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 日経BOの連載、人気沸騰のおかげで全六回から全八回に延長になりました。応援ありがとうございます。
 最新である第三回は↓こちら。
 
【「国の借金」意味分かって使ってる? 家計簿的発想で「国家のバランスシート」を見るなかれ】
 
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100816/215789/?bvr


 第四回は来週火曜日に掲載になりますので、すでにわたくしは原稿を書き上げています。(木曜日が〆切です)
 ちなみに、タイトルは『デフレ環境下でインフレ対策を叫ぶ 「規制緩和しろ! 生産性を向上しろ! ムダを削れ!」すべて誤り』となっております。何といいますか、タイトルは日経の編集さんがつけていらっしゃるのですが、非常にノリが独特ですね。PV数が異常に多いのも、もしかしたらタイトルの勝利なのかも知れません。
 回数が二回伸びたおかげで、第五回以降は若干、余裕をもった説明ができそうです。第四回の執筆中までは、全六回の予定だったため、かなり詰め込み気味に書かざるを得ませんでした。特に、第三回と第四回が「濃すぎ」になっています。
 まあ、読んでいれば分かりますよね。


 昨日のクルーグマン氏のインタビューにもあった通り、日本経済の問題解決には「財政政策と金融政策のパッケージ」が不可欠です。それ以外の方法は、すでに何度も試したわけですが、結局、デフレ脱却は果たされませんでした。


 第四回のテーマは、
「デフレ環境下でインフレ対策を叫ぶな!」
 ですが、これはもちろんデフレ環境下で、需要縮小(駄を削れ! 補正予算凍結! 事業仕分け!)に邁進している現政権を批判しているわけです。
 が、もうひとつ、重要なポイントがあります。それは、デフレという「供給能力>需要(GDP)」という環境下で、デフレギャップが存在しているにも関わらず、需要縮小はもちろん、「供給能力の向上」を叫ぶ評論家やら政治家が相次いでいる、という点です。
 要するに、
「お前ら、現在の日本が抱える問題を正しく認識していないだろ!」
 と、言いたくなってしまうのです。


『「知恵出せば成長分野ある」首相が経済対策指示
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100820-OYT1T00895.htm?from=main1
 菅首相は20日、閣議後の閣僚懇談会で、追加の経済対策の検討を関係閣僚に指示した。
 菅首相は「できる限り財政出動を伴わない形で考えられないか」と述べ、財源確保のために新たな国債発行は避ける考えを強調した。
 この上で、規制緩和や税制の見直しなどに力点を置く意向を示した。
 菅首相は、追加対策の財源は、今年度予算に計上している経済危機対応・地域活性化予備費の未使用分約9000億円と、2009年度一般会計決算の純剰余金のうち約8000億円の計1兆7000億円の範囲内に収める意向とみられる。
 追加対策について記者団に対し、「(政府が今年7月から実施した)中国人観光客向けビザの条件緩和など、知恵を出せば経済成長する分野はたくさんある」と述べた。
 具体策として、前原国土交通相が同日、省エネ対応型住宅の新築や改築でポイントを受け取れる「住宅版エコポイント」について、12月末の期限の延長や対象を拡充する考えを表明した。このほか、12月末に期限を迎える家電エコポイント制度の延長や、新卒者の就職支援や中小企業向けの低利融資制度の拡充などが検討される見通しとなっている。』


 だから「規制緩和」は供給能力向上のための施策であって、デフレギャップを拡大させるっつうの! デフレで物価が下落している最中に、価格競争を激化させてどうするというのでしょう。


 規制緩和の代表例として、例えば2002年に自由化されたタクシーがあります。自由化、規制緩和の結果、タクシーの数が爆発的に増え、場所によっては2倍近くにまで増えたところさえあるのです。
 結果、価格競争が激化し、ドライバーの収入が激減し、ドライバーが労働時間を延ばさざるを得なくなった結果、タクシー事故は増加の一途をたどっています。さらに、価格競争が行き過ぎ、ドライバーの最低収入さえ確保できなくなった結果、タクシー料金を「値上げ」するところさえ出てきました。
 一体、何のための規制緩和だったのでしょうか。デフレ下で供給能力を高めた結果、どうなったか。タクシーの事例が明確に教えてくれるわけです。


 ちなみに、お分かりでしょうが、わたくしは別に「規制緩和は断固悪」などと、単純論を言っているわけではありません。供給能力が需要を下回る、インフレギャップが存在している時期には、規制緩和による供給能力向上は正しい施策ですし、むしろ必要です。
 単に「デフレの時に、供給能力を高めてどうする」と、言っているだけです。


 結局のところ、菅政権は「民主党の熱烈な支持者になったつもりで、思いっきり、良く言ってあげると」小泉政権の後継者ということなんですかね。「できる限り財政出動を伴わない形で考えられないか」なんて、財務省の意向を百パーセント受けているとしか考えられません。

 いずれにせよ、「あの」民主党政府がここまでアタフタしている以上、最新のマクロ経済データは大変な状況になっている可能性が高いです。


 わたくしはご存知の通り、ワンフレーズやスローガン政治が嫌いです。が、今の日本にとっては、以下のワンフレーズが本当に正しく、適切なのかも知れません。 すなわち、


「政権交代こそ最大の景気対策!」




最後のワンフレーズに思わず頷いてしまった方は、

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