三橋貴明事務所。 お仕事のご依頼はこちらから 

Twitter始めました。


人気ブログランキングに参加しています。
新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


--------------

 チャンネル桜で今回の参議院選挙を振り返りました。


【三橋貴明】参院選を終えて思う国の行方[桜H22/7/14]
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


 選挙や政治活動が無い中、単行本執筆や連載執筆、それにブログ更新に明け暮れる日々が、これほど楽なものだったとは! 正直、あの地獄(5月後半から7月上旬)のスケジュールを体験してしまった以上、今後どんな苦難があろうとも耐えられる自信がありますね(エヘンっ!)


『2010年7月15日 日本経済新聞「民放194社、09年度売上高7.8%減 4年連続減収 」
 日本民間放送連盟は15日、地上波民放194社(テレビ・ラジオ)の2009年度の総売上高が前年度比7.8%減の2兆2443億円になったと発表した。4年連続の減収となる。1951年の民放ラジオ放送開始以来、最大の減少幅という。08年からの景気低迷の影響を受け、広告収入が大幅に落ち込んだ。
 各社合計のテレビ営業収入は7.6%減となり、ラジオ営業収入は10.0%減となった。全194社の最終損益は286億円の黒字(前年度は213億円の赤字)。売上高の減少を制作費など経費の削減で補った。テレビ局の放送デジタル化の投資額が減少したことも影響した。
 最終赤字の会社は72社となり、前年度の107社より減少した。』


 新聞も放送メディアも同じですが、中期的な売上の減少傾向を食い止められない中、コスト削減により何とか黒字を確保している状況が続いています。このコスト削減について、テレビ局下請けの制作会社や、新聞の販売店に皺寄せがいっていなければいいのですが、いっているんでしょうね・・・・


 大手マスコミが抱える問題は、大きく二つ挙げることができます。


1.情報の収集、編集、流通に際したコスト構造が悪すぎる。
 例えば、取材部門についていえば、通信社である共同通信、時事通信と、大手五紙の機能が完全に重複しています。産経、毎日、それに日経の三紙は通信社も利用していますが、読売と朝日は完全に独自取材システムを構築しています。
 結果、この「取材部門」において、読売と朝日は共同通信社と競合状態になるわけです。
 実際に地方紙やテレビ局へのニュース配信の分野で、読売、朝日、共同通信が「通信社」として市場競争を始めています。それはそれで結構なことですが、業界全体で言えば、通信社系のニュースは通信社に任せてしまった方が全体最適化が達成されるわけです。


 また、流通部門の重複ぶりも、これまた半端ありません。各紙が専売店制度を取っている以上、各地域において新聞販売店が入り乱れ、膨大なコスト負担が発生しています。ANYは当初、共同配送にまで踏み込むと言われていましたが、この販売店の重複コストを何とかしなければ、業界全体が喘ぐ羽目になるので、当然でしょう。
 いっそ、戦前のように合売制に戻してしまえばいいと思うのですが、販売店が抱える雇用等を考えると、いずれにせよ一筋縄では解決できない問題でございます。


2.インターネットとの競合
 特に、広告分野におけるインターネットとの競合こそが、既存マスコミに最も打撃を与えているかもしれません。


【電通の媒体別単体売上高の推移(08年5月-10年6月)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_29.html#Dentsu


 電通の媒体別売上高の推移を見ると、かなり絶望的な雑誌、ラジオという二媒体に対し、テレビと新聞は何とかここ数ヶ月は前年並みを保っています。もちろん、09年に落ちすぎたということもあるのでしょうが。
 ところが、新聞やテレビの広告費が激減を続けていた09年においても、インタラクティブメディア(インターネット、モバイル関連メディア)の広告費は急上昇を続けているのです。それも、平均で前年同月比150%前後という物凄いハイペースで。


 無論、売上高という面で見れば、現時点では新聞、テレビの広告費と、インタラクティブメディアのそれとでは未だ開きがあるのは確かです。


 2010年6月度の電通の新聞、テレビ、インタラクティブメディアの売上高は以下の通りです。(ラジオ、雑誌はすでにインタラクティブメディアに抜かれています)


◆新聞 109億47百万円
◆テレビ 581億17百万円
◆インタラクティブメディア 40億02百万円


 とは言え、新聞・テレビの広告費がほとんど成長しない中、対前年同月比で50%超をを上回る成長を見せているのがインタラクティブメディアです。この差が急速に詰まっていくと考えない人は、あまりいないでしょう。
 
 結局、政治やマスコミに限らず、現在という時代は「情報のチャネル(流通経路)」が大きく移り変わろうとしている過渡期なのです。そういう意味で、自民党政務調査会のT様がよく譬えるように、インターネットはヨハネス・グーテンベルクの印刷システム開発と聖書印刷を上回るようなインパクトを社会に与えることになります。(実際に与えています)


 そうである以上、わたくし達日本国民一人一人も、この「新たな情報チャネルの時代」に合わせ、自分たち自身を変えていく必要があると考えるわけです。


 

引き続き三橋貴明を応援してくださる方は、
このリンクをクリックを。 

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


※本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog


『新世紀のビッグブラザーへ blog』

『新世紀のビッグブラザーへ blog』

『新世紀のビッグブラザーへ blog』

10/06/21 「経済ニュースが10倍よくわかる「新」日本経済入門 (アスコム)発売開始!
10/06/18 
いつまでも経済がわからない日本人 「借金大国」というウソに騙されるな」 (徳間書店)発売開始
10/06/10 
「日本の未来、ほんとうは明るい!」 (WACC)発売開始!
10/06/08 
「日本のグランドデザイン」 (講談社)発売開始!

Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
「三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート」 
本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!


 新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
 新世紀のビッグブラザーへblog一覧はこちらです。
 
関連blogへのリンク一覧はこちらです。