開発投資を積極的に行うべきなのだ。こうした将来の供給力強化のための「投資」こそが、需要不足によるデフレ不況に苦しむ日本経済が必要とする「内需」にほかならない。
 要するに、今すぐ行うべき内需拡大とは、危機克服のための対策であると同時に、長期的な少子高齢化対策(インフレ対策)でもある。日本社会が少子高齢化するからこそ、内需主導の景気回復が必要なのである。そして、内需拡大は、輸入増加を通じて円安を誘導する。国際競争力のためにも、内需拡大こそが有効だということだ。
 この程度の見やすい道理がなぜ見えないのだろうか。それは2002~ 06年の輸出主導の景気回復という成功体験のゆえと思われる。だが、あの輸出主導の景気回復は、世界経済の好況と円安という環境によるものだった。当時の世界経済の好況は、米国の住宅バブルの産物にすぎず、それは08年に崩壊したグローバル成長戦略は時代遅れとなったのだ。はかない成功体験は捨て、現実を直視し、戦略を立て直すべきだ。

(中野剛志)
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 素晴らしすぎて、コメントはありません!
 と言いつつ、一言だけ。


「将来の供給不足に対処するための現在の需要創出を!」


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