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【日経BO連載最新版】
第六回【「輸出頼みニッポン」という大誤解、そして真の弱点とは 日本国家のグランドデザイン(前編)“世界6位”の面積を生かして】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100903/216103/?bvr


 昨今、本ブログで取り上げることが多くなったアイルランドの銀行債務危機を切っ掛けに、再び欧州経済に寒波が押し寄せてきました。
 その結果、見えてきたのは、ユーロ圏内の利害関係の衝突が、もはやどうしようもない水準にまで進もうとしていることです。


IFW所長:ギリシャは「倹約で自分の首絞める」-独誌フォーカス
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a6624NgGNnd4
 ギリシャは「倹約によって自分の首を絞め息の根を止めようとしている」と、ドイツのキール世界経済研究所(IFW)のデニス・スノーワー所長が独誌フォーカスに語った。公的部門の支出縮小の取り組みは、将来の債務削減を一層困難なものにすると指摘している
 同誌によればスノーワー所長は、債務国はリセッション(景気後退)を恐慌にまで悪化させるリスクを冒していると警告した。債務水準を監視する独立委員会を設置することも勧めたという。 』


 別にギリシャに限らず、バブル崩壊国の政府が「倹約」してしまうと、まさしく自分で自分の首を絞める結果に終わります。最近、注目度が高くなっているアイルランドがまさにそうです。何しろ、バブル崩壊とは民間の負債・支出激減を意味し、そんな状況で政府までもが支出を絞ってしまったら、
「一体、誰が支出して、GDPを維持するの?」
 という話になってしまうのです。


 アイルランドは欧州で最も早くバブルが崩壊し、政府が銀行の債務保証やら資金注入やらに精を出した結果、財政が悪化しました。アイルランド政府は金融市場(格付け機関など)からの圧力を受け、増税&政府支出削減という、どこかで聞いたような緊縮財政に乗り出したわけですが、結果的には2009年の実質GDP成長率をマイナス7.1%に叩き落すという、カタストロフィを迎えることになりました。(ちなみに、現在のアイルランドの失業率は13.3%)


 別に、数字のみでその国の経済状況は完全には測れないとは思いますが、09年秋まで「政府の粉飾会計」で財政赤字の規模をごまかしていたギリシャの09年実質GDP成長率はマイナス1.96%、失業率(6月現在)は11%となっています。う~ん・・・・という感じがしませんか。


 このままギリシャ(だけじゃなく、他のバブル崩壊諸国も)が政府の倹約を続けると、まさしくスノーワー所長の言うとおり、
「リセッション(景気後退)を恐慌にまで悪化させる」
 ことになってしまいます。
 とはいえ、緊縮財政路線をやめるのも、そう簡単にはいきません。何しろ、ユーロには↓この国があるわけです。


ドイツ財務相:財政赤字に「より確固たる」制裁必要-危機回避で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a8fwvipbrPfw
 ドイツのショイブレ財務相は、欧州は財政赤字に関する協定に違反した域内諸国に対する監視体制の向上と、「より確固たる」制裁が必要だとの見解を示した。
 同相は、ドイツのZDFテレビとのインタビューで、「より良い監視体制や早期の介入、より確固たる制裁などが将来の危機回避の可能性を高める」と指摘。また、金融取引税を「確実なものにする」よう努力すると語った。』


 そりゃあ、危機が「将来のもの」であるならば、財政赤字協定違反国に「確固たる制裁」を加えることに意味はあるかも知れませんが、いまさら手遅れでしょう。
 南欧やアイルランドなどのユーロ加盟国は、今後、「リセッションから恐慌」に至るリスクに怯えながら、ドイツや金融市場の要請に沿い、緊縮財政路線を採らざるを得ないわけです。しかも、危機がこの段階に至っても、自国通貨が「暴落」することはありませんので、輸出競争力強化による経常収支黒字化も望めません。


 となると、結局のところ、政府や民間の対外負債を返済するために「ユーロ」を国民から搾り取る、すなわち緊縮財政を強行するしかないわけです。その後、アイルランドのようにGDPが極端に減少する局面を迎えるとしても。


 ここまで読むと、↑これらの国々が「共通通貨」を利用していることに、無理がありすぎるように思えてくるでしょう。

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