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 とある「中の人」から、大変興味深いブログをご紹介頂きました。
「とても腑に落ちます」
 と、ご紹介頂いたのですが、確かにここまで色々と納得させられたのは、リチャード・クー氏、木下栄蔵氏の著作を読んだ以来です。


【Uzura Blog】
http://d.hatena.ne.jp/kaku192/


 果たして、どなたが書いていらっしゃるのでしょうか。内容を見てみると、何となく官僚さんのようにも思えますが、恐ろしく鳥瞰的に物事を見ていらっしゃいます。


 特に、5月24日の「存在自体が無駄な仕分け作業と有事の円買い 」の以下の部分など、正直、感動してしまいました。


『(引用)片ややる気のない官業が事業仕分けで非難され、もう一方ではやる気のありすぎる(商品競争力のある)官業が非難されて無理やり民営化させられる。いったい国民は“公”が行う事業に何を期待するのか。稼働率や利用率が低ければお役所仕事だと文句を言い、優れた商品を開発すれば民業圧迫だと非難されては堪らない。あたかも“公もしくは官であること”自体が非難されているようで、到底冷静な議論になっていない。
 経済状況の悪化による生活レベルの切下げ感から、公務員を妬んで事業仕分けにオダを上げているようでは情けない。みのもんたに踊らされて自ら選択した「民主党」を始めとする国会議員をこそ仕分けすべきと言いたい。何しろ、彼らは本来業務である立法の仕事を殆どやらず(できず)に行政府に丸投げしているのだから。


 今回は、先に起こったギリシャ危機に伴うユーロの混乱についても一言付け加える。ギリシャのデフォルト問題を契機に、ユーロ安やドル安基調となり円の独歩高の様相を呈している。ただし、同時に起こった世界的な株安も、近年のアイスランド危機やリーマンショックと同様に、ある程度の時間を置けば一定程度までの回復は十分に見込めるだろう。例えギリシャが本当にデフォルトしても、所詮は経済規模の小さな国であり、影響は限定されるからだ。ドイツや中国あたりがデフォルトするのとはわけが違う。
 ここで突っ込みを入れたいのは、新聞各社が雁首揃えて、今回の円高を称して“消去法”による円買いと表現していることだ。今回に限らず、最近は○○危機なる有事のたびに円が買われる傾向にあり、そのたびに日本の財政危機論を信仰するマスコミ各社は、円が信認されているという事実を認めたくないために、消去法による円買いという斜に構えた表現をする。では、円が選択される前に“消去”されたと思われるドルやユーロ、ポンド、豪ドルほかの通貨はどうなのか。財政危機のため○年後に破綻すると喧伝される日本の通貨である円に負けて、選択肢から消去されたドルやユーロを発行する国家の財政は大丈夫なのだろうか。
 日本の財政が危機などというインチキくさい謀略論を吹聴するのは、そろそろ止めたほうがよい。』


 もし、この方がどこかの官僚さんだったとしたら、色々と憤懣やる方ない中で、頑張っておられるんだと思います。


 今さらではございますが、わたくしは、現在の日本が抱える問題を「情報の流通の問題」と考えています。すなわち、「正しい情報」が「正しく伝えられていない」結果、社会的に「正しい問題認識」ができなくなっており、解決への道筋が立たないという「問題」です。


 上記のUzura Blog様の嘆きの通り、例えば「優秀で利益を上げている官業」があった場合は、マスコミを中心に、
「民業圧迫だ!」
 の声が殺到し、逆に「赤字もしくは利益率や稼働率が低い官業」があった場合は、またまたマスコミ中心に、
「お役所仕事の無駄な事業だ! 廃止しろ!」
 の声が殺到するわけです。


 そこに明確な価値基準はなく、判断基準が将来のビジョンからブレイクダウンされたわけでもなく、とにかく「官、すなわち悪なり」という単純化された図式に乗り、マスコミで「自称知識人」たちが騒ぎ立てる。そこに政局を求める政治家が乗っかり、火に油を注ぐ。それが行き着くところまで行き着いたのが、昨年8月の総選挙による民主党政権の誕生だったわけです。


「トロツキストを粛清せよ!」
「走資派を打倒せよ!」
「造反有利!(反逆には理由がある) 劉少奇一派を打倒せよ!」
「愛国無罪!」


 共産主義国家では、レッテル貼りと魔女狩りを繰り返すことで、権力者が自らの権力を強化することを繰り返してきました。そこには、まさしく「明確な価値基準」はありません。単純化された図式の下で、「ある人」の個人的な権力強化を目的に、人々がいがみ合い、憎しみ合い、悪者を作り出し、社会全体で「悪者」を叩く風潮を作り出し、政敵が打倒され、大勢の人々が傷つくことを繰り返してきたわけです。


「公共事業は悪だ!」
「官僚は悪だ!」
「公務員は悪だ!」
「自民党は悪だ!」
「日本は悪だ!」


 この種の単純化された価値観が、正しいはずがありません。と言いますか、明確に間違っています。
 結局のところ、チャンネル桜の番組でも言いましたが、わたくしは別に政治家として大成したいわけでも、作家として成功したいわけでも、経済評論家として食っていきたいわけでもないのです。ただ、現在の日本に蔓延る「誤った情報の流通」という問題を解決するために、力の限りを尽くしたいと考えているだけなのです。
 なぜならば、何度も繰り返しているように、
正しい問題認識無しで、正しい解決策を産み出すことは、この世の誰にもできない
 からでございます。


 魔女狩りを好むマスコミや政治家の皆さまへ。


 今回は残念な結果に終わりましたが、わたくしは決して諦めません。一度、選挙という戦いをくぐりぬけ、また同じ立ち位置に戻っただけのように見えるかも知れませんが、一度「円を一周」した以上、以前と全く同じ立場ではないのです。


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