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 週間SPA!8月17日・24日合併号に、「マネー特捜 中国の不動産バブル崩壊はいつ、どの規模で崩壊するかに注目が集まっている」寄稿いたしました。


 え~、これまでに何回か書きましたが、本ブログではあまり他の方の著作というものを取り上げません。取り上げるのは、本ブログのテーマに沿っており、かつ三橋が心の底からお勧めできるものだけです。
 正直、出版社などから「この本を取り上げて欲しい」とご寄贈頂くことは多々あるのですが、九割はエントリー掲載をお断りさせて頂いております。理由ですが、著作を紹介し、ユーザ様にご購入頂くということは「お金を使って頂く」ということですので、頼まれたからといってわたくしが気軽に紹介してはまずいと思っているからです。自分で読み、その上で「断固取り上げるべき!」と確信を持ったものだけを取り上げるようにしているわけでございます。
 これまでに本エントリーで取り上げた作家さんは、リチャード・クー氏、木下栄蔵氏、増田悦佐氏、大石久和氏、浅川芳裕氏、中野剛志氏などになります。どの方の著作も、わたくし自らが「愛読」し、何度も繰り返し読んでいるものばかりでございます。 


 というわけで、久々に「超お奨め!」な作家さんと著作をご紹介いたします。


正々堂々と「公共事業の雇用創出効果を論ぜよ」 人のためにこそコンクリートを 」 藤井聡:著(日刊建設工業新聞社)

 この本、凄いです!



 何といいますか、わたくしはあくまで単純に「マクロ的な視点」から財政や内需、公共投資などを語っていますが、この方は現場サイドから「マクロ的視点を持ちながら」公共投資や土木について語っていらっしゃるのです。要は、見ている方向がわたくしとは真逆になっているわけですが、結論は非常に似通ったものになっています。
 公共投資による内需拡大及び雇用創出、都市化投資の必要性、デフレ下で「クラウディングアウト」を叫ぶ愚などなど、視点がまるで違うのに、結論が同じというのは非常に興味深いです。また、民主党の「コンクリート(公共投資)から人(社会保障)へ」について批判し、
「『コンクリートから人へ』の財政方針は、結局は『人』に対して甚大なる害悪をもたらす、ということを、我々国民は知らねばならない」(P20)
 と、評されています。


 さらに「コンクリートから人へ」が「人」に害悪をもたらす要因として、藤井氏は以下をあげられています。


◆十分な維持管理費が捻出できない結果、舗装が不十分になったり、上下水道が古いまま放置され、「人」が不利益を被る
◆最悪の場合、橋が落ちたりすると「人」の命が奪われかねない
◆治水、耐震が不十分であれば、地震や洪水の際に「人」の生命と財産が失われる
◆社会保障よりも公共事業の方が、圧倒的に「雇用創出」や「国民所得向上」の効果が高い

 全くもって、ごもっともでございます。


 確かに所得が低い階層や失業者に対する社会保障は大事です。しかし、藤井氏も書かれているように、そもそも社会保障を提供せざるを得ない環境に陥ることを避けることこそが、重要であり、政府の役割なのです。失業者が就職し、自らの足で立ち、自らの労働で生きていく環境が産まれれば、社会保障に必要な費用は削減されます。その状況を生み出すことこそが、政府や政治家に最も求められている「仕事」だと思うわけです。


 以下、藤井氏の著作から引用です。


『今や世紀に一度ともいわれる大きな経済不況を引きずり、かつてない程に失業率は高まりをみせ、わが国は世界で唯一の「デフレ」国家となってしまった。時代は1990年代から大きく変わったのである。こうした状況では公共の利益のために必要なのは「雇用創出」を含めたマクロ経済政策なのであり、そのための抜本的な「内需の拡大」こそが、今、喫緊の国家的課題となっているのだ。
 そう考えるなら、今こそ我々は公共事業による雇用創出効果を含めたマクロ経済効果を、改めて論ずべきなのではないだろうか。そしてそうした効果を、まるで恥ずかしいことを口にするかのように言及するのではなく、正々堂々と力強く発言していくことこそが、今、真に国家公共に資することなのではないだろうか。(中略)
 それと同時に、建設業界不況の今日にあってすら、建設業界は日本の全雇用の約9%を担い、かつ、日本のGDPの約6%にあたる30兆円という内需を創出しているのだという事実もまた、忘れてはならない。この雇用も内需も、日本の経済を牽引するものと目される事が多い自動車産業のそれら(雇用については約8%、GDP比については約3%)を上回る水準にあるのである。(P17-P18)』


 ああ、惜しい! 「日本のグランドデザイン (講談社)」執筆中ならば、何としても藤井氏にインタビューを申し込んだところなのに!
 もしも「日本のグランドデザイン」の続編を書く機会を頂いた際は、是非とも藤井氏にお目にかかりたいと思います。



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