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おお!いつの間にやら、参議院選挙前同様に、人気ブログランキング「政治部門」の首位に定着しつつあるようです。ご支援、ありがとうございます!
この調子で「総合ランキング」の首位も狙いたいところでございますが、まだまだトップとはかなり開きがあります(今の新ブラは総合四位)。今年中に狙えるでしょうか。
しかし、芸能系ブログなどで「画像」をクリックすると、ランキングポイントに飛んでしまうやり口は、感心しませんねぇ。「新世紀のビッグブラザーへ」は、ひたすら内容のみで競っていきたいと思います。
本日は昨日のエントリー「欧州経済の真の問題
」からの続きでございます。
昨日の後半に、
「ストレステストの結果、審査を通過しなかった金融機関はわずかに7行で、不足する資本総額は35億ユーロ(3600億円程度)とのことでございます。
・・・・・あり得ません。何しろ、アメリカが発行した証券化商品の7割は欧州の金融機関、もしくは欧州系金融機関が購入していたのです。」
と書きましたが、別にこの種の疑念を抱いたのはわたくしだけではございません。
『欧州健全性審査で懸念解消されず、不足額が予想大きく下回る-専門家
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aOynnauHv0p4
欧州の91行を対象としたストレステスト(健全性審査)では、7つの銀行が合計35億ユーロ(約3900億円)を調達する必要性が指摘されたが、アナリストは審査が十分に厳しくなかった可能性があるとして失望している。
ブルーウィン・ドルフィン・セキュリティーズのチーフストラテジスト、マイク・レンホフ氏は「必要とされる資本の総額は市場の予想を大幅に下回っている」と指摘。「ソブリン債危機に伴う損失への懸念を考慮すると、極めて少額のようだ」と述べた。
TCWグループのチーフ・グローバルストラテジスト、コマル・スリクマール氏は「安心できるものでは全くない」と述べ、「審査は大半の銀行が通過するような形に設定されていた。私に対しては、銀行システムが安定しているとは告げていない」と指摘した。
ストレステストの結果が23日に公表される前に、ゴールドマン・サックス・グループのアナリストは銀行が必要となる資本調達額について総額380億ユーロ、バークレイズ・キャピタルは最高850億ユーロと試算していた。 』
特に、TCWのスリクマール氏の発言が全てでしょう。
「審査は大半の銀行が通過するような形に設定されていた。」
ぜ~ったいに、日本の新聞には載らない発言だと思いますが、この種の、
「自分たちに都合の良いように、ルールを変えてしまう。作ってしまう」
ことこそが、世界の「グローバル・スタンダード」であることを、日本人はいい加減に理解するべきだと思うのです。
日本人の場合、勝負に勝てないからといってルールを変更してしまうことを「卑怯」と受け取めますが、歴史的に大虐殺を何度も経験した大陸諸国の人々にとっては、極当たり前のことなのでしょう。
以前、「紛争史観」と「災害史観」についてエントリーを書きましたが、とにかく欧州諸国はローマ帝国の昔から、何度も(日本人は)度肝を抜かれる規模の大虐殺を経験しているわけです。ローマ帝国の滅亡にせよ、モンゴル軍襲来にせよ、三十年戦争にせよ、ナポレオン戦争にせよ、紛争のたびに何十万、何百万という人々が亡くなることが「歴史的常識」である地域で生き抜いてきた人々と、我々日本人が同じ価値観を抱けると考えること自体に無理があるわけです。
今回の世界的金融危機における会計ルールの変更や、ルールのよく分からないストレステストにせよ、これまで通りのルールを適用してしまうと、冗談抜きに「国が飛んで」しまう可能性すらあります。そうである以上、
「我が国の国益のために、ルールを変更した。何か、問題あるか?」
と、やってくることは、欧州の人々にとっては普通とは言いませんが、決して「とんでもないこと」ではないのでしょう。
だからと言って、日本人も国益優先で好き放題やればいいと言いたいわけではありません。そうではなく、「海外諸国と日本は、違う」という現実を認識した上で、国益のための戦略を構築するべきだと考えるわけです。
日本の自称エリートの皆様は、欧米信仰が強く、とにもかくにもアメリカやヨーロッパを礼賛し、日本を貶める傾向があります。そうであるならば、欧米諸国の「自国優先主義」も見習って欲しいものですが、もちろんこの種の「欧米に都合が悪い現実」は、彼らは見ようともしないし、見たとしても無視するわけです。
要するに、ダブルスタンダードでございます。万が一、日本に「自国優先主義」を貫こうとする政治家が現れた場合は、彼らは大声で、
「卑怯だ! 自国ご都合主義のエゴイズムだ!」
「グローバルスタンダードに反している!」
などと、大々的な批判を展開することになるでしょう。
結局は「情報」の問題というわけです。日本の自称エリートの皆様が、ダブルスタンダードな欧米礼賛(最近は中共礼賛も)を繰り返すのであれば、わたくし達、一般の日本国民が情報武装をし、対抗していかなければなりません。
そういう意味で、インターネットの存在というのは本当に大きいです。まだまだインターネットは自称エリートの人々が活用するマスコミに比べれば力不足ですが、最終的には「自由な情報交換」「双方向的なコミュニケーション」が勝つと信じて、今後も努力していきたいと思います。
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