『腸内細菌が家出する日』藤田紘一郎著 | パーマン三号のブログ

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好きな著者で、タイトルが面白く読んでみたら、やはり面白くてためなりました。


陸海空から『家出』が続出!

まずは空のミツバチのお話。

『2006年あたりからミツバチの大量失踪が頻繁に起こっているという。CCD(群れ崩壊症候群)と名づけられ、アメリカのミツバチの半分近くが姿を消したとも。
CCDには特徴があり、まず働き蜂がいなくなる。そうすると残された女王蜂や幼虫も死んでしまい、巣があっという間に全滅してしまうとのこと。
さらに、方向感覚に優れたミツバチが巣に戻ってこないことや、死骸がほとんど見つからないことも共通する特徴』

理由も不明、まるでオカルトです。

https://youtu.be/fIQ6_6pUyzc?si=uKRjaqZ1hAz2KSVE
時代ですね、みなしごは今は差別用語…もう死語です

https://youtu.be/btUZ0CglhFY?si=CR45SdcqmiIv6u0e
気をつけませう


次は海、サンゴのお話。

『1995年から2017年の間にグレートバリアリーフのサンゴは急速に死滅し、約半分の規模にまで減少している。
理由は白化現象。
白化現象とはサンゴに共生している褐虫藻が消滅し、サンゴの骨格が白く透けて見えてしまう現象である。
共生藻からの光合成生産物を受け取ることができなくなったサンゴは壊滅の一途を辿ることとなる』

サンゴの中には藻が住んでいて、お互いに助け合って生きているので、藻が死んだり、「家出」するとサンゴも死んでしまうのです。

https://youtu.be/oHfiHKjkhAw?si=PF-zv4k_fpigX7eW
白いって白化現象?…もう死後です


ミツバチの家出は、農薬や電磁波や温暖化などの複合的な理由があるそうですが、本には更に他の理由があると書いています。

それは「農業ビジネス」です。

アメリカでは、授粉をさせるために開花時期になると、トレーラーで大量のミツバチを運んできて農園に離し、短時間でミツバチに授粉をさせるのだそうです。

ミツバチにとっては過酷な労働の上に、同じ蜜ばかり吸うことで栄養が偏り、結果免疫力が落ちて自然のミツバチより半分の寿命になってしまうそうです。

元々、自然に飛び回るミツバチに授粉をしてもらっていたのを、勝手に人間の都合でミツバチを操り、いつの間にかミツバチの「恩恵」を壊してしまっているのです。

そりゃ、ミツバチだってパワハラに嫌気がさして、出奔しますよ。

https://youtu.be/yh3Up-NyfIM?si=TOYK_3TkReX6zoQe
先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし、ですが、今は、先生と呼ばれるほどの人でなし…


さて、最後の「陸の家出」は、人間の腸からの細菌の消滅です。

腸内には「腸内フローラ」と言って「お花畑のような腸内細菌」がびっしりとついています。

それは指紋と同じく、誰一人として同じようにはならないそうです。

その腸内細菌が減少しているのです、フローラが傷ついているのです。

https://youtu.be/FUu-NW6W4Ao?si=g-hmdBq5fCgUZBj5



腸内の細菌の数が減ってしまうと腸の粘膜に穴があいてしまいます。

すると、悪玉細菌を防御できなくなったり、吸収できない栄養素までも血管に「通して」しまうのです

それを「リーキーガット症候群」と言うそうです。

「リーキーガット症候群」になると、悪玉細菌や栄養素を「敵の侵入」として「免疫力」が発動します。

そしてそこが「炎症」を起こすのです。

小腸や大腸が炎症を起こすと栄養が吸収出来なくなり、いくら食べても痩せてしまい、潰瘍性大腸炎などの病気になってしまいます。


テニス世界一のノバク・ジョコビッチ氏の小麦粉に過敏になる「グルテン不耐症」に悩んでいました。

そもそもグルテンは分解されて、タンパク質が小さな分子のアミノ酸になって初めて血管に吸収されるのに、その手前までしか分解されず(グルテンペプチド)に血管へと入ってくるので、吸収できずに腹痛や下痢になるそうです。

普通の人ならば、もしグルテンペプチドのままならば、腸内細菌がバリアとなって吸収されずに、そのまま便となり排出されるのです。

またそのグルテンペプチドを「異物」として免疫が攻撃し「炎症」を起こしてしまうのです。

そして一旦グルテンペプチドの「抗体」が体に出来ると、今度はグルテンが体に入ってきた時点で(小麦粉製品を食べると)体にアレルギー反応が出てしまう、と言うことになります。

それを「セリアック病」と言います。

この「セリアック病」になると、今度は体が「ゾヌリン」というタンパク質を分泌し、その影響で腸管粘膜の結びつきを弱めてしまい、さらに大きな「穴」が粘膜に出来てしまうそうです。

世界ではこの「セリアック病」への給付金が出るほど患者数がふえ、近年は小麦製品を多くとるようになった日本も患者数は増えているそうです。

そして、このグルテンペプチドが脳内に血管を通して入ると、モルヒネと同じような作用があるそうです。

つまり「中毒」になり、それを断つと「禁断症状」が出てくるそうです。

昔からよく「糖分には中毒性がある」と同じく、パンやうどんも「マイルドドラッグ」の効果があるそうです。

「陸海空の家出」の原因は、人間が自然と「共生」を失って来ているから、と本書は結論づけています。


https://youtu.be/5BQ-EPtKvEU?si=lEuU8fq5MP7u2JZS
これは心配!でも安心してください、ちゃんとカラオケにありますよ(DAM)

https://youtu.be/PmEvPNaJfFU?si=TDAvVBPR6hSn3pOA
DTも悩むけどEDも困るよね、でも安心してください、ちゃんとカラオケにありますよ(JOY)

https://youtu.be/58uSuykluUE?si=c-byx_8q7-hrxLHf
shorts!


