中3の12月半ば。
志望校を確定して、中学に報告しなくてらならない時期。
併願優遇もどきが貰えたおかげで、気持ちは随分楽になった。
都立高校は理科社会の模試の点数が伸びなかった事と、学力に合った高校は少し通いにくい場所にあったこと、また大学受験をみんなで目指す場所なので、勉強に関して厳しく指導され、娘向きではないイメージだという塾長さんのアドバイスもあり、受験しない事に決めた。
娘は12月まで学校見学を続け、最終的に行きたい高校を私立高校2校に絞った。
近所の大学付属の私立高校
志望校一校目は、近所にある大学付属の高校。1番の売りは、大学付属という点だった。学校説明会に行っても、教育方針や年間行事、部活紹介よりも、あの大学に進学できます!がメインにくる。
娘もその大学に行きたい学部があった。
3年後にまた受験は大変だ、もう塾に通ったりしなくて済むなら楽だなぁ、と思うのはどこの家庭も同じなのか、昨年度はすごい倍率だった。
この高校に行きたいけれど、模試で点数が安定して取れる様にならないと一般受験では難しい、と塾からも中学からも言われていた。
推薦や併願優遇を使わない受験は厳しい。
近所のとにかく明るい私立高校
志望校2校目は中3の12月、最後に学校見学した近所の私立高校だ。
私も娘も、なんだ?この高校?と驚いた学校。
その高校の見学案内係の生徒達は、中学生にとても感じよく話しかけるのだ。
ペンやクリアファイルなどの記念品を配るコーナーに立つ子は「全種類持って行って良いよ」。制服コーナーに立つ子も「制服の種類が多くて可愛いよ」。部活コーナーの子は「この後吹奏楽部が演奏するから見て行ってね」。吹奏楽部の演奏は楽しそうで、初心者とは思えないソロ演奏を決めていた。演奏後に吹奏楽部の部室を覗くと、説明に男子生徒がついてくれた。吹奏楽部の男子と言えば、大人しいクールなイメージだったが、明るくて楽しいお兄さん。「楽器やったことあるの?」と自然に話しかけてくれる。展示してある写真も皆楽しそう。
校内を歩いていたら娘の制服を見て「〇〇中?」と話しかけてくれた先輩が一人。中学の一つ上の卒業生だった。
面識は無かったが、先輩と娘は中学の先生の話題でひとしきり盛り上がっていた。
不登校娘が同年代の子と楽しそうに話す姿を見たのが久しぶりで、うちの娘でも普通に話せるんだ、と感動した。もっと挙動不審な感じかと思っていた。
先輩と話し過ぎて、施設の見学もそこそこに帰宅した。
男子も女子も超フレンドリーでとにかく明るい学校。皆、本当に生徒なのか?役者の卵を配置してるのか?と思うほど印象に残った学校だった。
後日確認すると、ここ数年で学校改革をして倍率が急激に上がっているので、一般受験では難しい高校だ、と塾からも中学からも言われた。
しかしながら偏差値は低めの学校なので、模試では合格率90%以上が出ていた。
そして偏差値を除けば娘の高校選びの条件にピッタリ合致する学校だった。
受験校は?
中学不登校だったから、そもそも高校に通えるのかはわからない。
それなのに、大学に進学しやすいという理由で付属高校を選んだところで、高校に通えなかったら意味がない。
通える可能性の高い、気に入った高校に通うのが一番、という理由で、第一志望を「とにかく明るい私立高校」に決めた。
塾からのアドバイスもあり、試験日が二日間あったので、合格するチャンスが増えるように2回とも受験し、受験日が重なる付属校の受験を辞めることにした。両日落ちたら併願優遇もどきの高校を受ける。
トータル3回の受験に絞った。
併願もどきを貰う前は、どこかに受かるために5日連続で5校に受験する計画だったので、気持ち的にとても助かった。
中3の1月に、ようやく受験校が決まった。