京の銘石の加茂七石が揃う庭 | 京都の春夏秋冬とプラスα

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国宝と同格の特別名勝に指定されている庭園は全国に36個所あり、そのうちで京都には13箇所特別名勝庭園がある。中でも、室町時代に発達し龍安寺の石庭に代表される枯山水式庭園は、白砂や色彩豊かな庭石で広大な自然風景が表現されている。こうした多くの庭には、鴨川の上流の賀茂川や高野川の水系で採石された銘石の加茂七石が使われている。

加茂七石とは、八瀬真黒石・鞍馬石・畑石・糸掛石・紅加茂石・紫貴船石・畚下石(ふぐろいし)を言い、これら七石が一堂に揃って見られる石庭が二条城の清流園と七条大和大路角にある。


□ 二条城・清流園内の七石庭
北中仕切門に向かう苑路に沿って造られている。

紅加茂石は、紅い色に白や黒の石目模様を持つのが特長で、水に濡れると紅みがより一層引き立つ。

紫貴船石は、鴨川上流の芹生から貴船口に過去多く産出されたが、現在ではほとんど採石できず極度の品薄状況にある模様。

鞍馬石は近年になって採石が禁止されている幻の銘石。石の表面がぽろぽろと剥離してくるのが特長。


□ 七条通大和大路角の七石庭
七条通と大和大路が交わる北西角(京都国立博物館前)にある小さな土地に七石が配置されている。1994年(平成6)の平安建都1200年を記念して造られた。現在では手前の紫貴船石が顔を出す程度で他は雑草に隠れている。


【 プラスα:二条城の清流園
二条城には江戸時代作庭で特別名勝の二の丸庭園と明治時代に造られた本丸庭園に加え、1965年(昭和40)に完成した清流園がある。

この庭は、江戸初期の京都の豪商・角倉了以の屋敷から建物の一部と庭石約800個を譲り受け、これをもとに全国から集めた銘石300個と新たな加えた茶室で構成されている。市民大茶会をはじめ二条城を訪れるVIPの接遇場所にも利用されている。