酒とバラの日々 -86ページ目

ポルトの路地裏迷路*10/2

カテドラルから細く曲がりくねった坂道を歩いて下ると、目指すボルサ宮(Palacio da Bolsa)へはもうすぐ。

と「地球の歩き方」に説明があったので、坂道を探す。

が、どこにもそのような目立つ坂道が見つからず。


そしてお昼どきのせいか人もまばらで誰かについていくわけにもいかない。


2人で坂道らしきものを景色の中から隈なく探すと、ふと小さな矢印看板を発見。

わかるかな?右下の青地に黄色の矢印。


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この落書きのような行き先も書かれていない矢印を、本当に信じていいのだろうか。

どこにもボルサ宮行きという看板もなく不安でいっぱいであったが、

他にはそれらしき道が見当たらなかったため、この細い路地裏を進むことに決めた。


細い下り坂の路地裏は、異国の日常風景が続いていた。

絵でも写真でもなく、本当にその地の人が生活している生の空間。

文化や歴史を体全身で感じる。


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とても狭い道沿いに、どうやって建てたのだろうかと不思議でならない家がぎっしりと立ち並ぶ。

ボロボロになった壁、洗濯物がはためく風景は、生活感に溢れている。

この路地裏はポルトの風景で最も印象に残ったものかもしれない。

名所というわけではないただの道。

この道を歩く事で、この街を少し理解できたような気がした。


犬も多くいたが、決して人間に動じない。

これはナザレとまるで一緒だ。

わたしがかまってもらおうと色々してみるのだが、全く動く気配なし。

本当に生きてるのかと疑わしくなったが、やっと一瞬だけ顔が動いたので生きていることだけは確認できた。


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不安になりながらも路地裏坂道を進むと、たまに思い出したかのように突如小さな矢印が現れる。

その間隔も実にいいかげんで、しかも目立つところにあるとも限らず。

小さいので見逃してしまいそうだが、それでも親切なことに分岐路にさしかかると矢印は必ず現れるのであった。


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地元の人が矢印の指さない方向へとすすんでいくのを見ると、ますます不安になり、引き返そうと思ったぐらい。

それでもわたしたちはこの矢印を信じることにした。


少し進むごとに、全く別の顔を見せる路地裏の風景。

なんの統一感もないようで全てが統一されている、そんな感じ。


ポルトガルで共通しているのは洗濯物。

常にどの場所でも見かけるので、ポルトガルといえば洗濯物のイメージが頭に植え付けられてしまったぐらい。

空と民家と洗濯物。

時間がゆったり感じるのはこのせいか。


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路地裏は進むたびに何かの発見があり、わたしは色々な民家を写真におさめた。

しかし一部を切り取るだけではやはりこの路地裏は伝わらず。


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淡い壁の色と洗濯物の爽やかなブルーがステキ。

ポルトガル人は何の意識もなく、無意識にこんな色あいを路地裏に配色しているのだろうか。

リスボンでもナザレでも感じたけれど、洗濯バサミの色だってなんだって、

まったく秩序がないのにどうしてこんなにカラフルでステキだと思わせるんだろう。


さて、不安一杯だった路地裏は、その後下りるにつれて道も少しずつ広くなり、景色も変わっていった。


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そしてとうとう大きな車道へと交わった。

結局あの矢印はれっきとした道案内だったようなのだが・・・

あの道案内には本当に驚いた!

子供の落書きにしか見えなかった!

無事にボルサ宮へとたどりつくことは出来たのだが、あの矢印はポルト至上最も驚くものだったように思う。


矢印はさておき、路地裏は生きる歴史博物館。

ポルトに来た際にはぜひ通ってもらいたいおすすめの道である。



プレゼント

クラッチバッグのようなお財布。

まるでアンティークのような長財布。

6件ほど表参道のお店を回り、第一印象で決めました。


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真っ黒な牛皮にゴールドの船出のモチーフ。

ああ出会った、そう思いました。


開けてみると想像していなかった赤が目に飛び込み。

イタリア!といい意味で裏切られた感じ。

漆黒とゴールドと赤にズキュンで一目ぼれ。


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店員さんも、色々出してはくれたけど、こちらを1番おすすめしてくれまして

鏡を見るとよいですよ、と大きな鏡の前に案内され

ん、お財布買うのに全身映すのか!と驚きつつ自分とお財布を映しまして

もう最初から決めていたものだったけれど決定打となりました。


たかが財布、されど財布。

そういえば、長財布を持つのもはじめてでした。

なにか自分の中で敷居が高かったというかなんというか。

長財布は1つ階段を上るイメージだったので。

が、とつぜん上ってしまった。


うーん、ストライクゾーンど真ん中。

大事にしていきたいです。ほんと。

使い込むととてもいい味が出そうです。

皮の醍醐味。

今後はこちらの財布が似合う女性になりたいと思いマス。

ああプラダを着た悪魔を思い出しちゃった。

あれは本当に素敵だったなあ。


だんなサマサマありがとう。

誕生日プレゼントでした。

28歳、どうだったんだろう?どんな1年だったかな。

もうすぐ終わりか、少しさみしいな。でもいいや。

さよならー!28。


天国のような水色の回廊、カテドラル*10/2

ポルトガル語で「Se」(セ)とはカテドラルのこと。

丘の上に建つカテドラルは、街のいたるところからその姿を確認することができ、街のシンボルとなっている。


クレリゴス教会を後にしたら、急ぎ足でカテドラルへ。

というのも、カテドラルの午前の見学時間は12:30まで。

午後の見学時間は14:30からのため、なんとしてでも午前中に見学しておきたい。

だんなサマがビッシリたてた計画を崩さないために、そそくさいそいそ、大急ぎ。


ちなみにポルトは坂道の町。

それはもう登り坂が本当につらいので、ゼーハーゼーハー。


見えてはいるのに意外と遠いカテドラル。

到着したのは12:05。

外観は残念ながら工事中。


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中に入ると目の前には荘厳な祭壇。

その天井の高さに圧倒され、石の作り出すあたたかく素朴な色合いには心が吸い込まれる。

神経がピンとするのがわかる。

そこにあるのは無なのかなんなのか、わからないけれど心は静寂へと向かう。


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ゆっくりとこの空間を味わいながら、心の静寂感を静かに楽しむのだけれど、

気付くと12:15で見学時間が残り15分。


なんとまだ楽しみにしていた回廊を見ていない!

というわけで回廊の見学料金€2を支払うと係りの方が

「あと15分で閉まってしまうけどいいの?」と心配そうに聞いてきた。

もう全然いいの、とにかく見たいの!と表情と単語で表現して重いドアを開ける。


まぶしいばかりの外の世界。

クリーム色と水色の美しい小さな回廊。

閉館間際で人が1人もいないその空間は、大げさだけど天国みたいだった。


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青い鳥でも飛んでいそうなおとぎの国のような小さな中庭。

水色のアズレージョとやわらかい石の色。

なんて素敵なんだろう。


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ゴシック様式の回廊に広がる、18世紀のアズレージョ。

本当に小さな空間なのだけれど、ここは今まで見た回廊でも1番美しいと思いました。

ずっとここにいたいと思った。


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世界は平和であたたかい、と

差し込むやさしい日差しから、水色の色彩から、思わされてしまうような。

今でも思い出せる風景。


ふと気付くと15分が過ぎ、出口へ。

この水色の世界を見ることが出来てよかった。

私はこの色彩を可能な限り覚えていたい。


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わたしたちを最後に、重い扉は閉められた。

ポルトの昼休みがはじまる。