続々　アメリカ経済の日本化

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『ルービニ教授：ＦＲＢの景気てこ入れ、政策手段は底をつきつつある
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aD6GOKz9SPAM
　米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は27日、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）は景気てこ入れに向けた効果的な手段を失いつつあるとの見解を示した。
　同教授はブルームバーグラジオとのインタビューで、「何年も緩慢な経済成長を回避することはできない。政策手段は底を尽きつつある」と発言。

　ルービニ教授はさらに、銀行の超過準備は１兆ドル（約85兆円）に膨らんでおり、ＦＲＢが超過準備預金への金利を25ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）からゼロへと引き下げても銀行融資にはつながらないと述べ、「つまり金融政策の効果がなくなってきたということだ」と指摘した。』

　預金超過額が１兆ドル・・・・。まだまだ・・・・・。
　日本の預金超過額は、１６０兆円を上回っていまっせ（内、日本国債の運用が１４０兆円弱）

【国内銀行の貸出金、実質預金、預金超過額の推移（単位：十億円）　1989年－2010年6月】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_30.html#Kajo

　そもそも、現在のアメリカは事実上のゼロ金利政策にも関わらず、民間の負債総額が減り続けているわけです。（その裏で、政府の負債総額がひたすら増えていっている）日本のバブル崩壊後は、橋本政権の緊縮財政開始までは、辛うじてではありますが民間への貸出金が増えていたので、アメリカの現況は「９６年までの日本と、9７年以降の日本の間」くらいの状況に至っているわけでございます。

　ルービニ教授の、
「何年も緩慢な経済成長を回避することはできない。政策手段は底を尽きつつある」
　という発言は、まあ、正論なんですが、結局のところアメリカ政府は対処療法的な景気対策を繰り返し、だらだらとしたバランスシート不況が続き、政府の負債総額は増えていく（しかし、長期金利は上がらない）状況になっていくと思います。まさにアメリカ経済の日本化です。

　ちなみに、アメリカの銀行から一般の預金者への金利がどうなっているかと言えば、７月に平均金利が０．９９％に低下し、１０年ぶりに１％を割り込んでしまいました。まあ、これでも日本に比べれば、高いわけではございますが、貯蓄預金（普通預金など）はすでに金利０．０１％に低下しているところもあるため、まさしく「日本化」が進行していっていると言っても過言ではないでしょう。

　金利が低下すると、ＡＴＭからの引き出しなどにかかる手数料で、銀行に預けることが「逆ザヤ」になってしまいます。日本人は慣れているのでしょうけれども、アメリカ人は違います。さらに、アメリカの場合は残高が一定水準を下回った場合、銀行から手数料を請求されるケースが多いのです。
　結果、何が起きているかと言えば、　「たんす預金」の増加だそうです。

◆政府以外の民間のバランスシートにおける、負債総額の減少。
◆銀行における預金超過額の拡大。　
◆金利の極端な低下。

　バーナンキＦＲＢ議長は、景気回復が失速していることを認め、必要があれば追加金融緩和策を実行に移すことを表明しました。とはいえ、ルービニ氏の発言どおり、昨今のアメリカでは金融政策の効果がなくなってきています。金利を下げても、流動性を上げても、銀行からの貸し出しが増えないわけです。買われるのは、ただただ、国債ばかりというわけでございます。

　さらに、野党の共和党は当然ながらオバマ政権の財政出動による「国の借金（政府の負債）増大」を中間選挙において攻め立て、政府の脚を引っ張るでしょう。

　本当に橋本政権以降の日本そのままです。怖いくらいに似ています。さすがにアメリカには、「国の借金」のコピー＆ペースト用資料を記者クラブで配る、財務省のような存在はないと思いますが。

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