また本題とは外れていますが、もう一つ面白いことが書かれていました。

前回『したたかな寄生』という本で「トキソプラズマ」のことを書きましたが、この本の著者は元々「寄生虫」の専門家なので、そのトキソプラズマの事も本の前半で詳しく書かれていました。

トキソプラズマはほぼ全ての鳥類と脊椎動物に感染する細菌で、唯一「ネコ科」の動物(終宿主)の腸内でしか「生殖」しないのです。

ただし、ネズミ(中間宿主)に寄生すると今までネコを敵視していたのが、何故かネコ好きになり、わざわざ食べられにネコに自分から近寄っていくのです(『したたかな寄生』感想文参照)

「へへんっだ、俺さまは丑年の人間(待機宿主)さまだ」

https://youtu.be/JoURjxMQ7eQ?si=itkVAJNjeTFYA2YI


…とたかをくくってもいられないような研究結果が近年続々と発表されてきました。

今まではネズミ以外の動物にトキソプラズマかわ感染しても、トキソプラズマは活動を停止し「休眠状態」にはいり、硬い殻に閉じこもってしまい、「悪さ」はしないとされてきました(待機宿主は必ず経由しなくてもよいから)

ところが…

人間の時は何故殻に閉じこもるのでしょうか?

実はこれは「免疫力」と関係がありそうなのです。


『トキソプラズマが宿主細胞から奪う栄養は、アミノ酸のうちのトリプトファンです。

これは、脳内伝達物質であるセロトニンの材料ともなっています。

人間の免疫システムは、トキソプラズマに感染すると自分の体を守るためにIDO(インドールアミン酸素添加酵素)を代謝します。

これは体内のトリプトファン代謝を亢進する酵素で、トキソプラズマは唯一の栄養素であるトリプトファンを奪われてしまうために休眠状態となります。

つまり、人間がトキソプラズマに感染すると、体の免疫機構が寄生虫を抑え込んでくれるのですが、これにともなってトリプトファンが不足してセロトニン不足にもなります。

セロトニン不足はご存じのとおり、うつ病発症の原因にもなるものです』(317頁)

セロトニン(幸福ホルモン)の素はトリプトファンなのです。

逆に、免疫力の低下などが体に起こると、今度はトキソプラズマは殻を破り体内へ「悪さ」をしに動きまわるのです!

もうこうなってくると「風が吹けば桶屋が儲かる」的な「牛がゲップをすると地球の温度があがる」「便座のフタをしないと湯気(温度と臭い)がたつ」と同じ事になります。

「蝶が羽ばたけば嵐が起こる」のです。

トキソプラズマに感染すると他にも、注意力が低下して交通事故をおこす率があがるとか、男性はルールを破る反抗傾向が強くなる、などと言われています。

なんだかわからない気分の変動なども実は細菌のせいかもしれません。

…となると、やはり猫は宇宙からの生物兵器?

いゃいゃ、そんなことはないでしょう、だってかわいいから(ΦωΦ)

https://youtu.be/jEMXCthY6Nk?si=nYMqY_H36qOnpnpp
好きな曲なんですが、改めて聞くとス◯ーカーっぽい


トキソプラズマに操られて自分をなくした私は

虫に「無私」にされ、無視出来ない状態です(本書より、自分と似た匂い)


「情けは人のためならず」

情けは人のためにならない、と今の人は言うかもしれませんが、本当は、情けをかけることは巡り巡って自分に帰ってくる、と言うことです。

自分と他人はお互いに影響していて、人間と自然も同じように共生しているのです。

それははっきりとわかることから、全く関係無さそうなことまで。

自分だけが良くても、それは一時的なことであって、結局最後は自分に返って来ます。

体に無理をさせ、自然を都合のいいように利用してきた報いは、いずれ「刈り取る」ことになるのでしょう。


「神の国は、ある人が地に種をまくようなものである。

夜昼、寝起きしている間に、種は芽を出して育って行くが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。

地はおのずから実を結ばせるもので、初めに芽、つぎに穂、つぎに穂の中に豊かな実ができる。

実がいると、すぐにかまを入れる。刈入れ時がきたからである」(マルコ福音書4章26-29節)

悪い種をまけば悪い実が、良い種をまけば良い実がみのるということです。

ただ、こんな事もいってます

「涙をもって種まく者は、喜びの声をもって刈り取る。

種を携え、涙を流して出て行く者は、束を携え、喜びの声をあげて帰ってくるであろう」(詩篇126.5~6)


どんな種をまけばいいのか、わからないけれど、とりあえず


自分の体は「借り物」で、よく働いてくれる体に感謝したいと思っています。

https://youtu.be/wr9g2Urusd8?si=25TpdB0v11C-xuiS
これあの人のオマージュでしょ、この好奇心も寄生虫のせいだと書いてあります

『純粋な「本当の自分」など存在していないのです。

私が「私」だと思っているのは、寄生虫をはじめとしたさまざまな生物の影響が混じり合った混合物です』(366頁)


仏教では「諸法無我」。

これは仏教の核心的な教えの一つであり、すべての存在や事象は独立した永続的な自我を持たないという意味です。

我々が「私」として認識するものが、実際には多くの要因や条件によって形成されており、恒常的な存在として捉えることができないということです。


ps.
一昨日誕生日を迎えて、本日検診。

へもぐろびんA1C、6.5、目標値達成!

万歳!

残すは、体重3キロ減。

『貴族の館』に感謝ですm(_ _)m

※貴族の館…様々な生物の集合体の体へのリスペクト。


長々とお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m