本人が叩いてみたシリーズ・FLAT122・NCD | あるピアニストの呟き

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FLAT1-22・KTGなどで活躍するピアニスト・作曲家です。
音楽を中心に色々呟きます。最近FLAT122をオリジナルのベースレストリオに戻しました!▶︎ご試聴:https://soundcloud.com/irr-meter13/matsukura-snow-wv-240615

 

 

SPIRALに続く、本人が叩いてみたシリーズ「Neo Classic Dance(以下「ネオ」)」になります。
こちらのサウンドは、私がミックスをやり直した後のデータになります。
ネオは、私が26歳の作品で、同じ年にSPIRALも作曲しています。ただ、内容は現在のものとは全く異なり、テーマAB+ソロ、そしてまたテーマでおしまい!という実に単純なものでした。このような変則的なアプローチになったのはFLAT122で演奏し始めてからです。
今も、このテーマを作曲した時のことを鮮明に覚えています。
当時私は、江古田の駅から4、5分の武蔵野音楽大学近くに住んでおりました。
酷い生活をおくっており、タバコと酒とパチンコ等のギャンブルで胃と十二指腸をやられ、田舎で寝た切り生活から何とか、東京に戻ってきた頃です。
ガリガリに痩せて、髪はロン毛で、今の自分とは全くの他人みたいな風体です。
ギターの平田君が、当時の私を覚えています。恥ずかしいことに、、笑

詳しくは言えないのですが、とにかく落ちるところまで落ちた感があり、とにかく普通に真面目に働くこと、と自分に言い聞かせつつ、場末な写植版下屋で働いておりました。珍しいことに正社員でしたね。余程懲りたのでしょう。ボーナスも貰って、それでコルグのシーケンサーとリズムボックスを買いました。(それで嫁と渋谷ジャンジャンに出たりしたわけです。)そういう少しテクノっぽい方向性はこの頃の自分の特長です。好きな音楽といえば、とにかく風変わりな音楽に異様に入れ込み、ウニタミニマとか、ゲルニカとか、でもショコラータなんかも好きでしたけどね、、笑 そういう要素が今聴いてもこのネオには横たわっているのが分かります。ネオはこの時代の自分がよく出ています。この場末なボロい会社から、お昼休み弁当を買って帰ってくると、30分くらい脇めもふらず、作曲するのです。月の休みが日曜日以外では土曜日1回しかなかったので昼休みのこの時間は私にとって藁にもすがる大切な時でした。ネオのテーマは最初からパロディで作ると決めており、それはハチャトリアンの「剣の舞」でした。あの誰もが知っているアレです。ほら、テーマの部分、似てますでしょう、、笑 今の自分が失った、ギラギラとした絶対に雲の上に出てやる!!というロン毛のお兄ちゃんの30分の格闘から、こいつは生まれました。
それを、今、こうして田辺君が「本人が叩いてみた」とか言っていとも簡単に演奏してますが、何とも時代の"うつろい"を感じるものです。是非、ご視聴のほど。
*FLAT122の次回ライブは8月17日(sat)四谷Doppoお昼ワンマンライブになります。