京都・花【地主桜】紀行/4.17 | 京都の春夏秋冬とプラスα

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京都観光に一度は訪れる人が多い世界文化遺産登録の清水寺、その本堂の裏手に地主(じしゅ)神社がある。

この神社は、近年では「えんむすびの神さま」として、清水寺を訪れる修学旅行生や若者で賑わいをみせているが、古くからは名桜・地主桜でも知られている。


先日のNHKのTV番組「歴史秘話ヒストリア」で、日本人の花見の対象がそれまでの梅から桜に移ったのは、平安時代に嵯峨天皇が地主神社への行幸の際に、地主桜の花見が契機になったと紹介された。昨日、快晴の花見日和に誘われ、この地主桜と「えんむすび祈願さくら祭り」を見に出かけた。


【地主神社】


清水八坂地区一体の氏神で、元は地主権現と呼ばれ明治維新後に現在の名に改められた。創建は奈良時代以前で平安遷都と共に皇室をはじめ広く信仰を集めた。


現在の社殿は、清水寺本堂と同様に江戸時代の寛永年間(1624~1644年)に徳川家光により再建され、その極彩色模様は桃山時代の華麗な様式を偲ばせている。社紋は地主桜をモチーフとしている。


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【嵯峨天皇と地主桜

嵯峨天皇は平安時代初期(在位:809~842年)の天皇であり、官営の東寺弘法大師・空海に与え、漢詩文・文筆にも長じ、空海、橘逸勢と共に「三筆」の一人としても知られている。


その嵯峨天皇が811年に地主神社へ行幸され、その際に「地主桜」のあまりの美しさに二度、三度と車を引き返して咲く花を眺めたとの故事により、地主桜は「御車返しの桜」とも呼ばれている。


             上段左写真:後方の檜皮葺は清水寺の本堂の屋根。

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             下段右写真:地主桜の傍にある黄桜(つぼみふくらむ状況)





【えんむすび祈願さくら祭り】(毎年4月の第3日曜日に開催)


神社の説明によれば、古来、桜には神が宿るとされ、開花はその神のご利益の現れと信じられてきた。この桜の美しさを祝い神々のお力を讃え、そのご利益により人々が良縁を授かることを祈願するもの。

祭りに文字通り花を添える白川女。カメラを構える人々にもサービス満点!
京に都があった頃は、「白川女の花使い」から御所にこの桜が献花された故事に因む。

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謡曲の奏上

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                   参加者に授与されたお守り「開運こづち」
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